見出し画像

【千葉】地すりを求めて~浦安三社祭①

4年に一度、オリンピックの年に開かれる浦安三社例大祭は2024年06月14(金)~16日(日)に行われた。

前回(2020年)はコロナ禍で中止となったため、8年ぶりの開催となる。

三社祭といえば浅草があまりにも有名で、名称としても一般的だ。

浅草の場合は、江戸時代までは浅草寺の祭りであった。

明治の神仏分離令により浅草寺から三社権現社が独立し、今の浅草神社となった。

祭神である檜前浜成・竹成兄弟と土師中知の三神を祀ることから三社と呼ぶ。

三社祭は浅草神社単体の例祭として行われているというのがポイント。

浦安の場合は、浦安村(現・浦安市)を構成する堀江、猫実、当代島の三つの集落の鎮守が例大祭を合同で行うという違いがある。

■地すりって何だろう?■

地すりとは、浦安に伝わる神輿の独特な担ぎかたを意味する。

スポーツクラブの知り合いに、千葉市内のとある神社の氏子さんがいる。

祭りの話などをよくする中で、地すりの話題が出た。

「浦安のお神輿はこうやって地面すれすれのところから担ぎ上げるんですよ」

対する俺の感想。

(……うぇー、腰に悪そう)

浦安にほど近い市川市行徳は神輿づくりの一大生産地でもある。

江戸三大祭りの一つにも数えられる富岡八幡宮(深川八幡)に奉納された神輿も行徳の職人が制作した。

日本最大と呼ばれる神輿の重量は約4.5t。

ふだん運転しているジムニーシエラが約1.1t。その4倍に相当する。車4台ぶんって(汗

実際に担いだこともあるらしいが、数メートルほどで断念したとのこと。

そういうイメージで神輿をみている手前、地面すれすれというのが想像もつかない。

その後、行徳を訪れた折り、行徳神輿ミュージアムを見学した。

中台製作所が展示・公開している神輿を間近で見ることができる
神輿づくりには宮大工の技術が生かされている
このサイズ感ならなんとか

さらにYouTube等で公開されている動画で地すりの一部始終を確認して納得した次第。

先に答え合わせをしておこう。

■当代島稲荷神社の地すり(西組)■

以下の画像は、祭りの初日(15日)に撮影した当代島稲荷神社の地すり動画からの切り出しである。

すり

音頭役の拍子木により、担ぎ手は神輿を下げる
地面におろしているのではない。拳ひとつぶんのところで支えているのだ
「まわれ」の合図で時計回りに回転する
周囲の人々は「まわれ」「まわれ」の大合唱
担いでいない者もいっしょに回る

もみ

「もめ」の合図で担ぎ手は弾むように回る

さし

拍子木の合図により神輿を差し上げる
この体勢から「まわれ」「まわれ」でゆっくり回転

ほうり

音頭役の「ヨーイヨーイヨイ」の合図の後で
担ぎ手は担ぎ棒を「ヨイヨイヨイ、ヨイヨイヨイ」と3×2回叩く
そこから3回神輿を宙に放り上げる

基本的にはこんなところだろうか。

3日間の例大祭で、この地すりをできるだけたくさん見てみよう。

それが今回のミッションである。

[三つの鎮守を事前取材 ②につづく]

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?