文化のレンタル

文化が無いなら創るかレンタルしてインストールすれば良い。
地域の子供たちへの格差が様々な分野で謳われていて、ICT・芸術・スポーツ等お金があれば受けられる教育があり、そこから英才教育された子供が活躍する事は多い。

しかし、しっかりとした資金や知見者がいる中で整備された地盤で高度な教育を受けた子友達がいる一方、家庭や地域格差でこれら教育を受けたくとも受けられない子供たちもいる。社会人は高度ポリテクセンター等で技術教育を受けられたり、芸術教育は無いが美術館や博物館が地域に公開されているのでお金を払えば見に行くことができたり、図書館で本を借りられ、児童館で子供たちが体験して学べる施設は限られている。地域にある体験型施設の一例だと下記などがあるあるが、全国各地にあるわけでは無い。
アソビズム は未来工作ゼミを長野拠点に構え子供が遊べる空間を有料で提供している。
NAZELAB は、タテノイトが創る学校でも家でも塾でもない小中学生の学びの場であり。日本財団の助成を受けて活動している。

ICT関係は海外と比べて遅れたスタートで 2020年から情報教育が小中学校で開始されている。パソコンは一人一台配られたのだからそれをどう使うかは個人の自由であるが、自由度にも地域格差があり特定のハードウェアが無ければ実験したり遊んだりできないアプリもある。イギリスの11~12歳の子供たちに無償配布されたmicro:bitはその一例だ。https://www.sbbit.jp/article/cont1/33909#head1

makecodeで作成したプログラムをセンサ付きハードウェアであるmicrobitにコンパイル&インストールし、micro:bitを傾ければ音が鳴る傾きギターを創ったり、無線通信機能を利用して宝探しゲームをしたり、外付けLEDを光らせて文字を表示したり、子供が幼心で考えても実践できて楽しく遊べそうなアプリを創る事ができる。

ICT需要や半導体不足により供給が追い付いていない事もあるが、micro:bitは日本では限定的な普及である。micro:bitに限られないがこうしたハードウェアありきの遊びから生まれる文化は存在し得て、特定の地域ではICTによる遊びが増えてパソコンでいたずらアプリを創ってニコ動に公開したり、ネットワークいじりをしたり、怪しい電気回路実験をして高電圧でスイカを爆発させたり、こうした遊びは環境で育んでくれるものだと思う。

この遊べる土壌を創り、多様な感性を育む事ができるのが僕たちにとっても子供たちにとっても良いのではないか。micro:bitに限らず、ものを気軽に体験したり、レンタルして家で没頭したりできる環境があれば良いな、と思ったりする。ICTや芸術といった文化を家庭にレンタルする公民館的な場所があると良いのだ。ICT教材のmicro:bitやRaspberry Pi、M5Stack等のマイコンを説明書付きでレンタルして多様な遊びに使ったり弄ってもらったり、youtube等のオンライン教材を見て新しい遊びを取り入れたりもできる。音楽に興味があってピアノを習いたい子は譜面付きの光る電子ピアノをレンタルして自分でメロディーに合わせて演奏して練習すれば良いし、もう数年だけ時代が進めば遠隔で教えて貰う事もできるかもしれない。具体的にはAR/ARゴーグルがあればバーチャルハンドを共有して指運びを教え合ったりできる。

調べてみるとCoderDojoではmicro:bitの無償レンタルが始まっているようだ。https://takadanobaba.keizai.biz/headline/557/
"学校関係者向けに弊社micro:bit関連商品の評価機の無料レンタルサービス(期間:1ヶ月程度)"もあるみたいだが、基盤一つが平均的に1000円~2000円程度するので多くの数は変えない。 
https://tfabworks.com/rental/
学校もICT機材を沢山持っていて、学校間で教材を上手く共有できれば良いのかもしれない。半導体不足は今後も続くので、microbit等のハードウェアが必要な情報教育は学校や地域が持っているICT機材を、相互に上手く共有できる仕組みが必要だ。


https://twitter.com/yagena/status/1492498212372066306?s=20&t=dNEBvTyLLGnTh1PijBqYIw

絵画や書道を習いたい子は近くの美術館で偉人の作品を見る事ができるが、実際に書いて体験したりするのはどうすれば良いのか。コロナ下で制限されたスポーツ活動も一緒に活動したりコーチから直接教えてもらったり[1]する事もやり難くなっているので、今は気軽に個人が学べる・遊べる環境が近くにあることが大事だと思う。本に限られない図書館的な空間がもっと増えると良い。共有空間が増える事で様々なスキルを持ったプロボノ的存在が互いに繋がれたり教え合ったりする事で、子供も大人も新しい学びと遊びができるのかもしれない。

こうしたグランドデザインの上で個人と地域が織りなす文化と文脈が大事で、今後も積み重ねて行く。



[1] 姿勢推定技術を用いたかけっこ指導システムIDATENの開発は未踏で開発されつつある https://youtu.be/94jfduKaIfE


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