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『efforts』 全曲解説 #4 「奔走」

 おーいおいおい…おーーいおいおいおい…。

 まあ、この泣き声は、「6曲入りのミニアルバムの全曲解説を月曜日から毎日書いたら金曜日にぴったり終わるやん♪ツアー初日土曜日やし間に合うやん♪」と思っていたら、平日は5日間しかないので全然ぴったり終わらない挙げ句、1日飛ばしてしまったことに絶望し、人間としての管理能力に限界を感じて泣いている僕の泣き声ではありませんか。おーーーーいおいおいおい…。

 ちな、最近マジで泣いたのはJUJUさんの「やさしさで溢れるように」のファーストテイクの、おーじです。2022年10月5日にリリースした3rd mini album 『efforts』全曲解説、今回は第4回目、M.4『奔走』です。この曲はCD限定。4回目まで読んでくれているそこの君、今度サーキットで会場が遠い時、タクシー代でも出そうかい?

 (もう金曜日なのに3回投稿しないといけないので、今日含めて金土日で書き切るわ!泉のように言葉が湧き上がってくるわ!) 

曲構成について

 この曲は、僕が大好きなGO!GO!7188「雨上がり アスファルト 新しい靴で」をかなり参考にしました。特に「落ちサビ(大サビ前の前段として静かになるサビ)」〜「大サビ(楽曲の一番最後に来るサビ)」の部分で、ボーカルのみで繋いだところはまるきり同じです。最初にGO!GO!のこの曲を聴いた時に「かっっっっっっこよ」ってなって、家帰って速攻で真似して考えました。
 このアルバムに入ってる「近距離恋愛」もまじ名曲なので聴いて。

 あとは、構成そのものも結構拘(こだわ)りました。JーPOP好きが高じて「1番行って、2番行って、ギターソロやって、大サビ行っちゃおう!」とセオリー通りの楽曲展開に持って行きがちな僕らですが、今回は、1番を終えたあとすぐにCメロに突っ込むことで、楽曲が持つ緊張感を保ち、スリリングかつ冗長にならない構成を意識しました。ユニバでジョーズに乗って徐々にテンション上げてから鉄板のハリポタ、スパイダーマンに乗ってきっちりテンションアップ、そのあとで一気にハリドリ、フライングダイナソーで爆発!みたいなことです(わからん)。そういえばスペースファンタジーって、いっときドリカムライドみたいなってたけど、結局あれなんやったん?

 それと、サビの終わりあたり(2:00〜2:12)のコードの流れは凝りました。同じメロディに対して半音動かす進行が大好きな僕ですが、今回は5個も半音上がって行ってみました。曲の頭から続く日々の鬱屈とした雰囲気を、サビの終わりで空に向かって浄化させるようなイメージ。そこから一気にCメロになだれ込みます。ディレイ(遅れて同じ音を出すエフェクト)リバーブ(残響、お風呂の中で歌うと響くよね)が効いたボーカルは、ある種この楽曲の「救い」みたいなものをイメージしました。教会で鐘が鳴るような、そんな感じです。歌詞とリンクしてイメージしてほしいところですね。

歌詞について

サビから。

ありふれた日々を抱きしめて
緩い幸せが怖くなったって
明日は来る 日々は続いてく

こなす毎日が嫌になって
生きるためだけに 息をしている
ただ雨が止むのを待ってる
3rd mini album『efforts』より「奔走」1サビ

 日々少しの幸福を抱きしめて、少しの不幸を思い出す。そこそこ満員な電車で、何となく考え事をする。明日への準備もそれなりに、眠る。夜が朝になって、考え事は何だったか考える。"生活"とは、ぼんやりとした幸せと不幸、そういうことの繰り返しだと思います。

いわゆる "幸せ"を積み上げていく
家庭的なスキルがある あいつ
3rd mini album『efforts』より「奔走」1A

 全て投げ出せれば楽かもしれないけど、それ程不幸でもない。その勇気も正直、ない。繰り返しの日々、生きるためだけに息をしている。その上、SNSは僕らに、他人の"幸せ"を必要以上に見せる。羨望の眼差しを、スマホの画面から自分が映る鏡に移す。足りないものばかり考えている。

夢を泣く泣く諦めてサラリーマン
それじゃ、悲しいじゃん
ロックスターは歌うよ 「夢は死なへん」

従えば楽かもな
めくる求人誌のページ

それでも 抗うことをやめず
まだ走っていた
3rd mini album『efforts』より「奔走」Bメロ

 人生は、なかなか思い描いたとおりにはならない。社会に放たれることに対する掴みどころのなさ、得体の知れなさを憂う。仕事が生きていくための"目的"ではなく"手段"になることは、とても悔しい気がする。

 それでも、抗う。だからこそ、抗う。たとえ描いた未来じゃなくても、抱く夢が揺らいでも、少しでも理想の自分になるために/理想の自分を見つけるために/理想の人生を見つけるために、抗う。人生とまさに、"奔走"することの繰り返しだと思う。少しの幸福と不幸を抱きしめて、夢中になる何かを求める。

アルバムに込めた1番の想い

物事がうまく運ぶようにかけまわって努力すること。いろいろ世話をやくこと。また、その心づかい。
コトバンクより「奔走」

アルバムタイトル『efforts』には"奔走"という意味があります。僕は今作では、日々みんなが心の片隅で感じる物足りなさを歌いたかった。僕だって同じように毎日に物足りなさを感じてる。それでも、ほんの少しでいいから何か変わればと、祈るような努力を重ねているつもり。

負けんなよ

こぼれ落ちる涙 これでいいのさ
今はどこに居たって構わない 
3rd mini album『efforts』より「奔走」Cメロ

 願わくば、自分の人生だけじゃなくて、僕らが愛する音楽に出会った人にも、少しでいいから幸せになってほしい。みんなの"現在地"を認めたい。どこにいても、平らな日々でも、構わない。みんなが明日もみんならしく、仕事をしたりバイトに勤(いそ)しんだり、友達と不幸と語ったり、恋人の隣を歩いたり。そこに少しの"奔走"が加わればいいなと、僕は思います。

 M.4「奔走」とM.5「efforts」は表裏一体です。ぜひ連続で聴いてくださいね。

 と、M.4「奔走」の楽曲解説は以上です。地を這うような日々でも、負けないでください。君の人生を支えてくれるものは必ずあります。でも、他人と比べることでは見つかりません。それはきっと、君が好きな人/モノと向き合う中にヒントがあります。

 日々奔走するみんなを、いつでもライブハウスで待ってます。その時は目を見て歌うので!

 ………………………え、ちょ、空前絶後の真面目回やんwww えぐいwww 口おっきせなwww インライやるからまたみにきてwww インスタフォロワーはよ1万人いけよwww 毎日昼飯うなぎ食わせろよwww

CDが気になったかたはぜひ買ってください。
ツアーも来てくださいね。
明日はツアー初日。

代わりに劇場でお金を落とします。もっとレビューがんばるので。