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事業承継するまでに実現した7つの取り組み

はじめに

事務の部署が分かれていない小さい会社の総務職は可能性に溢れています。総務の仕事は最低限の仕事だけして何もやらないこともできますが、やろうと思えば何でも提案できる職種です。

総務職として入社した私はそんな発想で取り組み、2011年に入社して事業承継をする2022年までに実現した7つの取り組みをご紹介します。


実現できた7つの取り組み

1.管理会計で収支改善

商工会でたまたま学んだ管理会計の知識が大変わかりやすく、すぐに自社の分析を行いました。すると現状のままでは社長が掲げている売上目標を達成してもトントンくらいにしかならないことが分かり、これではみんながいくら頑張っても楽にならないぞ!と思い、当時総務責任者だった母の力を借りて支出の削減を行い収支のバランスを改善しました。

会計的な部分の改善と工事部の利益率向上も重なり結果として継続して黒字化できるようになり、黒字がなかなか出せていなかった頃よりも社長(父)の雰囲気が段々と柔らかくなってきたのがとても印象に残っています。

この経験がいかに経営において数字が大切であるかを教えてくれました

社長になって二年目ですが決算書が黒字だと自分の心が落ち着くのが分かります。当時の社長(父)の気持ちを今、身をもって体感しています。

2.基幹システム構築による業務効率化

私の気質ではありますが自分もしかり周囲の人もしかり、無駄に時間を使いたくない・使ってほしくないという気持ちが強くあります。押し付けはできませんが、価値ある時間を過ごしてほしいのです

それがモチベーションとなり、当時まだ時間的な余裕があった私はFilemakerというソフトを独学で学び自社の基幹システムを作り全社的に導入することに成功しました。

Filemaker(クラリス社)はアップルの子会社で約40年前に誕生したそうですが、今もアップグレードを続けていて素晴らしいソフトウェアです。

パソコンが好きなのもあってFilemakerを学んだり試行錯誤するのが楽しくて毎晩10時くらいまで会社に残ってシステム制作に励んでいたのを覚えています。

3.決算賞与制度による利益の還元

利益が出ても社員に還元する仕組みがなかったので、社長含め役員に提案して決算賞与制度を作りました。初めて総務を飛び越えて決裁を貰えた提案だったような気がします。良いボーナスを支払えたときの社員の喜ぶ姿はとても嬉しいものです。その姿を見る役員も嬉しそうで良い感じです。

4.人事評価制度を導入し昇給の見える化

入社した頃は社長判断による昇給という感じでしたが、社員が明るい未来を思い描きながらやる気をもって働くためには人事評価制度は必須だと入社したばかりの頃から思っていて、いつか導入したいと思っていました。

ただ職人ばかりの会社で、点数をつけられるような評価制度は抵抗があるだろうし、沖縄の水道屋は多能工であり何が出来て何が出来ていないかなど細分化しようとするとあまりにも複雑化しすぎる。そんな印象を抱いている状況では導入しても成功するイメージが持てませんでした。

そんな時にたまたま見つけた書籍で「評価をしない評価制度」というものに出会い、これならウチでも運用できそうだ!と感じ、組織の雰囲気もある程度変化に慣れてきていたのでちょうど事業承継を目前とした年度に導入することができました。アフェリエイトしてませんがリンク貼りますね。

入社当初はどうやって人事評価制度をやれば良いか全く見当がついていなかったので導入できたときはとても感慨深かったです。

5.経営理念の策定

経営の勉強をしていると必ず経営理念の話が出てきます。理念を掲げていなくても社長そのものが理念のような存在みたいな会社もあるかもしれませんが、私はカリスマとは程遠い存在なので地道に学んだことを実践します。

もっと言うと3代目まで事業を引き継ぐことを考えると、理念を掲げることはメリットしかないんです。形ばかりになってしまわないように努力は必要ですが。

入社当初の雰囲気では理念を掲げても抵抗を感じられそうな雰囲気でしたが、変化に慣れてなおかつ環境が良くなってくると上手くいかなそうというネガティブなイメージはどんどん薄れてきて経営理念の策定した2021年頃にはすんなりいきました。

まだ総務職でしたが、後継者という立場で役員とも話し合いながら主導させてもらうことができました。
社員にとっても経営理念があることは長期的なメリットを生むのでそういう説明もして、理念を掲げることを前向きに捉えてもらえるように努めました。

6.経営計画発表会の実施

役員で同じ方向を向く目的で、とある年間を通して学ぶセミナーに取締役工事部長を誘って経営の基礎を学びにいったことがあります。

そこで経営計画発表会の大切さを学び、経営計画書のフォーマットももらえたのでそれを参考にして2021年から毎年実施しています。

7.申請事務職の育成

入社したばかりの頃は施工管理職の社員が現場から戻って夜遅くまで申請図面の作成で残業しているのをチラホラ見かけました。こんな社員に負荷がかかる状況は昔はあたりまえだったかもしれないですがこれからの時代通用しないと感じていました。

新築工事の給排水申請業務は着工までに水道局の決裁を得なければならず先延ばしにできない状況がほとんどです。建築図面のデータが貰えるタイミングが遅い場合など大慌てです。その状況で他の仕事も重なるとどうしても残業してでも終わらせなければいけない状況を招いてしまいます。

一方では申請業務を女性の事務員が行なっている会社もあるという話を聞き、他社がやっているならウチもそれを目指そう!と考え申請事務職の育成に取り組みました。

新たに導入した申請ソフトを活用しながら、当時未経験で申請事務職として入社した方が非常に実直な方で大変だった思いますがいつの間にか工事部が担っていた申請業務のほぼ全部を申請事務職が完遂できるようになりました。

振り返り

小さい企業であるからこそたくさんのことにチャレンジできたんじゃないかなと思います。とても良い経験になりました。事務職でも部署が複数ある企業だと出来ることは限られてきそうですね。

変化慣れしてない組織で変化を起こすのは、社員からの抵抗を想像してしまって最初は上手くいくイメージは持てないかもしれませんが本当に小さいことからでも取り組んでいくと、いずれ大きな変化を起こせることを実感しました。

私が最初に取り組んだとっても小さい取り組みの話も今度書きたいと思います。

ご覧頂きありがとうございました!

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