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オリックスファンから見たヤクルトの強さ

先日SMBC日本シリーズで東京ヤクルトスワローズがオリックスバファローズをやぶって日本一を決めた。

東京ヤクルトスワローズ日本一おめでとう!!!

とか言ってみるけどぼくの心は悔しさで満ちている。なぜならぼくは生粋のオリックスファンだから。ただ、ほんとにすばらしい日本シリーズだったから「ヤクルトに負けたならしょうがない」という気持ちもあり、祝福の気持ちはあながち嘘ではない。

初投稿からけっこう間があいて、次に投稿する内容が野球のことになるとは思っていなかったけど書きたかったんだからしょうがない。てことで今回は野球の話ばかりになると思うので野球に興味ないよって人はごめんなさい。

ぼくは神戸で生まれ育ったので、家から一番近い野球場はほっともっとフィールド神戸でした。小学生の頃は年に何回か無料チケットが学校で配られていたので何回か行っているうちにファンになったという感じです。

弱いオリックスを応援し続けたことやそれが今年報われたことなどはここで書くと止まらなくなってしまうので、オリックスのことだけをまとめた記事をいつか書こうと思っています。

今回のメインはそんなオリックスファンのぼくから見たヤクルトスワローズの強さです。

はじめにことわっておきますが、ぼくはヤクルトのレギュラーシーズンの戦いは交流戦の対オリックス3試合以外全く見ていません。しかしオリックスの戦いはDAZNで半分以上(見れていない試合もハイライトでは見た)見たので、レギュラーシーズンやCSで戦った相手と比較して抱いた感想を書いてみたいと思います。

一番嫌だったあの選手

まずはこの6戦の中で一番やられたなーと思うのは間違いなく中村悠平です。この6試合オリックス打線がシーズンほどの繋がりを見せることができなかったのは中村選手のリードだと思っています。

彼がこのシリーズのMVPに選ばれたのも納得です。

特に吉田正尚が本来の力を発揮できなかったのは、右腕を骨折していたことに加えてそこをうまくついた配球にあったと思っています。例えば杉本裕太郎選手へのインコース攻めはパ・リーグのバッテリーもシーズン中から行ってきていたことですが、吉田選手へのインコース攻めはあまり行われていませんでした。理由はインコースをさばいて長打にするのが非常にうまいからです。

しかし今は右手を骨折しているために強く引っ張ることができないのか、インコースを強く打ち返す場面は少なかったように思います。そのぶんバッテリーがインコースに投げやすくなり、そのインコースを意識するあまり体の開きが早くなり、試合を重ねるごとに空振り三振が増えていきました。

吉田選手以外の打者に対しても勝負どころで抑えきった中村選手の配球は見事だったと思います。常にストライク先行で早めに追い込むリードでうまく打ち取られた印象があります。

打っては外国人打者の間をつなぐ6番打者という役割で素晴らしい役割を果たしたと思います。特にチャンス出回ってくると本当に嫌なバッターでした。

粘り強くどこからでも一発が出る打線

つぎは主に活躍した打者を一人ずつ見ていきたいと思います。

塩見泰隆

初球から振ってきて長打もあるタイプの一番バッター。パ・リーグにはあまりいないタイプの一番バッターでのせると怖いバッターだが、最終戦まではオリックスバッテリーはうまく抑えた印象。ただ、終わってみれば高い出塁率を残した。センターの守備も守備範囲が広く、多くのヒットを奪われました。

青木宣親

元メジャーリーガーのスターが2番に入ってつなぎ役に徹することでよりやりづらさが出ていた。今シリーズは不調だったが、ここぞでの一本など存在感は常にオリックスにとって脅威だった。

山田哲人

シリーズ序盤快音が聞かれなかったことが少し不気味だったが、最後の2戦でその勝負強さを発揮された。あまり目立ってはいなかったが守備での貢献も大きかったように思う。内野安打になりそうな打球も確実にアウトにし、ポジショニングも素晴らしかったため、何度もヒットを阻まれた気がする。

村上宗隆

勝負どころで打たれた日本のホームランはさすがのバッティングで、得点圏や一発が怖い場面で回ってくると本当に怖かった。21歳とは思えないバッティング技術と落ち着きでこの先どうなるのかが楽しみなバッター。

サンタナ

試合を決めた2本のホームランはいうまでもなく、追い込まれてもかんたんにしない粘り強さがオリックスバッテリーにとってはやりにくかったと思う。

オスナ

サンタナ同様かんたんにアウトにならないバッターで右打ちがうまかった。全力疾走やファーストの守備など、数字には残らないところで勝利に貢献していた印象。

西浦直亨

ショートの守備で何度か得点のチャンスを阻まれた。打撃も粘り強く、下位にいるとはいえ油断できないバッターだった。

宮本丈

初戦のガッツあるプレーで怪我をしてしまったが、山本由伸に一番タイミングが合っていたように思える。全試合出場していればもっとヤクルトの得点が増えていた可能性もあったと思う。

坂口智隆

個人的にはオリックス時代とても好きな選手だっただけに彼の活躍は嬉しかった。プレースタイルは変われど切り込み隊長として活躍していたあの頃と変わらぬバットコントロールだった。

川端慎吾

代打の神様。最後は完全に彼に持っていかれた。さすが元首位打者。(そういえばヤクルトには元首位打者が3人もいる)

打線総括

1,2,3番はうまく抑えられたように思うが、4~7番までの粘り強さ、長打力は恐怖でしかなかったし、下位打線も粘り強くつないできた。ピッチャーも小川泰弘原樹理などはめちゃくちゃ打ちそうで怖かった。外国人打者が右打ち、全力疾走ができるのは本当に嫌な打線で、間違いなく12球団No.1の打線だと思う。

予想以上の先発投手陣

奥川恭伸

めちゃくちゃコントロールが良かった。ストレートにもキレがあるしフォークもいい球だった。ストライク先行であんなピッチングができるピッチャーだとは思わなかった。宮城佐々木らとともにこの世代を引っ張っていってほしい。

高橋奎二

ストレートの勢いが素晴らしく、それが終盤まで落ちなかった。序盤は打てそうで打てないという感じだったが、ゲームが進むにつれて完璧に支配された。第1戦のサヨナラ勝ちで作った流れを彼に完璧に切られた。

小川泰弘

交流戦で抑えられた相手だっただけに今回も抑えられる気しかしなかった。本調子ではなかったかもしれないが粘り強く丁寧に投げられた。ラオウの一発がなければ7回1失点ぐらいに抑えられていたと思う。

石川雅規

「ピッチングは球の速さではない」ということを体現したようなピッチング。彼の投球術の前にオリックス打線は完全に手玉に取られた。日本シリーズという舞台であれだけのピッチングを披露する41歳なんて...

原樹理

東洋大姫路時代から応援していて高校野球にハマるきっかけにもなった選手。インコースへのシュートの精度が高く、なかなかパ・リーグにはいないタイプの投手でかなり苦しめられた。来季は二桁勝利を上げるような投手になってほしい。

高梨裕稔

日ハム時代からよく知っているピッチャーではあるが、その時から変わらない質のいいストレートを投げていた。追い込んでからのスプリット(フォーク?)に加えて、時折まぜるカーブがけっこう厄介だった。

誰が出てきても質の高い中継ぎ陣

マクガフ

オリックスが勝利した2試合はともにマクガフを打っての勝利だったことに加え、交流戦やオリンピックのイメージがあったため、「マクガフならいける」と思う場面もあったが、最終戦のほぼ3イニングを無失点に抑えたピッチングは圧巻だった。あのピッチングに彼が今シーズンクローザーとして最終回を任されていた理由を見た。

清水昇

チャンスは作ったがあと一本を打たせてもらえなかった。ピンチでも動じず自分のピッチングができるあたりさすが最優秀中継ぎ投手だなと感じた。今シーズンはマクガフ投手とともに多くのイニングを投げたようなので、オフはしっかりと休んで来季に備えてほしいと思う。

石山泰稚

第5戦ではなんとか点をとったが好調時は手がつけられないほどいいピッチャーだと感じた。もともとクローザーをやっていただけあるなと感じた。

スアレス

最終戦ヤクルトに流れを持っていったのはスアレスのピッチングだったと思う。押せ押せムードを完全に絶ち切られた。

田口麗斗

個人的には山岡泰輔との投げあいを見たいという気持ちもあったがそれは来季以降に。二度タイムリーを許したがそれでも最終戦マウンドにあがったのはひとえに高津監督からの信頼の厚さだろう。期待に応えて吉田正尚を三振にとったのはさすがだと思った。

投手陣総括

前評判ではオリックスのほうが先発投手では圧倒的に分があると言われていた中で、相手にしている打線が違うとはいえほとんどの先発投手がオリックスの先発より先にマウンドを降りなかったというのはこのシリーズの大きな勝因だと思う。

どのピッチャーもランナー無しの場面では大胆にストライク先行で、ピンチの場面では丁寧に粘り強く投げてきた印象。中継ぎも噂通り盤石で、上であげられなかった大西投手今野投手もとてもいいピッチャーだった。

まとめ

結論、ヤクルトはめちゃくちゃいいチームだった。オリックスが日本シリーズで戦うに相応しいチームだった。そして何よりも強かった。

ヤクルトがそのようなチームになったのは間違いなく高津臣吾監督の功績だろう。このシリーズは高津監督のどっしりと構えた采配が目立ったように思える。最後まで信じてマクガフをマウンドにあげたことや川端を本当の勝負所までとっておく采配がこのシリーズの勝敗を分けたと言っても過言ではない。さらに雰囲気を見てもとても選手から慕われている監督だと感じた。

そんな監督のもとで投打、若手とベテランのちからが噛み合って掴み取った日本一だと思う。来年も同じ顔合わせで日本シリーズを戦ってリベンジできたらなと思う。

さいごに

長々と書いてしまいましたがここまで読んでくださりありがとうございます。

ぼくがこのような文章を書こうと思ったのは、「他球団ファンからの自分の推しチームへの称賛ってうれしい」と自分自身で感じたことがきっかけです。

しかしなかなかそのような言葉を発信してくれる人は少なく、ましてや日本シリーズで敗れた相手への賞賛の言葉などなかなか発信しようとも思わないのが普通だと思います。

それでもぼくが今回この文章を書く気になったのは、この日本シリーズが近年まれに見る素晴らしいシリーズだったということと、ヤクルトファンが相手チームとそのファンへの敬意をもっていたことが理由です。

2年連続最下位からのリーグ優勝という同じような境遇を持った2チームがぶつかったからなのか、熱い戦いが繰り広げられながらも試合後はお互いを褒め称えるというあたたかいシリーズになったのだと思います。

スワローズファンの皆様、本当にありがとうございました。そしてバファローズファンの皆様、来年は必ず日本一を勝ち取りましょう。

改めて、東京ヤクルトスワローズ日本一おめでとう。

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