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その16 環境理解とアダプタビリティ

 まず、今回のタイトルに含まれている「環境理解」についてご説明したいと思います。
環境理解
 環境理解については幾つかの側面があります。マクロ的にはグローバルの政治、経済、スタンダリゼーション(ルール、条約、法令)などがあります。ミドルレンジでは、日本国内のそれらの状況や企業組織の事業領域の市場などがあります。ミクロ的には企業内の事業、顧客、仕入れ、人事、財務等が含まれます。(このスケール感は必ずしも正しくありませんが、イメージとして受け止めていただければ。)
 これらの視点は、時に深く、時に浅く組織や個人と相関し、影響を及ぼしています。学際的な歴史・科学領域を網羅するリベラルアーツも環境理解の一つと言えるかと思います。

今日は、私がキャリア研修の中で使っている資料で「環境」の一例を紹介します。

VUCAの時代」とは

  • 1990年代 新自由主義(グローバル化、自由化など)を背景とした長期デフレ構造

  • 2008年 世界規模のリーマンショック

  • 2011年 東日本大震災をはじめとする天変地異   など

市場経済にける先読みが出来ないあるいは難しい状況を指します。こういった変化に対応するため、企業はアメリカ軍の作戦指揮メソッド転用した「VUCA」という考え活用しています。これには、複数のシナリオプランニング、オープンイノベーションなどの事業継続・維持の方策が含まれます。

VUCAの時代

 環境理解の領域ではこれ以外にも「失われた30年」「新しい資本主義」「個人に求められる変化の課題」など様々な視点からアプロ―チできるよう、資料を準備しています。

アダプタビリティ
 私たちは、大小を問わず様々な環境変化や、ライフサイクルの中での様々な転機を経験します。以前ご紹介した私のライフ・ラインチャートは、上下に大きくうねっていました。一個人の視点でも大きな変化に適応する必要があるということを示しています。
 アダプタビリティ(適用性)については、多くの研究者と様々な理論があります。今回はその中からマーク・サビカス(米.1946-.家族・コミュニティ学)のキャリア・アダプタビリティにおける4次元を紹介します。
1.   感心:職業人として自らの未来について関心を持つこと
2.   統制:職業上の未来に対して自ら統制すること
     (自らのキャリア構築の責任は自分自身にある)
3.   好奇心:自らの可能性と未来のシナリオ探索に好奇心を発揮すること
4.   自信:自らの願望を実現するために自信を持っている
この4次元は、「多様な役割を担う職業人がその役割を果たし、職業生活に成功と満足得るにはたえず変化する社会環境へ適応することが求められる」を実現する視点・態度として紹介されています。

タイトルに環境理解とアダプタビリティが並んでいる理由
環境理解とアダプタビリティが並列で並んでいる理由はここにあります。模式的に書くと、「環境⇔仕事と生活⇔自己」となり「自己と環境」も⇔で繋がります。矢印は相関を意味します。
「自己」は環境や仕事、生活の影響を受けてそれに順応・適応するために変化する必要があります。当たり前と言えばその通りですが、これらの関係性を保つために、環境や仕事、生活、自分自身に対する意味づけや受止めを変えていくことでバランスを取りましょう、ということです。
 皆さんも、就職のとき、部署(職場)異動のとき、結婚したとき、子供が生まれたとき、係長になったとき、課長になったとき様々な場面でご自身の意識、認識、行動を変えてきたのではないでしょうか。

今回もちょっと理屈っぽい感じになってしまいました。申し訳ありません。ご質問やご意見がありましたら<ooshimatomohiro@gmail.com>までご連絡ください。      

キャリコンウサギ 2024©大島智宏

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