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俳句編6 夏の季語 7月2日 半夏生(はんげしょう)…田植えの終わり 慶應義塾中等部対策講座

7月2日頃、半夏生(はんげしょう)という二十四節気を迎えます。サトイモ科の「半夏(はんげ)」(カラスビシャク)が生じるので、この名があると言われています。「半夏半作」と言う言葉もあってかつては、この日までに田植えを終えるものとされていたそうです。(俳句歳時記 夏 角川ソフィア文庫)

「田植」はもちろん夏の季語です。田植えをする女性が「早乙女(さおとめ)」で、「早苗」が苗代から田へ移し代える稲の苗です。「早乙女」が「田植時」「田植歌」を歌いながら、「早苗」を植えたのが「田植」だったのです。

「早苗」は「早苗籠(さなえかご)」に入れて「早苗舟(さなえぶね)」「苗運び」をしたのでしょう。ときには「余り苗」は捨てて「捨て苗」となったかもしれません。これらは、皆、夏の季語です。

田植えが終われば祝宴です。田植えが終わった祝いのことを「サナボリ』といい、田植えの始めに田の神を迎える「サオリ」に対し田植後に神が帰るのを送る祭りだったそうです。これらをまとめて「早苗饗(さなえぶり)」と言います。転じて田植え終わりの祝宴や、田植え休みのことを言うようです。(俳句歳時記 夏 角川ソフィア文庫)

松尾芭蕉は「おくの細道」で

田一枚 植て立ち去る 柳かな

と、残しています。この柳は那須の芦野にある遊行柳(ゆぎょうやなぎ)のことで西行が「道のべに清水流るる柳陰しばしとてこそ立ち止まりつれ」(新古今集)と呼んだとされ、謡曲「遊行柳」で知られるそうです。(芭蕉全句集 角川)

「半夏生」の頃は、雨が降ることも多く、それを「半夏雨(はんげあめ)」といいます。降れば大雨が続くと言われています。現代では梅雨と区別がつかないかもしれません。

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