雨、ときどき、憂鬱
そもそも他人なんて全く気にしていなかったのだ。
思い返せば、いじめられていたような小学生の時も
あんなに太って丸々としていた中学生の時も
周りのみんながどんどん彼氏をつくった高校生の時も
わたしの世界にはわたしひとりだったはずなのに。
それなのになんでだろう?
大人になったら突然わたし世界に他人が流れ込んだ。
市内、派遣OL、33歳。
今では同じ派遣の同僚が社内便の封を切るガサガサ音すら気になる。
なんて野蛮なんだ。
なんだって君たち人間は何をするにもそんなに主張が激しいのだ。
ああ、世界がやかましい。
わたしがカプセルトイなら朽ちるまでカプセルの中にいるだろうし、
ガチャガチャなんてされた日には渾身の力で出口を塞いでやるのに。
――――カプセルトイじゃないからなぁ――――
午後15時過ぎ、会社の給湯室で入れた謎のメーカーの緑茶をすする。
今日も業務はドロドロ時間を押し流す。
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