見出し画像

雪の宿

せんべい布団と濡れ枕で、身体をくっつけながら二人、寒さを凌ぎました。雪の宿の軒先からは、ぽたぽたと雫が垂れて、柿の種ほどのあられが、大きくなった亀田の曲がり角に、ふき寄せていました。

春はまだ遠し。雛人形を片付ける頃には暖かくなるのでしょう。

その頃にはまめな男は愛する人と嫁入り豆を配って回って、草加市に住む事にしているでしょう。めでたしめでたし。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?