山崎令和恩返し【第一話】
山崎令恩は東京のある街に生まれた。その頃、日本は第三次世界大戦でどこも荒廃していた。10歳の頃、令恩は図書館で手に取った数学や物理学の本に興味を持った。それまで彼は、算数や読み書きを習うことが嫌だった。「学校が嫌いでねえ。机に向かって座って、ノートに書き込むなんて何が面白いのかさっぱりわからねえ」と令恩は笑う。しかし、読書によって彼は世界を見る新たな視点を手に入れた。
令恩はそこまで偏差値の高い高校に入らなかったが、数学や物理学の本を読みふけった。彼にとってそれらの本は教科書