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WEBマーケティングに必須!効果測定レポートの書き方について

こんにちは。おじゅりです。
WEBマーケティングの会社でディレクターをしています。
入社して3年経ち、「SNS運用」「広告運用」「オウンドメディアのサイト運用」を経験してきました。

今回は、上記の中で共通して毎月行なっていた「効果測定レポート」の書き方と気を付けるポイントついてシェアします!
※レポート初心者向けの記事となっております※


1.効果測定レポートとは?どうして行うのか?

広告やSNSやサイトの運用など、企業が行うWEBマーケティング活動には、ある目的を達成するために設計・実施されています。

効果測定レポートとは、そこで行われた施策が「どの程度のインパクトがあったのか」「狙い通りの結果が出たのか」を評価するために作成しています。
PDCAサイクルのC(チェック)の部分であり、次のA(アクション)に繋げる大事な役割をしています。

また、中長期的には、企業の意識決定をするためにも大事な役割にもなります。施策や運用のやり方を変更するのか、成果を出すためにどのような方針にするのか企業が判断する材料ともなるため、重要な業務でもあります。

2.まずはじめに覚えるべきことは?

とはいえ、突然上司に「レポート書いて報告して!」と言われても、いざ取り掛かってみると何を書いたらいいかわからないものです。

レポート初心者の方が書き始める前にまずやるべきことは、レポートで使用する「重要指標」と「媒体のアルゴリズム」覚えることです。

重要指標とは
…管理画面、インサイトで確認できる数値

▼広告

→インプレッション数、クリック数、CTR、CV数、CVR、CPA、フリークエンシーなど

▼SNS
インプレッション数、リーチ数、ENG数、ENG率、いいね数、プロフィールアクセス数など
(InstagramやTwitterなど媒体によって見れる数値に差分があります)

▼GA
PV数、セッション数、UU数、直帰率、CV数など

※それぞれの指標の意味については、全部説明していると長くなってしまうため、この記事では割愛させていただきます。

アルゴリズムとは
…Googleの検索エンジンやSNS、広告媒体なとで表示順を決めているプログラムの計算方式

ユーザーごとに最適化され、使いやすさを求めて日々アップデートされています。

当たり前といえば当たり前なんですが、レポートを書く際に迷子になるポイントとしては、「数値の変動によって、ユーザー行動や媒体側でどのような影響が起きていることなのか」「その数値がどうなったらどのようなアクションをするか」がわからないことだと思っています。

また、指標の関連性がわからないとうまく要因を探すことができず、仮説を立てるための適切な判断ができません。
(わたしは1年目はあまり指標の繋がりがわかっておらず、レポート作成時には苦労していました…)

まずは重要指標の意味と、どういう仕組みで数値が変動していくのかを理解することから始めましょう。

3.レポートの構成は主にこの3つ

難しいと思われがちなレポート。実は書いてることは主に次の3つなので、全体の構成を意識すると書きやすくなるかもしれません。

①データからわかる事実

レポートの書き始めは、データから言える客観的な事実を記載します。
これは、その数値は想定値や平均値と比較してよいのか悪いのか、施策を行っている場合は、狙い通りの結果になっているのかがわかるよう、はっきり明示しましょう。

この際に気を付けることは、「比較期間や条件を明記すること」
数値の「よい」「悪い」は相対評価となるため、何と比べてよいのかがわからないと、報告受けている側はそれが正しい評価なのかが判断できません。

例)
▼時系列の場合
先月の数値 / 直近3~6ヵ月の平均値 / 昨年の同時期 など

▼条件の場合
当月の投稿内 / 同じ目的での配信・投稿 / 同じカテゴリ(ジャンル) / ターゲット・オーディエンス / プロモーション施策 など

また、曖昧な表現をせず、具体的な数値で記載することも重要です。
「先月よりは良かった」記載されても、どれくらい良かったのかがわかりにくいもの。
私が作成しているレポートでは、1文目は以下のように具体的な数値を記載していることが多いです。

IG/FB広告:
「9月の平均送客率は14.5%と、7~8月の平均値よりも4ptほど高い結果に。(7月:10.2%、8月:10.5%)」

②要因・示唆を考える

次に記載するのは、最初に記載した事実が生じた要因やそこから考えられる示唆です。

【要因】
データが変動した最も大きな理由

【示唆】
データから言える解釈や仮説、推論

示唆とは、見つけた特徴のあるデータに対し、「なぜそのような動きをしたのか」「つまりどういうことか」を推論することです。

例)
「Google広告の送客数が先月比で5pt上昇。先月は配信ボリュームは男女半々であったのに対し、当月は配信ボリュームの8割が女性となっていた。」(事実)
「Googleトレンドを確認したところ、〇〇(商品関連キーワード)」についての話題数が急上昇していた。(要因)
▲日に芸能人がテレビで〇〇について紹介したことで〇〇に関心を持ったユーザーが増え、送客率上昇に繋がったと推測。」(示唆)

この要因や示唆を記載するにあたり、必要なものが2章で記載した指標とアルゴリズムの理解です。前提の知識がないと根拠のない示唆となってしまうことも。

前提知識を入れた上で、データの中の差分を探し、その要因やそこから言えることを考えると示唆が書きやすいかと思います。

③ネクストアクションを書く

要因や示唆を記載したあとは、「次に繋げられることはあるか」を考えましょう。

ネクストアクションを考える際は、記載した示唆が外部要因によるものなのか、自分が対応できる問題なのかを考える必要があります。

媒体側によるアルゴリズムの変更やキーワードボリュームの変化による影響など、コントロールできない事象が要因の場合は、ネクストアクションを記載するのは難しい場合もあります。(その場合は、事実の報告のみとなります。)

しかし、「トレンドや季節性の強いテーマの投稿の方が平均リーチ数が3,000件ほど高い結果に。計測している同期間で例年話題数も増加しているため、興味を持っていたユーザーが多かったと推測。」という事実•示唆が出た場合は、「投稿編成を組む際は、トレンドや季節を訴求する投稿を作成していく」というネクストアクションに繋げることができます。

上記のように、ネクストアクションは次の施策に繋がってくるため、できるだけ具体的に記載することが好ましいです。

また、ネクストアクションを考える際は、短期的なアクションと、中長期的なアクションを考えるのがベストです。

▼短期的なアクション
…日々の運用や次の施策などで対応できる即時的な改善

例)投稿内容や時間を変更する、配信メニューの変更するなど

▼中長期的なアクション
…費用やタイミングなどで即時的には対応が難しいが、行う必要がある改善

例)SNSのキャンペーンのやり方を変更する、広告のクリエイティブの方針を変更するなど

これは、そもそも運用に根本的な改善が必要だった時、短期的なアクションだけを考慮していると小粒の対応しかできず、労力に対して微々たる結果しか出ないためです。

逆に、中長期的なアクションだけを記載しては、具体的に何をしていいのかが分からず、何も解決せずに終わってしまことも。
どちらも施策に必要な改善であれば、根気強く伝え、実施していくことが重要です!

4.その他、意識するとよいこと

レポートの基本的な構成は前述したとおりですが、その他にもレポートを書く際に意識するポイントがあるので、シェアします。

・データを確認する際は、差分や傾向を探す

前述でも記載しましたが、レポートを作成する目的はPDCAを回すことです。そのため、ただ目の前の数値を眺めているだけでは、新しい発見はありません。

一定期間行っている施策は、毎日全く同じ数値となるわけはなく、必ず数値の変動があるはずです。期間が短い場合は、大きな変化がないこともありますが、基本的には変動するものです。

データを確認する際は、様々な条件で数値を比較しながら、「相違点はどこか」「共通点はあるか」を意識して探してみると気づけることが多いので、おすすめです。

・大きい数値→小さい数値の順で見ていく

大きい数値
…「全体平均」や「媒体の当月平均」などの粒度の粗い数値の全体パフォーマンス
小さい数値
…「各投稿」「オーディエンス」などの粒度の細かい数値のパフォーマンス

初めから各投稿などの細かい数値で分析しすぎると、全体では大したことない数値に固執してしまい、時間の無駄遣いになってしまうことがあります。

また、数値全体では「当月はパフォーマンスがよくない」と報告しているのに、細かい数値ではよかったことばかりを話題に取り上げてしまうと、前後で報告が食い違っていしまうこともあります。

上記を防ぐためにも、大きい数値で全体のパフォーマンスを確認→小さい数値を見て細かいパフォーマンスを確認としていくことで、統一感のあるレポートを作成することができます。

・相手のレベルにあった資料になっている?

作成したレポートを報告する際、クライアントが必ずしもWEBマーケティングの知識がある担当者ばかりではないことが多いです。
にもかかかわらず、専門用語ばかりが書かれているレポートを作成してしまうと、内容の理解が進まず、改善施策も実行されずらくなってしまいます。

レポートを作成する際は、相手がどの程度前提知識があるのかを考慮したうえで、必要があれば前提をまとめたページや内容の詳細を大きく取り上げたページを追加するなど、担当者さんに合わせた対応するとよいと思います。

・以前報告したレポートと整合性があってるかを確認!

こちらは主に単発ではなくて運用している人へのポイントにはなりますが、当月の数値だけに意識してレポートを書くと、数値によっては真逆の示唆が出てしまうこともあります。

「以前はどうだったか」を踏まえたレポートを作成しないと、先月と今月で全然違うことを書いてしまうことも。
これではクライアントも混乱し、信用にも欠けてしまうため、以前書いたレポートと整合性が取れているかという点に関しても注視していきましょう。

また、データを確認していくうちに本当に真逆の示唆となることもあります。その場合は、以前の報告とどこが違っていたのかをきちんと伝えてあげるとよいと思います。

5、最後に

レポートは、すぐに書けるようになるものではありません。
私も、はじめの頃に作成したレポートが酷すぎて毎月たくさんの修正をもらっていたものの、2年間毎月様々なレポートを作成していくうちに、1人で作成でき、人のレポートのチェックもできるようになりました。

最初は「難しい…!」圧倒されるかもしれませんが、全体の型が分かると書きやすくなると思うので、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです!

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