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映画との再会

2016年1月1日。再婚したツレが仏門に出家して、その2週間後に愛犬もも が急死して、ひとりになって、また映画を観始めた最初の日。
最初の映画は『スター・ウォーズⅦ』。なんか思いっきりスッキリしたかったんだよね。で、お約束通りの展開でなんだか懐かしくて、「あ~、また映画を観て良かったな」と思った。
それから次に観た映画が『セバスチャン・サルガド~地球へのラブレター~』で、これは桜坂劇場で見たのだが、いつも通りの展開ではない、深く深く胸に迫る映画でした。コマツの「映画チラシ保存帳」は『セバスチャン・サルガド』が記念すべき1ページ目です。
3本目に観た映画『美術館を手玉に撮った男』、これは2016年度のベストスリーに入りましたね! まぁなんとも…自分で描いた贋作を本物だと言って全米の美術館にただで寄付する、そういう人の物語です。この映画はね、彼のバックグラウンド、それから援助職の人たちが彼に接する様子も切り取っているんだけれど、なかなか皮肉な感じでしたね。若くして統合失調症を発症して障害年金で生活しながら、全米の目利きキュレーター達がこぞって騙されるほどの絵を描き続けている彼。彼のことをとても親身になってケアしているのはソーシャルワーカーさんだけで、精神科医なんてまさにアリナミン診療(眠ってますか、食べてますか、薬 服んでますか?)だった。これがアメリカの庶民が受ける精神医療の現実なんだろうなぁ、と思った。
『追憶の森』『アンを探して』『マイケルムーア 世界侵略のススメ』は既に別のところで書いたので省略。
この年の5本指に入るもう1本は、『シン・ゴジラ』だなぁ。この映画はね、2回観に行きました。ああいう「細部にリアルの神が宿りたもう」映画は好きです、ちょっとだけ作り手の選民意識が鼻につくけれどね。3回目に行こうとして、「あれ、この映画を観たいんじゃなくて、もしかして音楽を聞きたいのかなあ?」と思って、サウンドトラック盤を買っちゃった。半年ぐらい、コマツのBGMは主に『EM20』シリーズになってたなぁ。あれを聴きながら、学会のプレゼンppt.とか作ってましたね。今でも時々「戦闘モード」になりたい時は、『EM20』シリーズをかけてる。
ところで、コマツにとっては、映画メモと映画チラシは必須2点セットです。これに、映画のパンフレットやサウンドトラック盤CDを追加することもあるけれど、必須ではない。映画メモと言っても、そんな ごたいそうなものではなく、Googleカレンダーに「いつ どこで 何の映画を観たか」を必ず記録する、ってだけです。そして、チラシはできる限り持って帰ります。観ようと思った時にチラシがなくなっていることも結構あったので、最近では映画館に行くたびにチラシをみんな1枚ずつ持って帰り、ファイルボックスに五十音順で保存してます。映画館で観のがした映画がU-nextとかの配信サービスで観れることも増えてきたので、かなり後までとっておくの。
映画のチラシって情報量がかなり多いし、インパクトがあるデザインなので、チラシを保存しておくと、記憶が蘇りやすいのです。わたしの「映画チラシ保存帳」は、鉱石集めてるおじさんの保存箱か昔の学者さんの文献カード箱(こんなの若い世代は知らんだろうね・・・)みたいなものね。予算の都合上ぜんぶの映画とはいきませんが、映画を観た後に「あ、この映画のパンフレットが欲しいなぁ!」と思ったら買って帰ります。映画のパンフレットはチラシよりさらに情報量が多くて、監督・制作者が泣く泣く削った部分の情報とか裏話とか、その映画を観た著名人の感想 (これを読むのもなかなか面白い)などいろいろ載っていて、読みものとして相当に完成度が高いと思う。装丁も凝っているものがけっこうある。あれはもう、一つの文学ジャンルとカウントしても良いのではないかしら?

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