海水魚飼育への道 創世記編 2
さて、磯遊び当日、子供に対しては事前に「楽しいよ~」と期待を持たせて現場に向かった我々。子供の喜ぶ顔が見たくてたまりません。
現場に着いて車を停めて海を眺めつつ買い込んできたグッズを下ろします。
「ちゃんと潮がひいてるね」「危なくなさそうだね」
既に盛り上がっている親に対して、どうもノリが悪い子供。
階段を下りて岩場まで行ってみると、子供の足はどんどん遅くなるばかり。そして呟いたのです。
「なんか臭い」
うーん、確かに。海っていうのはいろんな臭いがする。特に岩場は打ち上げられた海藻や小さな死んだ魚が腐りかけていたり、独特。海に全く慣れていない子供にとっては、楽しそうより何より、臭いが先頭に立ってしまったようで、気持ちをそこから先に持っていくのが至難の業となってしまったのです。
ライフジャケットを着せて、クロックスの子供用を履かせ、小さいバケツと網を持って階段から一番近い潮だまりに連れていき、「お魚いるかな、あ、カニがいたよ」なとど言って興味をひこうと頑張ってみたものの、頑なな気持ちはなかなか遊ぶ方向にシフトしないのです。ああ、ここまで用意したのに、喜ぶ顔が見たかったのに。
嘆いていても仕方ないので子供を目の届く範囲に居させて、親二人が楽しく遊んでいるところを見せることにしました。
見せるというか…始めて見ると本当に楽しいのです。
まずカニ、これはあっちこっちに沢山いるので簡単に採れます。
次に貝、綺麗なもの、珍しい形のもの、無節操に片っ端からバケツに投入。
難易度が高いのはやはり魚でした。
なにしろスピードが速い、警戒心が強い。でも…
追いかけて反対側で網を構えていて追い詰めれば採れそう!
そんな試行錯誤を繰り返し、小さい、名前も知らない魚を捕まえました。
あとはウミウシ。とっても綺麗だけれど何を食べているのか全く不明な生き物もGET。
親が夢中になって遊んでいる間に子供も少し潮だまりを眺めたりカニを触ったりというところまではするようになってくれました。
そんなこんなで第一回磯遊びは終了したのですが、その時点で我々には新たな野望が生まれました。
捕まえた生き物を持って帰って買うことは出来ないだろうか。
もっと綺麗な魚(その時点ではチョウチョウウオ全般)は捕まえられないだろうか。
実は我々が磯遊びをしていた近くで何かをとっていたおじさんの水槽には小さくて綺麗なチョウチョウウオが数匹入っていたのです。
あれが欲しい!心から思いました。
採った生き物を海に返して、我々も岐路につきましたが、帰りの車内では次なる野望にむけての計画の話が非常に盛り上がったのは言うまでもありません。
つづく
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