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ノクチルイベント「天塵」で印象に残ったセリフ10選+感想

タイトルの通り、シャニマスのイベント「天塵」を見て印象に残ったセリフを紹介します。セリフ10選にした理由は、普通に感想を書くと1万字は超えるだろうなと思ったので、長さに制限をかけるという意味で10選にしました。ベスト10でもよいかと思ったのですが、「5位と6位の差って何?」等を考えるとキリがなくなるので、「大体このセリフを押さえておけばOKだろう」と思われるセリフを単純にピックアップしました。
【※追記:長さに制限をかけた結果1万4000字になりました。】

コミュのネタバレ注意でお願いします。また、かなり独断と偏見で選んでます。

(1)透「海にしよう」
(OP:ハウ・スーン・イズ・ナ→ウより)

海にしよう

OPの過去の回想シーンで幼い円香に車を買ってどこに旅行に行くか聞かれた際の透の返答です。水をモチーフとしたノクチルにとっては「海」は重要なキーワードですが、このOPで出た「海に行く」約束がEDの海での花火大会の営業の仕事で果たされることになります。

この「海」は暗喩として使われていて、「(小さい頃の)海」⇒「遠い未知の世界」⇒「(現在の)芸能界」という対比が読み取れます。小さい頃の透の発言で、「海に行く」ことに決定しましたが、ノクチルがアイドルになり「芸能界に行く」ことが決定したのも、透をきっかけに他の3人もついてきたからです。これは第2話の「視界1」での小糸のセリフ「透ちゃんが行こうって言ったら、それはもう走り出すのに十分――」からも読み取れます。
「海にしよう」に続くセリフは、円香の「どこに行くの私たち――」ですが、これは透が深く考えずに感性で決めた目的地に、3人の幼なじみが振り回されている現状を不安に思っているセリフです。大事な事でもポンとすぐ決めてしまう透と、危険がないかをまず調べようとする円香の対比が印象深いシーンです。

また、「海にしよう」は第4話の「視界2」でも同じセリフが出てきます。ちなみに、意味深なタイトルである「視界1」「視界2」「視界3」について私の解釈を説明すると、これは、①小糸②円香③雛菜のそれぞれの視点から透を見た時の印象についてが表現されています。
これを聞いて「透が出てこないのは、何か意味があるのか?」と思う人がいるかもしれませんが、透が出てこない理由は「視界1」「視界2」「視界3」は全て透のコミュだからです。
【途方もない午後】という透のSSRカードがありますが、ここに出てくるアイドルイベント名は「午後1」「午後2」「所感:頑張ろうな」「午後3」です。「一般名詞+(数字)」のタイトル名は透の得体のしれない凄みや恐怖を表現しています。透は透明であり、何者でもない存在だという伏線です。
このあたりの考察は動画か何かをいつか作れたらいいなと思ってます。

(2)円香「さぞ業界も注目しているでしょうね」(第6話:海より)

さぞ業界も注目しているでしょうね

このセリフは初仕事でやらかしてしまったノクチルのためにプロデューサーが持ってきた仕事を聞いてからの円香の反応です。
正直このセリフは重要な伏線等ではなく、私の個人的に好きなセリフだったので選びました。このセリフは円香の皮肉で頭の良い性格をうまく表現していると思います。初視聴時には思わず笑ってしまいました。
一応話の流れを説明をすると、小糸が「仕事って、ライブとか…テレビですか…?」と聞いたうえで、プロデューサーが「花火の営業の仕事だ」と答えていて、注目されていた前回よりもランクが低い仕事しか取れなかった、という流れがあります。
これを見て思ったのが、「円香が姑さんになったら嫁いびりが凄いんだろうなぁ」とか想像しました。円香「優秀なお嫁の○○さんが家事をしてくれるなら、さぞや完璧な仕事ができるのでしょうね」みたいな感じでずっと言ってきそう。

(3)小糸「てってん、てててん、てーてーててん……っ」(第1話:屋上より)

てってん、てててん、てーてーててん……っ

ノクチルの初の仕事に意気込んでダンスの練習をするシーンでの小糸のセリフです。これも単純に個人的に好きだから選んだセリフです。
このシーンで「一所懸命に練習する小糸ちゃん可愛い」と思った人は結構多いと思います。また、同じようなセリフが何回か出てくるので覚えている人も多いと思うセリフです。
第1話は他のユニットでもよくある、みんなで練習している日常の風景がメインですが、ここでのノクチルそれぞれの違いがかなり面白いです。4人のダンススキルをまとめると傾向が完全にわかれているんですよね。

①透 ⇒「練習なしで踊れている。
②円香⇒「練習した上で踊れている。
③雛菜⇒「練習なしで踊れるが持久力が足りない。」
④小糸⇒「練習した上で踊れるが持久力が足りない。」
※持久力については第1話のトレーナーからの指摘から判断できる。

こう見ると小糸のセリフ「みんな…ばっちりなのに…わたしばっかり…」の通り、小糸が一番格下になるよう描写されています。ただし、1話と2話で小糸の練習の様子は丁寧に書かれているので、一概に小糸はランクが低いとは言えません。小糸本人の自己評価が低いだけで、他の3人はついて来れないとは思ってないんですよね。凄い真面目でまさに努力が得意なキャラという感じだと思います。
そして、もう一つ注目すべきなのは雛菜は唯一、この「てってん」のセリフが無いという事実です。一応、「ダンスの練習?雛菜、透先輩とやりたいー」というセリフはありますが、すぐ次のシーンで円香が「ふたり、遊び始めちゃったし」と言っています。レッスン外の時間である学校の屋上で、頑張って練習する小糸すぐに遊び始める雛菜の対比が印象的なシーンです。念のため雛菜を擁護すると、雛菜はレッスン中の時間はレッスンに集中していますが、あくまでプライベートではやらないというだけです。社畜小糸とライフ・ワーク・バランス雛菜と言い換えるとわかりやすいかもしれません。

(4)雛菜「なんかね、すごいことが起きそうって、思ったの」(第3話:アンプラグドより)

なんかね凄いことが起きそうって思ったの

ノクチルが満を持して初仕事でこれから歌います、という時に雛菜が回想シーンで言った一言です。
これは個人の好みでは無くて重要な伏線としてピックアップしたセリフです。この後は、雛菜の想像通り透を主犯格とした「生放送のぶっ壊し」という「すごいこと」が起きます。
このセリフはEDコミュの雛菜のセリフ「やっぱり思ってたの、すごいことが起きそうって」に繋がっています。
今回のイベントでは、ノクチルが2回の仕事をすることになるのですが、その2回は意図的に比較対象になるよう書かれています。
1回目の仕事は、はっきり言って大失敗です。理不尽な目にあったとはいえせっかくの仕事を水の泡にしてしまったのは素直に褒められることではありません。プロデューサーも第4話で「騒動の事は弁解の余地もない……けど」と反省している様子が書かれています。
ちなみにですが、この前記事を書いたのですが、ノクチルが干されたのは小糸が批判されたのが原因で、

「糸」+「小」+「干」=絆

つまり、「小糸がきっかけで干された」ことで「4人の絆」を示したというネタがあります。

話を戻すと、1回目の仕事は大失敗で、おそらくイベントの事前PVで透が反省文を書かされたのはこの騒動が原因でしょう。
一方で、2回目の仕事は、1回目の仕事とは正反対の結果となるよう書かれています。1つは「注目の番組」から「ほとんど見てくれる人がいない営業」になっていることです。それ以外は、他のセリフの時にまた説明します。

(5)円香「透にできることで、私にできないことはない」(第6話:海より)

透にできることで私にできないことはない

5つ目は円香のセリフです。これは一度仕事を干されたノクチルが再度プロデューサーから仕事をもって来てもらえたものの、以前のような煌びやかなステージではないため、「受けるか受けないかを自分たちで判断してほしい」と言われて相談していた中での最後のセリフです。
(どうでもいいのですが、画像張ってみたものの心理描写ばっかでアイドル全然出てこないな…まあいいか。)
これはかなりの人が驚いたのではないかと思います。少なくとも私は、驚きました。円香のイメージって「クールで無駄なことはしない、感情に流されない」という体を外見で装っておいて、「内心は不安で仕方ないから、隠れてレッスンする」という印象だったのですが、このセリフは野心バリバリの対抗意識むき出しというか、シャニマスで言えば冬優子のセリフ「目にモノを見せてやろうじゃないの!」に近い闘争心を感じました。
このセリフの解釈は「円香の気持ちは円香にしかわからないよ」といって思考放棄したくなるほど、難しいのですが、あえて言うのであれば、「円香はプライドが高く、自分が透の上の立場じゃないと納得できない性格(?)」なのかなと思いました。
ノクチルの他のコミュを見ると例えば、湿布を張るときに円香が張ってあげたり、透が財布を忘れたときに円香が見つけてあげるような描写があります。それらに共通しているのは、円香が透のズボラさにあきれて、「やれやれ」と言わんばかりのため息をつく様子です。円香からしたら「悪気もなさそうに日常生活で他人の手を借りるような抜けている透が、裏で努力している私の上にいるなんて納得いかない。」と思っているのかもしれません。
もしそうだとすれば、お友達関係の延長線でふわふわとアイドルをしているノクチルの中では、唯一、アイドルをやる動機、「透に負けたくない!」という気持ちがあるのではないかと思いました。透は実際カリスマ性があってダンスもきれいに踊れて他の3人よりは格上のような書かれ方をしています。
他に注目すべきセリフとして、4話の視界2で「あいつ、3回に1回くらい歌詞ごまかしてるから」という円香のセリフがあります。ここで円香は透のことを「あいつ」と呼んでいますが、普段は「浅倉」、内心では「」ですので何かしら不満があるかのような呼び方と言えます。また、視界2は円香から見た視点の透についての印象のコミュです。
もちろん、場合によっては「あいつ」呼びしているがたまたま今まで出てこなかっただけという可能性もあります。
他に考えられることといえば、「透に小糸を渡したくない」とかですかね?
小糸のことになると急に必死になる傾向が特に今回のコミュではよく見られたので、「透ちゃんって凄い!」状態の小糸の目を自分に向けさせたいという線もあるのかもしれません。

いずれにせよ、今後の透と円香の関係を見ないとまだ明確な判断はできません。

(6)小糸「やらなきゃ…………」
(第3話:アンプラグドより)

やらなきゃ

※ひとつ前に「心理描写ばかりでアイドルの画像少ないな」と言ってからのまさかの背景なしとなってしまい申し訳ないです。
コミュを見返しながら、色々考えて選んでいるので、これはもうしょうがないです。意図はなく、純粋にセリフで選んでます。

6つ目のセリフは、本番前で緊張している様子で透にも心配されている中で自分に言い聞かせるように小糸が言った「やらなきゃ…………」です。
このセリフは1話前でも出てきていて、それだけ初の仕事に使命感を帯びて取り組もうとしているとともに、透の凄さを思い出して「今の自分の実力じゃ一緒にいられくなるかもしれない」という恐怖を感じている様子が読み取れます。
実際に本番で歌う時は歌もダンスもよくできていて、4人中で最高かどうかはわかりませんが、少なくともカメラの注目に耐えうるパフォーマンスができていたことがわかります。グラッドのひらめきでは小糸はメンタル担当になっていましたが、このイベントで初めて小糸の強メンタルが描写されたと思います。自分が一番遅れている(と少なくとも自分は思っている)中で、初めての番組出演で、カメラの注目を浴びた中で自分の練習してきたステップに集中出来るのは、これ以上ない強メンタルの表現だと感じました。

一応、誤解のないように言いますが、番組を台無しにすること自体は「」です。小糸の頑張りを評価する事と、ノクチルの生放送ぶっ壊しの容認は別の話だと思っています。

個人の意見ですが、プロデューサーがノクチルに感じた魅力や可能性って、こういう部分を指しているのではないかと思いました。幼なじみ4人で互いのことを分かった上で尊重しあう、何かあったときには一致団結できる。まあ、今回の場合は透の思いつきに振り回されているだけとも捉えられますが、ある意味それも含めて「いつも通り」なんだと思います。

一方で、この「」は今のところ小糸の、俗にいう曇らせ要素として明確に表れています。一緒にいたいという願いが叶わなければ小糸はほぼ確実に曇ると思います。というか、今回のコミュでだいぶ曇りかけてました。
ユーザの期待をいい意味で裏切り続けたシャニマスに対して、これだけは言っておきたいです。

小糸が曇るから、ノクチルの絆は絶対にバラバラに引き離すなよ!
4人はずっと一緒にいないといけないからな!絶対だぞ!
(フラグ設置完了)

(7)円香「―…降ろして」
OP:ハウ・スーン・イズ・ナ→ウより

降ろして

(フラグ回収完了)

あっ!(絶望)

こ、このセリフは、ですね、え…えっと、そうっ!OPで回想シーンから現実に戻る場面で、ま、円香が言ってたかもしれないセリフのやつです。(動揺を隠しきれない)

気を取り直して文脈を説明すると、子供の頃に「お金をためて車を買って旅行に行こう」と約束をしていた流れで、回想から現実世界に戻り、このセリフが発せられました。過去と現実を行き来して、円香は計3回、現実世界で「降ろして」と言っています。
(1)で説明しましたが、旅行の目的地は透が決めた「」です。そしてこの「海」は、「未知の世界」の暗喩であり、現実の世界では「芸能界」が当てはまります。
」はおそらく4人が1台に同乗することから、「4人を1つの単位にするもの」=「ユニット」=「ノクチル」の暗喩です。
私の解釈で意訳すると、「車に乗って海に旅行に行く」ことは「ノクチルとしてデビューし、芸能界へ足を踏み入れる」と置き換えられます。
まだ想像の余地は残っていますが、この「―――……降ろして」は伏線の可能性が非常に高いです。「過剰なダッシュや三点リーダーがあるところに、考察あり」というのが私のシャニマスポリシーの一つです。

「降ろして」を解釈するとすれば、まず最悪なものから言うと、円香のノクチル離脱です。この発想には、実はかなりの判断材料があります。
例えば、1話の屋上での円香のセリフ、「何かあったら、許しませんので」を文字通りの意味で受け取ると、初仕事で「何かあった」のは間違いないため、円香はプロデューサーを許していない状態ということになります。
他にも、円香から見た透を表す第4話の「視点2」では、「どんどん走っていくから、見張るのが大変」「どこへいくんだろう、ねぇ、透―――」と何となく、自由すぎる透について行くのが疲れたかのようなセリフを言っています。このような発言がいつもの事の範疇であれば、嫌々付き合ってくれるのでしょうが、異常な事であれば、離脱は時間の問題ともいえます。
また、円香は「それはあなたの観点でしょ?」のようなセリフを雛菜とプロデューサーに言っていて、「私の考えは違いますけど。」とも受け取れる態度を示している。
他の解釈の仕方をすると、「海へ向かう車」は雛菜の言うところの「パパの車」ではなく、透の「うちらの車」の事であり、「プロデューサーが運転する車は、「うちらの車」ではないので降りたい」という解釈もあります。
この場合は、「ノクチルの方向性はプロデューサーが勝手に決めないで!自分たちで決めさせてよ!」という意味になり、プロデューサーが口出しをしないことがわかれば、円香のノクチル離脱には繋がらなくなります。
色々、書いてしましましたが、この辺りは他の人の意見を聞きたいのと、2回目のノクチルコミュを待ってから再考察したいという思いがあるので、考察はここまでとします。

(8)小糸「みんなで始めるために、来たんだもん」
ED:ハング・ザ・ノクチル!より

みんなで始めるために、来たんだもん

EDコミュ開始時の小糸のセリフです。
話の流れとしては、ノクチルが2回目の仕事をするために海に到着し、透に「ふふっ大丈夫?」と聞かれた小糸が。「今日は大丈夫」と返答した後に今までを振り返る回想の中で言ったセリフです。(また回想か~)
1回目の仕事と2回目の仕事は比較対象として書かれているという話は先ほど少ししましたが、1回目にも透は小糸に声をかけています。
円香の画像しか出てきてない気がするので、比較画像をつけます。

①初仕事時に透に声をかけられた小糸

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②2回目の仕事時に透に声をかけられた小糸

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明らかに真逆の顔をしていますね。
初回時は自分の実力が不安で、さらに業界の嫌な空気に飲まれたこともあり、不安な顔をしていますが、2回目の仕事の時は自然な笑顔で、本当に大丈夫そうな顔をしています。「みんなで始めるために来たんだもん」の前では、「あの時は何も見えなくて怖かったけど」と言っていて、そのあとに「みんなで始めるために来たんだもん」と続きます。
そして、そのあとの顔が最高に小糸らしい良い表情をしています。

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初仕事の時と違って小糸の内弁慶設定が存分に発揮されています。この後の透のセリフ「頼んだ」もシンプルで良い味を出しています。

私がこのセリフをピックアップしたのは、「みんなで始めるため」という言葉が引っ掛かったからです。
この言葉に気付かされたのですが、「このコミュって、もしかしたらノクチルの結成コミュじゃないのか?」と思うようになりました。
おそらくですが、初回視聴時の私はそうでしたが、大半の人が、「天塵」はノクチル結成コミュではないと思っているのではないでしょうか?
何故なら、例えば去年のストレイライトはあさひ、冬優子、愛依がそれぞれ初対面で初めましての挨拶から入って、「あなたたちはストレイライトとしてやっていくことになりました。」のような流れで話が進んでいったからです。初期ユニットのイルミネも「初めまして、よろしくね」の状態から話が始まっています。結成コミュとはこういうものだという印象がユーザーに定着しているのだと思います。少なくとも、私がそうでした。

私は、「それがちょっと違うのではないか」と思い始めています。
そもそもノクチルは、唯一の幼なじみユニットですので、先にあげた結成コミュの「初めまして、よろしくね」の状態がつくれません。
ここからは、妄想に近い話になるので話半分に読んでほしいのですが、「天塵」はノクチルの結成コミュならぬ再結成コミュではないかと思っています。理由については、まず、小糸の「始めるためにきた」という発言です。
初回時の仕事の際はアイドルとしてのノクチルは幼なじみの仲良し4人組として仕事に出てその結果失敗に終わっています。
その原因はなぜでしょうか?

これについて、私は一つ答えと思われるものを見つけました。
一度目の仕事に欠けていたものは、ノクチル4人の彼女たち自身の意思です読み返すとわかるのですが、初回の仕事の時はプロデューサーが仕事を持ってきてます。下の画像は第1話屋上でのやり取りです。

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かなりいい話だと思うんだけど、心配か?」というプロデューサーの問いに対して円香は「そうですね」と答えています。あるべき論で言えば、プロデューサーはここで「どうしても無理そうならキャンセルするから、早めに言ってくれ。焦る必要はないからな。」くらいの発言をして、一度本人に「やる」「やらない」の決定権を与えるべきでした。しかし、プロデューサーはここで円香の静止を振り切って、「良くも悪くも視聴者の反応を謙虚に受け止めて欲しい」と言っています。これは、おそらく本当にプロデューサーがノクチルの魅力を信じきっていて、根拠のない自信で大丈夫だろうとタカを括っていたであるうことと、発言の通りまだ自覚のないアイドルに貴重な経験をさせてあげたいという思いからきたのだと思います。その結果、「プロデューサーが用意したよくわからない仕事」を「スタッフに攻撃された正当防衛」よろしく台無しにしてしまいます。

一方で、2回目の仕事は、彼女たちに仕事の説明をしたうえで、「どうするかは決めて欲しい」と最終判断を委ねています。これは、プロデューサーが初回時に自分主体で仕事を決定してしまった反省をいかして、確認したのだと思います。ただ、プロデューサー自身がそう言っているわけではないので、たまたま何となく意見を聞いてみたという可能性もあります。むしろコミュ内でのシャニPの発言を見ると全体的にぼんやりしていて、意図して決定権を委ねたわけではないという発想の人も多いかもしれません。
いずれにせよ、4人が少なからず自分の意思で仕事を受ける事を選択していますので、本当の意味でのノクチルはここから始まるという意味で、再結成コミュなのではないかと思いました。
また。EDのタイトルは「ハング・ザ・ノクチル!」ですが、素直に英訳すると「ノクチルを吊るせ!」「ノクチルを掛けろ!」と読めます。
これは「ノクチルの旗を揚げろ」と言っているか、あるいは海に関連させて「ノクチルという船の帆を降ろせ」と言っているのだと思います。明確な正解をわからないですが、どちらにせよ、EDから「ノクチルは始まっていくぞ!」という印象を受けます。
あと、これは微妙な考察ですが、OPのタイトルがロックバンドの曲からきているという考察をみかけたので、ロック繋がり(?)で、「再結成」を表現しているコミュなのかなとも思いました。

追記:はづきさんのシナリオイベントの説明見落としていたのですが、「彼女たちはもう一度彼女たちを始める」と書いてあったので、わかりきった前提を説明していたみたいです。読んでくれた方は申し訳ありません。まあ、大筋は合っていたみたいなので良かったです。

(9)雛菜「あは~、プロデューサーしか拍手してない~!」ED:ハング・ザ・ノクチル!より

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ノクチルが2回目のライブをやり切った後の雛菜のセリフです。
観点が独特かとは思いますが、このセリフがすごい引っ掛かりました。
繰り返しになりますが、初回の仕事と2回目の仕事は対比の関係にあります。

初回のライブでは、番組の都合でマイクを切られ大勢の観衆の前で歌うことができませんでした。2回目のライブでは、逆に十分なパフォーマンスを披露できています。1回目は小糸が「私しか完璧に歌って踊れないんだもん」と振り返っていますが、2回目は「誰も間違えなかった」と振り返りのナレーションが流れます。

また、初回のライブでは、ノクチルは明らかにマイナスの感情を出してステージに立ちますが、2回目は円香が「ステージに立つのは、悪い感じじゃなかった」と振り返っています。

客の反応についても同様です。
初回ライブでは、有名な配信番組の出来事だったこともあり、SNSで話題になるほど、悪い意味で反響を呼びました。一方、2回目では上の画像の通りプロデューサーしか拍手しておらず、歌と踊りへのリアクションは無いに等しいです。

この「プロデューサーしか拍手していない」という状況は私はアイドルのプロデュース開始時を連想しました。最初はファン人数が一人しかいませんが、この1人はプロデューサーの事というのは有名な話です。つまり、この海でのライブが「本当の意味でのノクチルとしてのプロデュースがここから始まった」という解釈ができます。早く次が見たいと思わせるEDは、なかなか良いと思います。

(10)プロデューサー「そういうこと含めて考えてほしいんだ」第6話:海より

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ひとつ前のセリフ

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↓ひとつ後のセリフ

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最後にプレイヤーのアバターともいえる、シャニマス世界のプロデューサー、通称シャニPのセリフを持ってきました。改めてシャニマスの魅力はシャニPだということが思い知らされました。

「そういうこと含めて考えてほしいんだ」

正直に言うと、最初に読んだとき早く次が読みたいと思っていてよく意味が分かってなかったんですよね。元々1周目はだいたいのあらすじが分かればいいやくらいに思っていて。むしろ、「選択肢までスキップボタンがでるから、ログ使って楽に読めるなー」とかいう謎の感想を持ってました。
あとは、「そういうこと」という単語が抽象的過ぎて、「どういうことだろう」とすら思っていました。唯一の分岐なし選択肢なので、重要であろうことは何となく気付いていたのですが。

読み返していくうちに「あぁなるほど、そういうことか!」とわかるようになりました。といっても、自分が納得しているだけで正解という保証はないのですが、自分なりに説明します。

まずは、6話に登場するミカンジュースの描写です。明らかに何かを暗喩しているような書き方なので、ここは読み取れました。もう一つの1話に出てきた消せるボールペンと油性マジックについては、よくわからなかったですが、考察の余地はありそうです。
ミカンジュースについては、「もう少しで中身がとれるのにもったいない」という描写がされていましたが、これは「ノクチルの魅力がすぐそこまで見えているのに、世間に知られることがなくでもったいない。」という例えだと思います。干されたノクチルに仕事を持ってくるために何度も営業を繰り返す様子が、空き缶の中身を取り出そうとあきらめきれない様子に重なって見えます。
また、空き缶というのは普通はゴミです。いくらミカンの粒が残っていたからといって、捨てないでとっておく人はいないと思います。
ノクチルをゴミに例えるのは、さすがに失礼になるのですが、「不要な存在」くらいに例えれば当てはまります。実際にコミュ内では、各ディレクター達は不祥事を起こした無名の新人アイドルなど欲しがるわけもなく、現実の業界に詳しいわけではないですが、場合によっては「商品としての価値がない」と言われて、クビになっていてもおかしくないような状況になります。ただ、それでもシャニPは良い意味でバカなので、ノクチルのために仕事を探し続けます。円香の言葉で言うとミスター・オールドタイプですが、このアイドルへの真摯な姿勢がシャニPの人間臭さというか、人気のゆえんではないでしょうか。

そうして、花火の仕事を持ってくるのですが、(8)で書いた通り、プロデューサーは強制はしません。「やりたくなければ必ずみんなの気持ちに沿った仕事をとってくる」と約束しています。

ここのシャニPは聖人以外の何物でもありません。先ほども書いていますが、この時のノクチルははっきり言うと仕事を選べる立場ではありません。それまでの経緯はあるにせよ、有名な番組に迷惑をかけた状態で評判は悪いので、もしも、シャニPがクズであれば、「やっととってきた仕事だ。次に何か不祥事でも起こしたら許さねえぞ」とでも言っていたかもしれません。むしろ、そちらの方が現実的で「少しは釘を刺さなくても大丈夫なのか?」と読んでいて最初は思いました。

そしてその後、シャニPのとった行動は、「仕事をすれば嫌なめだって遭う自分の思う以上に、姿勢を求められたりもする」「(今後仕事を続けるなら)なんでも、いいからきっと理由が必要になってくる」等、説教とまではいかなくともアイドルに心構え的な内容を説いた上で、最初の以下のセリフに繋がります。

「そういうこと含めて考えてほしいんだ」

これは触れようか迷ったのですが、無視するのも変なので申し訳程度に触れておきますが、「天塵」コミュを見て賛否両論に意見が割れているみたいな記事を見たのですが、私の読む限りだと割れる要素ってほとんど無いと思っています。大体の人が言いたいことが「ノクチルって自分たちの都合で番組ダメにして最悪じゃない?そもそもアイドルやる理由ってある?透についてきただけでしょ?」だと思います。(何件か見かけたものを挙げただけですので、違っていたらすみません。)

それについて説明すると、まさしくこのセリフでプロデューサーが言いたいことなんですよね。「そういうこと含めて考えてほしいんだ」で、現状では良くないということをプロデューサーが直接ノクチル4人に突き付けています。「そういうこと」の中に、理不尽に対して反撃して番組をぶっ潰したこと、何となく目的はないけど一緒にいたいからアイドルやってますな姿勢なこと、周りからどう思われるか考えて行動する必要があること、恵まれた環境でいつでも歓迎された状態でアイドルができるわけではないこと、本当にやりたくないなら辞めてもいいこと、プロデューサーはみんなの気持ちに沿った仕事をとってくることここは超重要。プロデューサーは初回は自分の良かれと思って取った仕事が原因で結果的に問題になりました。だから強く責められません。プロデューサーも失敗することがあってアイドルと一緒に成長していくのです。ただ、プロデューサーはいつでもアイドルの味方の立場になって考えています。)が含まれています。私の解釈で付け加えたのもありますが、根本的な話はプロデューサーはこの「そういうこと含めて考えてほしいんだ」でアイドルを叱っています。これは自分でも解釈があってるかわからないくらい、難しい解釈です。(人によってそうとしか読めなかったり、逆にその意味では読めない人がいると思います。)
解釈が正しい前提で書くと、まずこのセリフの後にプロデューサーは「ごめんな。でも大事なことだと思っている」と謝罪しています。透&円香は「………」と黙ってしまっています。シャニPという人は真面目な場面では基本的にアイドルを叱ることはありません。ただし、叱られて喜ぶ摩美々のような場合は叱ります。おそらく、このイベントコミュ内でプロデューサーが叱ったのはここが最初で最後です。しかも、「お前ら自分のやったこと反省しとけやコラ」と叱ればわかりやすいのですが、「そういうこと含めて考えてほしいんだ」と言ってます。「自分たちのやったこと」⇒「そういうこと」、「反省」⇒「考える」という聖人すぎるシャニPのオブラートの包み方によって、あたかも、流し読み程度では、「ノクチルは好き放題やって楽しそうにしてお咎めなしかよ」といった誤解を生んでしまいます。このあたりが賛否両論と言われる原因なのではないかと思います。わからないですが。

「そういうこと含めて考えてほしいんだ」に続くパートについて、これは一見すると「ノクチルが海の仕事を受けるか否か」だけの会話に見えるのですが、単にそれだけの意味ではありません。それはシャニPが「そういうこと含めて考えてほしいんだ」と言って、今までの課題全てをぶつけてアイドルに考えさせている状況ですので、ここで「大した仕事でない海の営業を受ける」事は、「アイドルを続ける」事を意味しています。逆にこの仕事を断ることは「アイドルを辞める」事を意味しています。
シャニPは「嫌なら別の仕事をとってくる」と言っていますが、散々苦労してとって来た仕事が、海の営業ですのでおそらく今後、これと同じランクの仕事はもらえても、もっと条件の良いランクの仕事はほぼ回ってこないと考えた方がいいでしょう。当事者のノクチルもそれは薄々感づいています。少なくとも物事に害が無いかに敏感な円香は、これを断ったら次は無い事に気付いているはずです。第4話:視界2では「なんのためでもない練習に戻った」という会話を円香と小糸でしています。プロデューサーが仕事を取れないことに加えて、アイドル本人も「仕事もないのに何のためにこんな練習するんだろう?」とやる気が持たずに辞めることになるのは時間の問題です。
話を戻すと、「そういうこと含めて考えてほしいんだ」の後のノクチルの会話は全て「今後、アイドルを続けるかどうか?」の会話に置き換えて読むことができます。例えば、雛菜の「じゃあ3人で出るのか~」は「3人でアイドルを続けるのか~」と読み替えられ、小糸の「みんなで…出たいな」は「みんなで…アイドルを続けたいな」と読み替えることができます。
ここで、「辞めるっていうのは極端すぎじゃない?そんな話でてきてないよ。」と思う人がいるかと思いますので一応解説すると、「ひとつ前のセリフ」として(10)の最初に張った画像でプロデューサーが「やっぱり辞めたい、って思うのでもいい」と、辞める可能性についても言及しています。他にも、「ずっと一緒にいられる……ステージに出なくたって」と円香が発言していますが、これは「アイドルやらなくたって一緒にいることはできる」という意味に変換できます。似たような描写は第2話:視界1にもあり、以下の会話で小糸の「ここずっと行ったら、うみなの!?」という質問に対して、円香は「ちがうよ、ずっと行ったら、まちとか、工場になるもん」と答えています。

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ここでは、(1)で出てきた「海」=「未知の世界」=「芸能界」という暗喩が使われています。「ずっと行く」=「将来の進路」の意味で、円香の言う「町・工場」は一般の会社のOL等を指します。
つまり、小糸は「透が将来は芸能界へ行くと言っていた。」と言っており、円香は「違うよ、将来は一般のOLになるんだよ。」と言っていると変換できます。

ですので、ここでは「海に行かない」=「芸能界へ行かない」=「アイドルを辞める」という例えが成り立ちます。

さらに、4人が海に行く理由を見ることで、芸能界へ行く理由も読み取ることができます。

ノクチルがアイドルを目指す(芸能界へ行く)理由

雛菜「は~い!雛菜は行きたい~~~!」
 ⇒「行きたいから
小糸「みんなで…出たいな」
 ⇒「みんなと一緒にいたいから
透「ふふっわかんないや」「めっちゃ楽しそう」
 ⇒「わからないけど楽しそうだから
円香「いいんじゃない?なくても」
 ⇒「理由はなくてもいいから行く
※円香については、趣味・特技もないことに関係していそう。(やはり脱退フラグ?)

結局のところノクチルがアイドルを目指す理由ってないんですよね。
ただこのコミュを通じて振り返りというか、自問自答した(させた)ことに意味があるんだと思います。自分がなぜアイドルの道へ進むかを考えた上で、海に行くことで、初めてアイドルの自覚がある状態で仕事ができています。イベントコミュの落ちとしては、「観客はプロデューサーしかいないけど、自分の意思で芸能界という海を泳いでいくぞ」的な終わり方なのだと思います。

特に話のオチは無いので最後に曲紹介をさせてください。
シャニマスと同じアイドルマスターシリーズのミリオンライブから、七尾百合子の歌う「透明なプロローグ」です。

この曲を聞いてもらえばわかるのですが、今回のイベントコミュ「天塵」のイメージにぴったりの曲です。まず「透明」はノクチルのキーワードですし、序章を意味する「プロローグ」も今回EDで新たなスタートを切った部分で当てはまっています。歌詞についても、「描いてたのと違うかな…でも これはわたしのストーリー」だったり、「なりたいわたしへと」がかなり今回のイベントに当てはまる部分だと思います。小糸のW.I.N.G.編のオーディション時にプロデューサーが「これから見つけていけばいい」と言っている通り、何になりたいかは今後のコミュで触れられると思います。あるいは、今回の結論のまま「何かになる必要はない」で突き通すのかもしれません。

一言で言うと、「天塵」コミュは『アイドルとしてのノクチルがこれから起こしていくストーリーの「透明なプロローグ」』だったんだと思います。

(よし、楽しく話せたな)

※この文書は1日で書いたので誤字・脱字・不自然な文等あるかもしれませんがご了承ください。

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