東の果てで気づいたこと~根室→釧路①
2024年6月19日(水)、朝。俺は釧路空港へ向かう旅客機の機内にいた。
このタイミングで北海道をめざしてみようと思ったのは、航空券が安いからでもイベントがなくて人が少ない時期だからというわけでもない。
すみません、ウソです。そっちの理由が8割(笑)。
もう人が多い場所に行くのイヤなんだよおおおおっ!!! ←3日前まで浦安三社祭にいた奴
残りの人生(できれば長い期間であることを所望する)を賭けて成し遂げたいことは二つある。
一つは友を弔うために創作活動に復帰すること。
もう一つは、いにしえの庶民の信仰の痕跡をたどることで、日本人の心を読み解くこと。
神も仏も大好きだった日本人の心を取り戻す。
それこそが、この国をよりよくするための、たった一つの冴えたやりかたなのだと思っている。
釧路ははじめて行く場所だ。すなわち、知識ゼロ。
旅程を組むべく、2か月前から準備をはじめた。
資料を読みつつ、交通手段を探る。
そして愕然とする。
北海道は、こちらが想像している以上に規格外の土地だったのだ。
■旅のノウハウが通用しない……!■
旅行とは、移動のスキルであると考える。
現地で行きたい場所、見たいものがたくさんあるならば、効率のよい移動手段が不可欠だ。
鉄道、路線バス。資金が潤沢ならタクシーを使うもよし。
折りたたみ自転車を担いで輪行するやりかたもある。
2年前、現在住んでいる千葉県の全54市町村をすべて訪問しようと思い立ち、行動を開始した。
行ってない市町村はたくさんあったし、行った場所も駅の乗り換え程度がほとんど。
最初に館山市の社寺を片っ端からめぐったが、2万歩あるいたところで座骨神経痛が出た。
日頃から運動を生活習慣にしているし、自宅で筋トレもしている。体力には自信もあった。
しかし、体力の有無と、歩くという運動スキルは別物だ。
長距離歩けるようになるスキルは、長距離歩くことによってのみ培われる。
ふだん歩き慣れていない(スキルが未熟な)者が無理して歩いてみたところで、身体に支障が出るのは当たり前。これがリアルだ。
そこで考えを改め、折りたたみ自転車による輪行をとりいれた。
機動力が格段に向上し、坂道などの苦しい局面もあったが、スムーズに目標を達成できた。
その後、関東1都6県においては、車に折りたたみ自転車を積んで旅をした。
群馬県では赤城神社の駐車場に車を停めて、折りたたみ自転車で大沼(湖周4km)を一周している。
そんなこともできるのだ。
ところが、である。
北海道は広い。とにかく広い。
現在、四苦八苦している東北6県の合計面積よりもさらに広い。
八苦十六苦と呼ぶべきか。 ←かけ算せんでええから
Q. 釧路にも行きたいけど札幌にも行きたいの☆
A. 釧路-札幌間は道東自動車道&北海道横断自動車道経由で302.5kmの道のりです
今回旅した釧路→根室間も鉄道利用の場合、JR根室本線で始発駅である釧路駅から終点の根室駅まで2時間半超え(16駅)。
車や自転車で行こうという気持ちにはとてもなれない。
これまで培ってきた旅のノウハウがまったく通用しない。それが北海道という土地なのだ。
■ピンポイント旅行のススメ■
都市間の移動にはべらぼうな時間がかかる。
ならば、どうするか。
都市間は移動せず。
このように発想を転換するよりない。
エリアを絞ることで移動の手間を減らし、その中で行きたい場所に行き、見たいものを見る。
目的を果たしたら、すみやかに撤収するのだ。
これぞ、ピンポイント旅行である。
たとえば、7日間で各所をめぐるツアーがあるとする。
俺なら1泊2日で5回に分ける。
旅費はこっちのほうがかかるかもしれない。安宿に泊まればそうでもないか。
移動に時間を取られないぶん、より濃密な旅が楽しめること請け合いだ。
ただ、濃密であることと贅沢であることは違う。まるで違う。
内田百閒の阿房列車シリーズではないが、もっとも贅沢な旅は乗り鉄だと思っている。何の用事もないけれど列車に乗る。ただそれだけの旅。
お座敷列車と揶揄する向きもあるだろうが、JR五能線リゾートしらかみなどは最高だ。
車窓から眺める白神山地の絶景の数々に、津軽三味線も楽しめる車内イベント。
車内販売も充実しており、乗っているだけで旅行気分が満喫できる。満喫だぞ。
しかしながら、俺の旅には、それは許されない。
チャグチャグ馬コ追っかけレポートでは、早朝から終了の午後2時まで食事ができなかった。
盛岡市の材木町商店街を地図で確認した際にまずしたことは、コンビニの場所のチェックだったと記しておこう。
賢明である読み手のみなさんは、この後で俺が何を叫び出すのか、すでにお気づきのことと思う。
もうコンビニおにぎりばっか食べるのはイヤ ←いいから話を先に進めなさい!
[前置きはここまで! ②につづく]