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その12 ライトノベルで気づいたキャリア教育の本質

ラノベ好きの私
山本周五郎は、「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」と残しています。私自身はライトノベル(ラノベ)が好きで、Audibleに毎月1,500円を支払い、時折、物語の先を知りたくて紙の本を購入することもあります。 (Audibleで音声化されるのは時間がかかる場合もあるようで、今年1月に31巻で完了した作品がAudibleに登場するのはおそらく3,4年後になると思われます。)

そのようなラノベの中に「最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。*」というものがあります。これは転生系、魔物・魔力系の物語ですが、まず「テイマー」ってなんぞや、お話の中に出てくる「スライム」とはなんだと、なかなか頭の中に入ってこないこと必定ではあります。
*:ほのぼのる500. 最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。. TOブックス

自己理解への示唆
しかし、2巻の121話で主人公の9歳の少女が心中を吐露する言葉、「星なし*という現実から逃げない強さ。逃げていないつもりだったけど、逃げていた。認めたくなかった。でも、今なら言える。星無しでも大丈夫。私は問題ないと。」(*:人が適正と能力で評価され、職業もそれによって定められる世界で「星なし」は何ら能力を持たず徹底的に差別され親からも疎まれる存在)は、自己理解やメタ認知の視点で一定の示唆を与えてくれています。
ここでは物語の背景も、人物像の設定も書きませんが、この稿の本旨ではないのでお許しください。

もしやこのラノベは?
この少女が親に与えられた名を捨てて自分につけた名前が「アイビー」となれば「おや?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。この作者はおそらく心理学を学んだことがあるのではないかと、私は推測しています。ただの偶然とは思いますが。
アレン・E・ アイビーはアメリカの心理学者・教育学者で、マイクロカウンセリング技法の創始者です。マイクロカウンセリング技法はキャリアコンサルティングの基本としてキャリアコンサルタント養成講座で徹底的に叩き込まれ私たちキャリアコンサルタントはこの技法を活用してコンサルティングを行います。

キャリア研修、私の視点
現在、私は様々なことを皆さんに伝えしたくて、「キャリア研修」を作っています。しかし、理論に走りすぎて、受け取っていただきたい皆さんの姿を見失うことがよくあります。理論は重要ですが、皆さんに知っていただきたい本質は、ラノベのアイビーが吐露する言葉の中にもあると思っています。理論を伝える研修ではなく、本質に気づいていただける資料でお話しすることができればと思います。
私はこの視点を失わないよう、忘れないように努めていきます。
論旨とは離れますが、山本周五郎の言葉は私の中では「“大衆”も“少数”も“ラノベ”もない」と改訂されています。

ご意見などございましたら、下記までお願いいたします。ooshimatomohiro@gmail.com


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