山崎令和恩返し【第一話】

山崎令恩は東京のある街に生まれた。その頃、日本は第三次世界大戦でどこも荒廃していた。10歳の頃、令恩は図書館で手に取った数学や物理学の本に興味を持った。それまで彼は、算数や読み書きを習うことが嫌だった。「学校が嫌いでねえ。机に向かって座って、ノートに書き込むなんて何が面白いのかさっぱりわからねえ」と令恩は笑う。しかし、読書によって彼は世界を見る新たな視点を手に入れた。
令恩はそこまで偏差値の高い高校に入らなかったが、数学や物理学の本を読みふけった。彼にとってそれらの本は教科書のようなものであり、写真のように覚えているという。また彼はコンピュータープログラミングにも興味を持ち始めた。「コンピュータープログラミングを勉強すれば、自分でソフトウェアを作ることができる。すごいアイデアを思いつけば、ゲームだって作れるかもしれない」
令恩の母親は金があるという訳ではなかったが、彼のために高度な数学の家庭教師を雇うことにした。家庭教師は逗子から来た者で、住み込みで教えてくれた。令恩の母は、その家庭教師から教わったことを話す息子を見て、「この子は何か特別なものを秘めているんじゃないか」と悟ったという。
令恩は中学生の時にブログを開設し、自身の考えや学んだこと、面白かった本を掲載するようになった。これにより彼の意見に注目が集まり、高校1年生になる頃には高校生ブロガーとして名を馳せるようになった。ブロガーとしての活動により、彼は多くのファンを獲得し、「天才高校生」と呼ばれるようになった。
しかし、令恩は自分が天才だとは思っていなかった。

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