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「サウナの聖地」があると聞いて。。

僕が「サウナしきじ」を知ったのはつい2〜3年ほど前、静岡市内でとある展示会の打ち上げに参加した時のこと。そこには県外のアーティスト数人がいた。話題は「静岡にきたら何をするのか」という話題に。アーティストの視点から考える静岡の遊び方というものに密かにワクワクしていた。

あるアーティストが口火を切る。
「静岡に来たら"サウナしきじ"は欠かせないよね。」
この人は無類のサウナ好きらしい。いわゆるサウナーである。

「サウナしきじ?(どこですかそれは)」
その場にいた静岡人たちは聞いたこともなかったその名前にポカーンと口を開けたままだった。

ずっと静岡で暮らしている中で、重要スポットはある程度熟知しているつもりだった。しかし「サウナしきじ」なんて言葉は聞いたことがなかった。当時学生だった僕がまだ若くて、サウナを嗜めるほどの大人ではなかったこともあるが、予想だにしていなかったジャンルの回答に驚いた。

「知らないんですか?サウナの聖地ですよ」

早速検索してみたら、あのファッションスナップが取材に来ているではないか。

https://www.fashionsnap.com/article/sauna01-shikiji/

このメディアに載っていれば間違いないというメディアを誰しも持っているはず。
当時、ありとあらゆる情報をファッションスナップから取得していたファッションスナップ信者だった。ファッションスナップで過去に「しきじ」が取り上げられていたことを知り、これは間違いないと。今までサウナのサの字にも触れてこなかった若造は謎の確信に満ち足りた気分でいた。

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さっそく「サウナの聖地・しきじ」へ行った感想を述べてしまおう。

サウナーの間では「サウナの入り方」なんてものがあって、入り方は実に様々ではあるが、あらゆるサイトを比較し考察しまくって僕なりにコレだと思った入り方を勉強していた。なんせ相手が「サウナの聖地」とあらばこのくらいの嗜みは最低限必要であろう。そんな諸刃の剣を携えた私は諸手順を踏んでサウナへGO!

冒頭でもお伝えしたが、当時の僕はサウナのサの字も知らないくらいのちっぽけな人間だった。「サウナはひたすら暑い」このイメージからサウナに入ることを避けていたチキン野郎である(今だから言えるのだが)

久々のサウナ。ほんの少しの勇気と緊張感持ってサウナ室に入る。。

暑い。非常に暑い。室内の温度計は110℃前後を示していた。よく行く温泉のサウナが80℃前後なのに対し、しきじのサウナは110℃。30℃の差は嫌でも体感できた。普段ならすぐに出てしまうところだが、「サウナの入り方」に乗っ取りここはじっと我慢。6分間じっと我慢した。

次は水風呂。サウナに対しての苦手意識もさることながら、水風呂に対する苦手意識はさらに強かった。しかし110℃の熱気の中でアツアツに蒸らされた体はそれを求めずにはいられなかった。

汗を流し、入水。(先に言っておこう。サウナしきじの聖地たる“ゆえん”はこの水風呂にある。以下に続く…)

初めは凍えるほど冷たかった。しかし情報によるとここではジッと耐えしのぐことが必須である(これはどこの水風呂でも共通すること)。じっと耐えた。。

すると体と水の間に薄い層のようなものが出来ている感覚に陥った。そして温かい。いわゆるウェットスーツのそれに近い感覚なのかもしれない。これはサウナ〜水風呂の流れを踏むと起こる現象で、もちろんどこのサウナでも起こる。

しかし、しきじのそれにはまだ続きがある。その薄い層は温かく、僕たちを心地よい気分にさせてくれるのだが…しきじのそれは、よく言われているところで「母胎のような水風呂」と表現される。他の水風呂にはない、優しく包み込まれるような、やわらかな水風呂。新感覚だけど、どこか懐かしいような。これがいわゆる「母胎のような…」なのか。あまりの安心感からか、周りの目も気にすることもなく水風呂に浸かりながら数分目を閉じていた。

この水風呂がしきじを聖地たらしめていると言っても過言ではない。
サウナ初心者の僕が言うのもアレなのだが、まさに極上のサウナとでも言っておこう。全国のサウナ好きたちが、サウナのためにわざわざ静岡まで足を運ぶわけだ。と1人で納得してしまった。と同時に地元にこんなホットなスポットがあったことの衝撃。「灯台下暗し」とはまさに。



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