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人間は走るために生まれてきた

以前からずっと思っていたこと。「人間のどんな体の部位でも、使い過ぎ・無理(人間の生理に反すること)で起きる故障は、その使い過ぎる生活を変えないと、結局は治らないんじゃないか」

コマツは学生時代からハイヒールを履かない主義だった。だって、あれって、現代の纏足でしょ? どう考えたって身体に悪いよ。足のアライメントも背骨のアライメントも崩す靴ですよ、あれ。なので、「ごく普通の」運動靴か、「ほぼペッタンコの」サンダルを履いていた。ずっとです。
ところが、両足に鶏眼ができ、だんだん外反母趾のような形になってきた。裸足の時によくよく見ると「外反母趾とまでは言えないだろうけれど、ちょっと内側に曲がってきてるなぁ」「? こんな部位にも鶏眼? これ、もしかして外反母趾の代償として摩擦・圧迫されてできてる?」って感じ。あれ、あれれ?!

そんな時にふと「ナンバ歩き」という歩き方がある、と知った。本も買ってみた、2017年頃でしょうか。『江戸時代の日本人は、大人も子どももナンバ歩きで1日40km!歩いて、2週間で500kmを旅していた。その歩き方は明治以降の学校体育で強制的に学ばされた現代ウォーキングの歩き方とは違う』『踵着地+腕を前後に大きく振る→上半身と下半身の捻りを利用 の歩き方が現代ウォーキング』『「後ろ脚を前に置くだけ」という意識+上半身と下半身の連動を利用 の歩き方がナンバ歩き』(コマツによるざっくり要約)
なるほど。で、練習してみたが、う~ん…どうも巧くいかないんです。靴も問題なのかなぁ?

それから「自分の足に合う靴探し」「人間本来の生理的にむりがない歩き方探し」が始まった。
フットケアの教科書も買い、遅まきながら足病学の勉強もちょっとして「これならいいだろう!」という靴を買い、シュー・ストレッチャーで足先の幅を広げて履いた。病院勤務用には「踵着地でなく足裏の中心着地になる運動靴」を履いてみた。約1年半試してみた。
が、外反母趾傾向 (教科書の定義では外反母趾角20°以上を「外反母趾」と言うらしいので「傾向」です)と鶏眼は悪化もしないが改善もしない。そして、1年経過した頃から、軽い足底腱膜炎?と思われる痛みが出没するようになり、それが持続するようになってきた。?いよいよヤバイぞ…。

そんな時にあるドキュメンタリーを観た。それを契機に『Born to Run』という本を読んだ。何と日本語に翻訳されたのが2010年で、英語の原著は2009年に発行されベストセラーになっていた、らしい。
出だしはたるい記述が続くが、我慢して読み進むと、へたな推理小説よりずっと面白い展開が待っていますから、連休の読書にお勧めです。コマツ式にざっくりまとめると
『ホモサピエンスは、持久走による集団的狩りが得意だった。それは、運動による体熱を発汗で効率的に処理できる哺乳類がホモサピエンスだけであり、10kmでも20kmでも走り続けられるから。だから、森が後退してサバンナが広がった時期にホモサピエンスはネアンデルタール人と交替した』
『その走り方を今も保持し、100km200kmのトレイルランを軽々と走破するメキシコ奥地のタラウマラ族の走り方は、足は常に身体の真下にあり、腰はまっすぐ前方に向かう。足に履くのは古タイヤを切って革ひもで足に脚絆のように固定したサンダルである』
『最高級シューズを履くランナーは安価なシューズのランナーに比べてけがをする確率が123%も大きい。4358人のランナーを分析した研究では、故障経験者に共通する最大の変数は、体重・故障歴・1週間に走る距離等々ではなく、シューズの価格だった。95ドル以上のシューズ(高いクッション性・プロネーション矯正などの保護機能つき)を履いたランナーは、ケガをする確率が40ドル未満のシューズを履いたランナーの2倍だった』というような内容。

ただし、幼稚園の頃からずっと「踵着地の現代ウォーキング」を叩きこまれている私達は、徐々に(最低でも6ヶ月以上かけて) 歩き方・走り方を変えていく必要があるらしいです。この件については、どうも最低1-2年は経過をみないと決定打の話はできそうにないので、続きはだいぶ先になりそうですが、乞うご期待。
それにしても…現代医学の教科書・siteでは、どこを見ても歩き方は踵着地がデフォルトとして解説されているけれど、これってどうなのかなぁ?



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