見出し画像

カスタマーサクセスのタッチモデル(ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチ、コミュニティタッチ)について本音で語ってみた

先日、カスタマーサクセスのタッチモデル(ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチ・・・)に違和感があるという話題でCS界隈の方との議論で盛り上がり、各々のタッチモデルは実際のカスタマーサクセスでどのように機能しているのか。生の情報をしっかり届けなければならないと思いました。

そこで、国内SaaSベンダーでハイタッチ・テックタッチ・CSopsすべてのカスタマーサクセス業務を経験されたWさん(以下、W)との本音対談をコンテンツにすることにしました。

W:藤島さん、よろしくお願いします。

藤島:よろしくお願いします。

カスタマーサクセスのタッチモデル、なんか変?

画像1

W:先日もお話したんですが、カスタマーサクセスのタッチモデルって前提、米国のものですよね。

藤島:提唱は米国発ですね。カスタマーサクセスベンダーのGainsightが発信したものです。

W:ふぅむ・・・ちょっと思っているんですが、一般的に語られているカスタマーサクセスモデルって対象と手法が日本だと当てはまらなくないですか?

藤島:というと?

W:米国だと、比較的ビジネスマン個人は独立していて、例えば何か新しい取り組みをするにしても自分で情報収集するタイプの人が多いですよね。

藤島:自己解決したい人の比率は多いと聞きますね。例えば役所にいったときの姿勢として、米国の方のほうがなるべく職員に頼らないで済ませたいっていう印象で、日本の人は逆になるべく頼りたいっていう印象です。僕も父が公務員なので行政の仕事を少しかじったときに感じたことなのですが。

W:そうなんです!でね、このモデルだとテックタッチって中小企業相手で、ハイタッチは大手企業相手って書いてるでしょ?僕は逆だと思うんです。

藤島:逆・・・ですか?

W:はい。だって、大手企業のほうが職能が細分化されているわけで、仕事内容としても一つのツール導入に時間をかけられるわけです。なんだったらツール導入時に、あなたはそのツール担当、と分けられることもある。だから独学していくインセンティブというか、やる気があるんです。

画像2


藤島:なるほど。

W:一方で、中小企業の方はそうではない。大手企業に比べれば一人の人が複数の業務を担いがちになります。だから1つの製品導入に対しては、他の業務との兼務となります。結果的にやる気というか、やる時間がかけられなくなる。

藤島:たしかにそういう一面はありますね。ITツールのリテラシーでいえば、大手企業の方のほうが高く、若いカスタマーサクセス担当者がハイタッチをしても、お客様のほうがこの分野は知識が上、ということもありますし。

W:そうでしょう。ここが最近の違和感です。

藤島:そもそも企業規模でサービスレベルを分けるのは変な話だなと思ってました。同じ価格を払っているなら本来は一律、同じレベルのサービスを受けられてしかるべきで。だから企業規模でコミュニケーションをわけるのではなく、契約プランや従量課金の金額などでわけるべきですよね。

W:あ~なるほどです。僕もそう思います。

藤島:Salesforceだと、有償のサポートプランの申込企業や、一定数のアカウントの閾値を超えた取引企業に対してはハイタッチで、そうではない企業はトレイルヘッド含むテックタッチのサービスを基本のものとして提供していますよね。

W:そうなんですか??まぁそちらのほうが合理的ではあります。

藤島:そもそも、顧客体験として、人によるサポートを好むのか、デジタルによるサポートを好むのかって企業規模は関係ないですからね。笑
基本サービスはテックタッチで全顧客に提供して、ハイタッチの人的サービスは有償オプションもあるので、必要なお客様はご契約ください、のほうが本質的ではあると思います。

カスタマーサクセスのタッチモデル①:ハイタッチの本音

画像3

藤島:じゃあハイタッチのモデルってどういうことをするべきですか?ってよく質問があるのですが、このハイタッチのカスタマーサクセスっていうのは調べてみると歴史は非常に浅いんですよ。

W:Salesforceがカスタマーサクセスの取り組みを始めたのが2000年代前半くらい?って言ってましたっけ。IPOのときに解約率が問題になったんですよね。

藤島:そうですね。Gainsightが創業されたのが2011年で、さっき話していたタッチモデル~みたいな概念は2010年代の前半~半ばくらいにはGainsightのスライドに載ってました。なので職種としては10年とちょっととか、それくらいの歴史しかないんです。

画像4

W:日本だとまだまだですもんね。

藤島:僕は人材系の会社にいて世の中に出てる求人情報を見れたので、職種としての推移を把握しているのですが、日本でわかりやすくカスタマーサクセスの職種に就く人が増えたのは2010年代の後半。SaaSベンダーが国内市場でIPOをしだしたくらいのタイミングです。

W:日本でカスタマーサクセスの本が色々出始めたのもそのあたりですもんね。

藤島:そうですね。だから、実は今国内でカスタマーサクセスをやっています、という人も、長くて2~3年程度の経験の方が多くて、まだまだ勉強していますという人のほうが大半です。

W:まさにそうですね。

藤島:僕もハイタッチのカスタマーサクセスについては、米国と日本の取り組みはめちゃくちゃ研究して、いろんな会社の取り組みを聞きました。でも職種としての歴史、もっとストレートに言えばノウハウとしての深みは、カスタマーサクセス以外の他の職種のほうが上です。なので謙虚に近しい職種のプロフェッショナルから学んでいくほうがカスタマーサクセスのハイタッチを学ぶには適していると最近思っています。

W:表現は毒舌ですが、真理ですね。例えばどういう職種から学ぶといいですか?

画像5


藤島:見ていて結果を出せているなと思う人は、法人営業、客室乗務員、ITのプロジェクトマネージャーといった経験者ですね。この写真の人みたいに、笑顔でぐいぐいリード出来る人は強いですよ。顧客折衝をしていて、お客様を動かす、満足させるということを対人コミュニケーションで行う職種とカスタマーサクセスとはすごく相性が良いと思います。

W:なるほどですね。

藤島:あと、最近僕はジムに通うようになったのですが、ジムのトレーナーもいいですね。ITより筋肉とトレーニングが好き、って僕の先生は言ってましたが・・・。笑

W:たしかにそういう人は多そうですね。笑

藤島:ちょっと脱線しちゃうかもしれないんですが、ジムがあってトレーナーがいるとなんでやる気が出るかってわかりました。トレーナーはとにかく筋トレが好きなんですよ。筋肉を鍛えるためのトレーニングや、食事に関しては熟知している。肉体を見てもそう思いますし、会話をしててヒシヒシと感じます。

画像6


W:たしかにトレーナーの人って、筋トレが好きです!ってのがにじみ出ていますもんね。

藤島:カスタマーサクセスにおいても、この姿勢はすごく大事だなと思いまして。要は、自社製品について愛する心。関連する知識に関する卓越したプロフェッショナルさ。自身も常に製品に関する分野の向上心があって、それがお客様に対してもにじみ出てる感じ。

W:なるほど。ハイタッチに関する記事で、製品の知識や向上心が大事ですよってあんまり発信がないですけど、大事なことですよね。そういえば藤島さんRIZAPの記事書いたりしてましたもんね。

藤島:そうですね。あと、RIZAPなんてまさにやってると思うんですが、最短距離でアクションを示せる力も大切です。例えばジムトレーナーに、トレーニングの目的とか、目標とする体型とかを伝えると、そこに至るまでに一番ヒットする最短のトレーニングメニューを作れちゃったりするんですよ。

W:へぇ~!それは藤島さんのついてるトレーナーが優秀な気もしますが・・・。笑

藤島:たしかにそれもありますが。笑
ただ、トレーナーの方も言ってるんですが、相対する時間は毎回1時間くらいなので、その1時間はトレーニングや会話も含めて絶対に無駄にさせたくないって語ってて。これはカスタマーサクセスを支援するうえでも大事な考え方ですよね。お客様に時間を使って頂いているので、その時間はなるべく有意義なものにしたい、という心構え。

W:このあたりの考え方は、たしかにカスタマーサクセスっていうより接客サービスとかそういう分野を極めている人のほうが卓越していそうですね。

藤島:そうですね。あと、じゃあSaaSのカスタマーサクセスがこういう人たちと違うことって何?というのも深く考えたんですけど。これはですね、歴史や時代背景から分析するに、カスタマーサクセス職種の人じたいの強みは、SaaSツールによる業務効率力だと僕は思ったんです。

画像7

W:なるほど。たしかにサービス職とかの人ってITツール活用は失礼ながらあまり長けていない印象がありますしね。

藤島:これは前回、noteで記事にしたSalesforceで10年カスタマーサクセスを行っていた方が書いたブログ記事を英語で読んでて思ったんです。Salesforceってもともと業務効率化にはうるさい会社で、カスタマーサクセス分野においてもQuipとか使って生産性上げているみたいなんですね。

W:SalesforceはM&Aも積極的ですからね。業務効率系のツールは事業にも加えて、自社でも使ってっていうのをしてるみたいですよね。

藤島:まさにです。国内でもSmartHRのような会社が積極的に新しいITツールを試しに使ってみて~ってのをカスタマーサクセスでもやってるんです。この、ツールを使って業務効率を上げながら、コミュニケーションによる顧客体験を最大化させていく~というのは、これまでの歴史を見てもカスタマーサクセス特有のものですし、今後のハイタッチのカスタマーサクセスにおいて進化していくところと見ています。

W:CSopsの話も最近聞きますし、カスタマーサクセスの生産性向上はこれから色々ノウハウが出てきそうですね。

藤島:弊社もそこの情報発信は積極的にしていきたいです。

W:あとハイタッチのカスタマーサクセスだと、いまは営業職の人がスライドするケースが多くないですか?

画像8


藤島:そうですね。業績指標を考えたときに、カスタマーサクセスでヒットさせるのって契約継続・アップセル・クロスセルなどセールス活動によるものに結局はなりますので、営業職の人がカスタマーサクセスを持つのは自然の流れだとは思いますね。

W:営業職の人がカスタマーサクセスを持つ、というのは良いことなんでしょうか?

藤島:僕は良いことだと思ってますよ。会社の異動みたいなことを考えても、現実的な選択肢ですよね。カスタマーサクセス担当になる本人のキャリアの観点でも良いと思います。テックタッチとかCSopsとか、IT周りの新しい経験も出来ますし、開発チームとの協働経験もできるので、仕事の広がりができますよね。

W:たしかにです。次に、ロータッチのことも聞かせてもらってもいいですか?

カスタマーサクセスのタッチモデル②:ロータッチの本音

藤島:はい、もちろんいいですよ。ただコロナでリモートワークが中心の環境下だと、ロータッチがほぼテックタッチと変わらないので、分ける意味はあんまりなくなってる気もします。

画像9

W:というと?

藤島:ロータッチって何やるの?って、結局セミナー・集合研修なんです。1対Nで複数名、人の手を介しつつ一気にレクチャーするから、ロータッチ。でも今のご時勢ですと集合研修というのは難しいでしょう。zoomなどに置き換わるはずなので、結局テックタッチという対応になります。

W:なるほど。

藤島:もともと職種で言えば、オフラインマーケティング職が近しいなと思ってました。イベントやドキュメンテーションを用意して、それを集合研修などで案内する~という業務ですから。ただこれを対面でやっていくのはもう難しいですので、このコンテンツをWEB上にアップロードして、PCやスマホで見てくださいという取り組みに移行しないといけません。これはもうテックタッチと内容が変わらないですね。

カスタマーサクセスのタッチモデル③:テックタッチの本音

W:ではテックタッチについても色々聞いてもよろしいですか?藤島さんが一番強みがあるのはこのテックタッチだと思うのですが。

藤島:テックタッチはデジタルマーケティング職種とかなり近しいですからね。僕に限らず、デジタルマーケティング業界にいた人が、SaaSベンダーに転職してハイタッチのカスタマーサクセスを経験し、その後にテックタッチをやる、というジョブチェンジでなると早めにキャッチアップできる仕事です。

画像10


W:テックタッチって、藤島さんもかなり記事を出してますが、苦戦をされてる企業が多いと聞きます。

藤島:実はテックタッチ、米国企業でも苦戦してる企業多いらしいんですよ。

W:え、そうなんですか??

藤島:はい。基本、テックタッチって、つまるところサイトコンテンツやメールマガジンなどを既存顧客向けにリッチにしていこうという業務なんです。ハイタッチがカスタマーサクセスで喋っている内容をテックでやろう、という話なので、それなりの文章量をもったコンテンツをWEB上に整備していきましょうという取り組みになります。

W:CMSとかMAとか使うんですよね?

藤島:まさにです。で、こういったツールってデジタルマーケティング系の製品が先行してるので、デジタルマーケターをテックタッチにアサインするとうまくいくんだってのは米国でも最近言われ始めてるんですね。

W:へぇ~!そうなんですね。

藤島:だけども、デジタルマーケターというのは、ビジネスファネル的にいえばカスタマーサクセスと遠いんですよ。言い方を悪くすると、デジタルマーケティングで作るコンテンツって抽象度が高くなりがち。僕もBtoBマーケティング部にいたからよくわかるんですが、やったことないのにコンテンツ作ったりしてるのはざらです。本当はよくないですがお客様もそれで満足出来たりする。
ただカスタマーサクセスで作るコンテンツは製品や業務に関する超具体で作る必要があり、ごまかしは通用しません、実際に製品利用の経験者じゃないとわからない内容を、専門性を持ってしっかり文章で書き上げる必要があるんです。

画像11


W:たしかにマーケティングのホワイトペーパーと、カスタマーサクセスのノウハウ資料ってちょっと別物です。

藤島:だから、理想をいえばデジタルマーケターにいっぺん現場でハイタッチのカスタマーサクセスをやって、自分でも製品をさわって、お客様にも製品を案内して。製品の操作方法とか、特性、いいところ、つまづくポイントなどを熟知した状態で、そこからテックタッチのコンテンツを作るのがあるべき姿なんです。

W:現場で実際にやって肌で感じるからこそ、テックタッチが出来ると。

画像12


藤島:そうです。そこで問題になってるのは、デジタルマーケティング職種じたい、有効求人倍率が高くて採用も取り合いのポジションだったりしますので、会社の中でも希少価値が高いです。なので、そのデジタルマーケターをカスタマーサクセスの現場配属なんて正気か?ってなるわけです。

W:なるほど!たしかにマーケターとして優秀な人をカスタマーサクセスに異動させるって、マーケティング部の人からしても嫌ですもんね。

藤島:はい。あとデジタルマーケターの人が現場のカスタマーサクセスにどっぷり入っていきたいかというと、顧客折衝経験がない方、好まない方もいるので、そこが折り合いつかなかったりするんですよね。

W:だからテックタッチをやる人がいない。

藤島:御名答です。デジタルのツールに強そうな人は現場のカスタマーサクセス経験がなく、現場のカスタマーサクセス経験がある人はデジタルツールがよくわかんない。これがテックタッチが進まない理由です。

W:あ~そう言われるとすごく納得しますしスッキリしました。だからテックタッチっていまいち広がらないんですね。

藤島:ただ会社的には誰しもやらなきゃって思ってるんです。willはあるけれど、能力的にcan not。テックタッチをどうすればいいかわからないっていう相談は僕のところにもかなりたくさん来ます。

画像13


W:なるほど~。藤島さんの会社だと、そういうお客様に対してどうやってテックタッチ導入の支援をしてるんですか??

藤島:まず、現場でカスタマーサクセスをやっているハイタッチ担当のほうが多いわけです。一方、そういう方はテック側、デジタルツール側はよくわからない。なので、製品的にもテック側の設定機能はあまり複雑にしすぎず、ハイタッチで使ってるノウハウをそのままテックタッチのコンテンツで落とし込めるようなopenpageの製品設計と、デジタル知識不要でもなんとか使えるところまで持ってくサポートを強化しています。

W:この領域は本当大変そうですが、藤島さんみたいにわかりやすく説明してくれる人がいたらなんとかやれる気もしますもんね。

藤島:本当ですか?Wさんに、そう言ってもらえると自信になります。ありがとうございます。

W:藤島さんのテックタッチの解説はめちゃくちゃわかりやすいですからね。あ、あとコミュニティタッチってどう思いますか?

カスタマーサクセスのタッチモデル④:コミュニティの本音

藤島:ストレートに言っていいですか?

W:どうぞ。

藤島:BtoBのSaaSだと、いきなりコミュニティタッチのカスタマーサクセスを始めるのは難しい気がします。

W:その心は?

藤島:日本企業の常識的な会社員であれば、自社でのIT製品の利用状況なんて、普通はべらべら他人に話さないんですよ。もちろん、ミレニアル世代で先駆的なSaaSの仕事をしてるやり手ビジネスマン、とかであれば自分の取り組みを発表したりしますが。ほとんどはそうではないですよね。

W:あ~・・・たしかにそうですね。

藤島:特に日本企業が平均年齢が上がってきていて、法令遵守意識は高い会社のほうが一般的には多いと思うんです。競合に真似されたら大変ですし、必要以上に自社の取り組みを外に語るってのは普通あまりやらないですよ。だからいきなりコミュニティ施策に頼る前に、まずはベンダー側でコンテンツを制作して顧客教育の仕組みを作るほうが優先度は高いです。

画像14


W:逆に、初めからコミュニティがうまくいく会社ってどういう特徴があるんですか?

藤島:ITエンジニア向けの製品はコミュニティはうまくいきやすいですね。職種ごとに自社のノウハウをよく共有したり同業の方と交流したりする職種と、そうではない職種とがあり、前者はコミュニティ活動が機能しやすいです。ITエンジニアは、もともとオープンソースをよく活用していて、自身でもソースコードを公開することがキャリア価値のアップに繋がりますので、情報を公開したり、他の方と知識の交換をしたりというのは当たり前にやっていた営みですよね。

W:たしかにエンジニアだと情報をシェアしたりするのはイメージがつきます。

画像15


藤島:あとはマーケティングも近しいところがあり、コミュニティとは相性がいいです。常に最新のトレンドを追っていかなければならない職種なので、情報のキャッチアップに積極的で、登壇したりイベントで交流したりというのは違和感なくやったりします。

W:どちらかといえば若い人のほうが交流は積極的な印象です。一方、ある程度の年数が経つと、日本企業だと社外コミュニティより社内コミュニティ、ちょっと言い方悪くすると社内政治とか社内派閥のほうが出世の観点で重要ですしね。

藤島:だから転職の流動性が高くて、自分の市場価値を対外的にアピールしなければならない仕事をしてる人向けのツールだと、コミュニティ施策ってうまくいくんだと思います。例えばサイボウズのkintoneは、多機能な分kintoneを使いこなしている人の採用市場の評価って高かったりするので、それでコミュニティが盛り上がるっていうのはありますね。コミュニティツールのcoorumを入れてましたが、kintoneならコミュニティの存在意義はあるはずです。

W:なるほど。

藤島:一方で、ガバナンス意識が高い大手企業の取引が多い、職種的に情報ノウハウを共有する文化がない、転職の流動性が低い(社外より社内政治のほうが重要)、ツールがシンプル…みたいな製品で、段階を踏まずいきなりコミュニティをやろうとすると、はっきり言ってうまくいかないし、ROIが合わないケースがほとんどだと思います。

W:藤島さん結構毒舌ですが、、笑 正しいと思います。

カスタマーサクセスのタッチモデル⑤:ハイブリッドのすすめ

藤島:あと、これは日本だとあまり言われてないと思うんですが、カスタマーサクセスのハイブリッドモデルが僕が一番大事だと思ってます。

W:たしか前に記事書いてましたっけ??

藤島:よく覚えてますね。笑
ハイタッチモデルだけだと生産性の観点で課題になりますので、ゆるやかにテックタッチを織り交ぜながら、人とデジタル両方の顧客体験を作っていくモデルです。たぶん表現自体は僕のオリジナルです。

W:もう少し詳しく聞いてもいいですか?

藤島:まず、日本の企業が顧客になると、テックタッチ完結のカスタマーサクセスってなかなか難しいんじゃないかと思うんです。米国だとそういう取り組みをしてるベンダーはあるんですが、日本だとあまりイメージがわかないです。

W:たしかに。

藤島:ただ、じゃあテックタッチをやらないのか?というと、それも違うんです。なぜならハイタッチのカスタマーサクセスの人が大変だから。顧客が増えるとどんどん業務量も増えちゃう。

W:カスタマーサクセスは業務本当多いですもんね・・・

藤島:そう、なので目の前の業務に埋没されないように、ハイタッチのカスタマーサクセスを軸にしつつ、テックタッチを混ぜてくのが現実解です。
これはどういうことかというと、基本の対面フォローはこれまで通りにやるんですが、その中で宿題的にテックタッチのコンテンツを有効活用していくというものです。

W:宿題というと、○○のページ読んでおいてくださいね~といった感じですか?

画像16

藤島:はい、そのとおりです!例えば30分とか60分、ハイタッチで会話をしますよね。その終わり際に、じゃあ次のミーティングまでにこれと、これを読んでおいて、この動画を視聴してくださいと伝えるんです。

W:なるほど、まさに宿題ですね。

藤島:その宿題のコンテンツは、例えばもう更に30分とか60分くらいかけないとインプットできないような、しっかりとしたテックタッチのコンテンツを用意しておく。そうすると、結果的に従来の2倍の情報量をお客様に伝えることが可能になります。

W:たしかに!なるほど、これがハイブリッドなわけですね。

藤島:はい。そして慣れていけば、ハイタッチとテックタッチの比率をコントロールして、オンボーディング期はハイタッチ70%、テックタッチ30%だったところを、徐々にハイタッチ50%、テックタッチ50%くらいにしていき、最終的にハイタッチ30%、テックタッチ70%くらいにして、お客様が自走する、自ら学ぶ体制に変えていくのが理想的です。

W:このハイタッチとテックタッチの比率を変えていくというのは面白いですね。今日はいろいろお話できてよかったです。またお話しましょう。

藤島:こちらこそです。今日はありがとうございました。

おわりに

お読みいただきありがとうございました。
もしよろしければ、記事のシェア・Twitterのフォローをお願いします。

※数社限定で、弊社テックタッチ製品のカスタマーサクセスクラウド「openpage」のトライアルを提供しております。ご興味がある方は製品フォームないしTwitterよりお問い合わせください


藤島 誓也:Twitterアカウント
https://twitter.com/seiya_fujishima