記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

エリオス第2部1章『Let Go』実装(エリオスR メイン2部1章感想)

こんばんは、お久しぶりです。
サボっていたわけじゃなくて実は怪我で入院してました。軽い事故なんですけどね……年明け早々わたしは厄に見舞われましたが、皆さまいかがお過ごしでしたでしょうか。

お陰様で暇な時間が出来たのでぼんやりと復刻イベを適当にやりつつ、最近始めた雀魂でやっとランク雀士☆2になりましたね。その間にも一応メイン2部1章のことは考えておりました。正直なところ感想も考察も全く纏まっていないのですが、書き出せば纏まるだろと見切り発車で書きだします。

今回はいきなりネタバレ全開となりますので未読の方はお気を付けください~。あ、1.5周年CPとかは別記事ちゃんと近々あげますのでご安心くださーい!退院したからもう元気なんで!

もう終わっちゃいましたけど、ペアヒーローやCP記事はこちらに纏めてありまーす。







ヴィクター・ヴァレンタインの傷

今回はヴィクターとジェイに焦点を当てたお話となりますので、それぞれのヒーローをまず掘り下げて行こうかなと思います。薬の話から始めると纏まらなさそうですからね!

オズワルド『【HELIOS】研究部のラボへようこそ、ヴィクター・ヴァレンタインくん』

13歳という若さで【HELIOS】研究部の見習い研究員になったヴィクター。オズワルド博士のお声が宮本充さんということで個人的に大喜びをずっとしていた部分ではありますが、このオズワルド博士の存在というものがヴィクターにとっては礎――もはや人生そのものと言っても良いほどの大きな存在でした。ヴィクターが13歳ということでこれは今から18年前のお話ですね。サブスタンスが飛来してからまだ30年余、ヒーローは7期のジェイが入所したばかりでまだまだ実用段階に入ったレベルのお話だったと推測できます。

13歳のヴィクターは有名な工科大学を飛び級で卒業しており、今後の進路を決める段階でオズワルド博士からスカウトを受ける形でエリオスのラボへと来ました。つまりはあのオズワルドに目を掛けられるほどの天才児であり言い換えれば寵児だったということです。そんなヴィクターは【サブスタンス】と特殊相対性理論という凡人にはなんのこっちゃという内容の論文をまとめ上げ、そして学会でトラウマと呼べるレベルの手酷い目に遭った。

穴だらけの研究を片っ端から指摘され、こき下ろされ、研究者としての尊厳まで傷つけられて。彼はラボに帰ってきて、知らずのうちに泣いていた。ジェイに見られたことは覚えていたようですから、呆然のうちにというよりは記憶から消したかったというのが正しいのでしょうが、本人の弁曰くそれがヴィクターが最後に涙した記憶です。

ノヴァと同レベルの頭脳の持ち主でオズワルドの寵児とは言え、片やサマーフィールドの名を持つものと、持たざるもの。それによる周りの大人からの羨望と嫉妬が幼いヴィクターの矜持を傷つけました。その経験があったからこそ、オズワルド博士がどれだけ偉大なものであるのか、その存在が呪いのようにヴィクターに根付いてしまったというのは想像に難くありません。
そう考えれば、直系の子供であるノヴァにとってのオズワルド博士の存在と、ヴィクターにとってのオズワルド博士の存在が全く違うのは納得せざるを得ませんね。

サマーフィールドの名を持つ限り、その名を貶めようとする研究者はきっと当時は居なかったでしょうから。実際、ノヴァは周りの大人と対等に会話をしていたとヴィクターは認識しており、その理由をノヴァはオズワルドの息子だからじゃないかと結論づけていましたので。

そんな幼少期を過ごしたヴィクターは、オズワルドの死後にその研究を受け継いだ。オズワルドが完成させられなかった禁忌の研究を完成させればオズワルドに少しでも近づける。それはサブスタンス分野の研究者として認められることに他ならない。そうして彼は結果的に研究の完成を優先し、人道を踏み外すことを選んでしまった。レンやグレイ、その他の人間を実験台にするという方法で。

ヴィクター『どうしてこんなことになったのでしょう? いつ、どこで私は間違ってしまったのか……』

それが第2部1章で描かれたヴィクター・ヴァレンタインの背景だとわたしは解釈をしています。ヴィクターがなぜ道を踏み外したのか、わたし自身の好みで言えばヴィクターという人間の本質であってほしかった気もしますが「エリオスRに闇は無い」のです。スタッフがそう公言しているのです。ですから、満を持してヴィクターが道を踏み外した理由が明示された。

どうしてこんなことになってしまったのか。ヴィクター本来の人間性というものが歪められてしまったのは「研究者」であったが故でしょうし、その才能故であったのでしょうし、幼い子供の無謀な自信故であったのだとも思います。矜持ごと心がボロボロに傷ついてしまった子供に対して周りがどんなフォローをしたのかその辺は想像するしかできませんが、きっと周りがどんなフォローをしようとヴィクターの心は18年前からずっと傷ついたままだったのでしょう。

それが誰かを傷つけていい理由にはなりませんが、寄り添われ赦されるだけの理由にはなるのかもしれません。

グレイ『ヴィクターさんがどう思っていようと、僕がたくさんのものを頂いたのは事実なので……』
グレイ『少しでも、僕もヴィクターさんにお返しできていたなら……嬉しいです……』

グレイのように、ヴィクターのお陰で確かに夢を掴み救われた子がいるというのもまた事実です。

ヴィクターが道を踏み外したのは学会のトラウマに起因した自己肯定感の低さが理由であるとわたしは思いますので、このグレイの言葉は確実にヴィクターの心を救い上げる一端を担ったと思います。赦されることの方が辛いという事は多々ありますよね。


殺し続けた心

ノヴァ『あれを完成させるために、これまでなりふり構わず振る舞ってきたのなら……今さらそんな態度はやめてくれ!』
ノヴァ『絶対に、失敗だったなんて言わないでくれ……!』

ノヴァが指摘したヴィクターの中にある矛盾。それはどんなに外道の振る舞いをしてもヴィクターの中にある心はそれを良しとしていない――つまりヴィクター自身が自分を認められていない、ということです。具体的にその指摘をしたのはジェイですが、彼の言う通りに感情のない人間など居ません。
どんなに無感情を装っても、どんなに自分を戒めて非道な行為に走っても、自分の心が向いている方向と逆のことをすれば心はどんどん傷ついていきます。

ジェイ『目的を成し遂げるためならどんなこともやってのける……。他人を傷つけようと、自分が傷つこうと、どうだって良いという風を装っているが』
ジェイ『俺には、そう言って自分を戒めているように見えて仕方ない。それも、かなり必死にな』
ジェイ『「感情なんてない」、そう口にして自分を戒めなければ、崩れ落ちてしまいそうな何かがあるんだろう?』

オズワルドの研究を完成させるために選び取った非道な手段。それに対して後悔をする権利など、自分にはない。ふとした夜に自分の傷ついた心を認識してしまえば、きっとヴィクターは前に進むことすらできなかったんでしょう。そんな夜を幾度も過ごして、自分の心が痛みに苦しんでいることにも気がついた上で自分の心を殺して言い聞かせてきた。研究が完成するまでどうか折れてくれるな、と。

それはノヴァにも言われたことです。レンやグレイ、マリオンまでも巻き込んで完成させようとしたその研究を失敗などと思わないでくれ、と。研究者として、そしてマリオンの保護者として、ヴィクターの親友として揺れ動いたノヴァの心からの本音です。大なり小なり犠牲を出して、そうしてやっと完成した研究をヴィクター自身が成果として認められなければ何の意味も無い。完成した研究ごと自分を認めてあげて、そうしてまた新しい目標を見つけて欲しい。生き甲斐を見つけて欲しい。今度は研究者としてだけではなく「ヒーロー」としても。

18年間傷つけ続けた心を掬いあげるのも修復するのも容易ではありません。傷ついた心の周りには頑丈な殻が幾重にも重なって、13歳の頃からずっとボロボロになったヴィクターの矜持を守ってきたんですから。その殻を破って暗闇に堕ちそうになっても這い上がり前を見て、新たな道を見つけ踏み出す。

それは言葉で言うよりもずっとずっと難解で険しく辛い道だと思います。だからこそヴィクターにとっての贖罪になり得て、次の生きるための道しるべにもなる。オズワルドという自分で課した呪いの楔を断ち切ること、それがヴィクター・ヴァレンタインの人生の新たな第一歩です。


ジェイ・キッドマンの諦観

ジェイ『実戦で通用しないどころか足を引っ張ることを考えれば、引退も検討せざるを得ない状況だろうな』

ジェイ・キッドマンは誰よりもヒーローの素質を持った男でした。ヒーローになる前から常人よりも強い力と正義感を持っていたこと。その強さゆえに今まで誰も適合者が居なかったという「ロードオブミリオン」に選ばれたということ。全てにおいて、ジェイ・キッドマンは規格外のヒーローの素質を持っているスーパーヒーローです。

そんなジェイが不調を感じ、引退すらも考えているということがどれだけ【HELIOS】に影響を及ぼすのか。ジェイは自身はその影響力の強さにちゃんと気付いていなかった節が見受けられますが、自分が引退しても後続がそれによって成長し、【HELIOS】にとってもプラスになるという理想的すぎる暴論によって自分を納得させているようでした。ヴィクター同様、彼もまた心の中に矛盾と呼べるものを抱えていたのです。

ジェイ『確かに俺が引退となればそりゃ一時は騒がしくなるだろう。だが、穴があけば、残された者たちが自然とそれを埋めようとする』
ジェイ『むしろ、嫌でもチームワークを意識するだろうし……。そう考えてみれば、後進たちにとっても、【HELIOS】という組織にとってもプラスになるに違いない』
ヴィクター『『違いない』……。やはりそう言い切れる根拠が、よく理解できません』

ジェイの言う事は理想論に偏っているので現実主義のヴィクターとは良い意味で相容れない。

ヴィクターの作った薬に関しての対立もそうですが、感情を優先すべきところ、損得を優先すべきところ、人間にはそれぞれの価値観があって勿論一重に括れることではありません。だから理解できずとも譲れぬものがあるというのは分かって欲しい、とジェイは言っていました。お薬に関してのジェイのスタンスはわたしも理解できますし、それは良いとは思っていたのですが、それとジェイの引退に関しては別問題では?と思ってしまい……。

ヴィクターも似たようなことを言っていたのでやはりわたしは外道というか思考は現実主義に近いのかなあとぼんやり思ってしまいましたけども。

ヴィクター『今の発言をひとつひとつ、理屈で潰していって差し上げましょうか?』
ジェイ『い、良い。必要ない……。自分でも、理想を掲げすぎたと思う節はあるし、今のは希望的観測だったと話ながら思うこともある』

自覚があるようで何よりでございました。どうしても王道の理想論には希望的観測が多分に含まれるものですから、現実的に考えてアッシュの反応を見りゃ影響の大きさは分かるだろとしか言えないのですが、ジェイもジェイで自分を納得させるための詭弁であることも分かっているような分かっていないようなといった感じでしたので、この2人は良い意味で対照的だったんだなと思いますね。

ジェイは良くも悪くも古株のヒーローとして【HELIOS】内では大きな力を持っているようですので、そのジェイに対して忌憚なく自分の意見を述べられるヴィクターの存在が無ければ今回のジェイの不調問題はガチで加齢による引退になっていた可能性があったと思います。勿論メタ的にそんなことには絶対なりませんが、彼らの物語の可能性としては多分にあった。勿論それはヴィクターの進退にも関わることですが、この2人は互いの存在が無ければヒーローという立場を手放していた可能性が高い、という点が今回のストーリーの焦点であるのかなと思います。


心への言い訳

ノヴァからヴィクターをどうか導いて欲しいと頼まれたジェイは、もう18年もの付き合いになるというのにヴィクターとゆっくり話をしたことが無かったと気づきます。そこで、ヴィクターを連れてやってきたのが(わたしの中で)物議を醸した件の水族館です。

ジェイ『来た回数はそんなに多くないが、息子と一緒に来たこともある思い出深い場所だ』
ヴィクター『そんな場所へ、なぜ私と……』

ほんまにな!自由にトリッキーにじゃないんですよ、それを見せつけられている司令のことも考えてよ!!別に良いですけどね!!

そんなわたし司令の動揺はさておき、ジェイはきっと自分のテリトリーで会話がしたかったのだろうと思います。ヴィクターはまともに会話しても一筋縄でいく相手じゃないですから、無意識だろうが意識的だろうが相手の意を突くことは大事です。自分のテリトリーに相手を引きずり込むことでそれを為したジェイは流石というべきと感じましたが、自分のテリトリーは同様に自分の気が多少なりとも緩む場所でもあります。

ジェイ『前も後ろもわからない暗闇に放り出されたとしても、歩いていく道が必要だ』
ジェイ『この先も生きていくかぎり……ひとつ見失ったとしても、また新しい道が必要なんだ』

このジェイの言葉は、本当にヴィクターだけに向けられたものだったのか。それをヴィクターに考えさせるだけの騒動がこの後に起きます。ジェイに何かを尋ねたくて訪れたシンを警戒し、まだ何もしていないシンの言葉を聞かずに市民を避難させ警戒態勢を取った。

ヒーローとしては全く間違ったことではありませんが、結果としてジェイはコントロールを失った力で大水槽のガラスを割り、市民を危険に晒したと思い落ち込んでしまいました。

ヴィクター『私も、あんな姿は初めて見たかも知れません。離婚した際も落ち込んでいましたが、そのときとは様子が違います』
ブラッド『あのときは、本人も覚悟していたというか……。仕事と家庭を天秤にかけ、『ヒーロー』であることを選んだ』
ブラッド『だが今は、その時選び取った立場そのものが危ぶまれている』

家庭と天秤にかけて選び取ったヒーローを、ジェイは今手放そうとしている。少なくともジェイの心はそちらへと向かっていて、それがジェイの心を苦しめ暗い穴の底へと落ちていく感覚を味わっているのかもしれない。自分の進む道を見失って自分と同じように立ち止まってしまっているのかもしれない。少なくともヴィクターにそう思わせるだけの落ち込みようだった。

本当に新しい道が必要なのはどちらだったのか。勿論答えは『二人とも』なのですが、もしかしたらジェイは自分に出来る最後の仕事としてヴィクターを導こうとしたのかもしれませんね。自分が引退すれば後進が育つと自分の心に言い聞かせて、本当は手放したくないものを手放さなければならないと諦めて。

昔は泣き虫だったジェイ。13歳のヴィクターの前で状況的に無理があるイメトレで涙を見せて心を痛めていた。そんな純粋なまでにヒーローを目指し、ヒーローになった男が加齢だ限界だとヴィクターに言わせれば根拠のない理由でそれを手放そうとしているのです。それが自分の心に対する言い訳以外の何だと言うのでしょう。

19歳のジェイ『俺は昔からずっと『ヒーロー』一直線で突き進んできた分、絶対に活躍しなければならないし、絶対に街の人たちの役に立たなければならないんだ』
13歳のヴィクター『言ってみれば、貴方とよく似ているかもしれませんね。貴方は『ヒーロー』になる道、私は研究者になる道を、真っ直ぐ歩いているのです』

昔から力も正義感も強く、周りから浮いてしまっていたというジェイに『強く生まれたなら弱い人を守りなさい』とジェイのご両親は言いました。それ以来、ヒーローになって人を守ることだけを考えて来たとジェイはヴィクターに語っていた。それは研究者になることを夢見て入所したヴィクターと同じ。この2人は進む道は違えど、性格は正反対と言っても過言でなくとも、昔から愚直にまっすぐな似た者同士だった。

そして今は同じ「ヒーロー」として同じ道を歩む同士です。ジェイがヴィクターの心の傷に気付いたならば、ジェイの心の言い訳に気付いたのがヴィクターだったのも必然だったのかもしれません。

ヴィクター『(そうでした……。貴方の考え方は、既に知っていましたね)』

その昔からのジェイの想いが、ヴィクターの心にまた火をつけた。ジェイがヒーローの立場を手放すならば、それ相応の根拠と動機を。それがないのであれば、原因を探って解決するのみだと。



親友

奮起したヴィクターは、旧研究所――現エリオスミュージアムへと足を運び、ノヴァを呼び出しました。あらゆる資料も文献も読んだがジェイの不調の解決には至らない。力を貸して欲しいというヴィクターに、ノヴァはヴィクターと自分の2人が揃って解決できないことなど無いと言った。再起しつつある親友の姿に嬉しくなったのでしょう。

エリオスミュージアムに展示してあるロードオブミリオンは、連鎖的に起こる災害に苦戦しつつもようやく回収され、その力の特異さからも長年適合者が現れなかったサブスタンスです。その特異な呼応作用を持ったサブスタンスが他に無かったか、ジェイが不調を訴えだした近々で回収され、ノヴァが手を焼いていたサブスタンスは無かったか――。

ノヴァ『【ロードオブミリオン】はそういった呼応作用以外に、回収に苦労した点、適合者がなかなか現れなかった点が特徴として挙げられる』
ノヴァ『他にそんな【サブスタンス】はなかったか……?ちょうどジェイさんが不調を訴え出した時期、回収された個体がなかったか!?』

まさか8章でビリーがイクリプスから持ち逃げしてきたサブスタンスがロードオブミリオンにマイナスの作用をピンポイントで齎すサブスタンスだったとはなんともご都合サブスタンスではありますが、仮説が生まれたならあとは実証するのみです。

早くラボに戻ろうというヴィクターに対してノヴァは、あの時感情を露にしてヴィクターを責めてしまったことを謝ります。

ノヴァ『こんなときに何だけど……この間は、ごめんね』
ヴィクター『……いいえ、貴方の言うことは全て的を射ていました』

オズワルドが亡くなって以来、感情の無い人間を演じてきたと言うヴィクター。涙すら流せないほどオズワルドの死を悲しんで、その研究を引き継ごうと幼いながらに心に決めた。そしてそう決めたならどんな倫理に反することでも受け入れなければならず、心を殺すことを選んだ。

ヴィクター『自分からその道を歩むと決めたはずなのに、実際、茨の道を裸足で歩くのは痛くて痛くて仕方ありませんでした』
ヴィクター『胸が痛んだり、罪悪感に押し潰されそうになりましたが、それを口にするわけにはいかない……。それを許さない、確たる意志やプライドがあったのです』

ヴィクターが引き継いだオズワルドの実験というものがどれだけ倫理を逸脱したものであったのかというのは試験管ベイビーであるマリオンの存在で分かると思いますし、4章でも明らかになっている部分です。薬が認可されるためには人を使った治験が何度も必要なように、やはり研究というのは理想論だけでは成り立たないのでしょう。一般人にはきっと理解できない大変な事も倫理観もたくさんある。

それでもその研究が【HELIOS】のヒーローの為になると信じて、ヴィクターは一人で全てを抱え込んで非道な人間を演じていた。本当はとても単純で明快な感情を持つたった一人の人間でしかなかったのに。

ノヴァ『これから先どうすればいいかは、ゆっくり考えていこう。おれも一緒に考えるからさ』
ノヴァ『ジェイさんの件と同じく、おれとヴィクのふたりなら解決できないことなんてない! ……多分ね♪』

ヴィクターが研究所に来てから、ヴィクターの変化をずっと見ていたというノヴァ。確かにヴィクターは万能型の天才だったけれど、できないことも知らないこともそれなりにあったし、何よりもラボに来てから感情表現がどんどん豊かになっていたのが印象的だったと語っていました。そんなノヴァも、オズワルドの死後、ヴィクターの心中の変化に気づけなかったことを後悔もしたのでしょう。だから一緒にこれからどうすれば良いか考えようと、寄り添ってくれた。

オズワルドの死にシオンの死、それをマリオンやジャクリーン、ジャックの存在と、明言はされてませんけど親友のヴィクターが居たからこそ乗り越えたノヴァだから。唯一無二の親友の力になると笑顔で言えたのでしょう。
今回のEDスチルが全てを物語っているとわたしは思います。

彼らは紛れもなく親友です。どちらが上だとか下だとか、そんなものは無い。足りないところを補い合って18年一緒に研究に勤しんできた戦友で、そしてやっぱりかけがえのない親友なんですよ。わたしの涙腺がまた限界を迎えてきました。



2人のヒーロー

街中でヒーローを物色していたシンは、やはり何か【HELIOS】のヒーローに聞きたいことがある様子。それは恐らく10章で見かけた「アイツ」のことなのではないかと推測しますが、それがなぜ【HELIOS】と関係があるのかは今はまだ分からない。今後明らかになることなんだと思いますので、やはり2部はシンにも焦点が当たるようですね。

そんなシンはモブイクリプスを使ってイーストのヒーロー達をおびき寄せ、神経毒を散布しアッシュを嬲りながら何かを聞き出そうとします。

シン『汚ねぇ地べたに這いつくばって……ヒャハハッ、無様だなァ!?』
グレイ『アッシュ……!』

ここ、グレイがアッシュの名前を呼ぶのが個人的エモポイントなので貼っておきますけれど。シンを相手に神経毒を喰らってしまったアッシュを助けに現れたのは、もちろん【HELIOS】が誇るスーパーヒーローでした。

ジェイ『無事か、アッシュ!』
アッシュ『…………』

ついホッとしちゃったんだよねアッシュ。分かるよ、分かる。仲間のピンチに駆けつけるのがスーパーヒーロー。みんな心のどこかでスーパーヒーローであるジェイを拠り所にして、そうして目標とや心の支えにして頑張っている。だからイーストはみんな必死でジェイの不在に奮い立ってたんじゃないですか。きっとその存在の大きさは一番アッシュが感じていたはず。だからこそ、アッシュは研究部までジェイを引きずってきたんです。

ジェイ、それだけ貴方はヒーロー達にとって大きな存在なんだよ、って。

シン『おい、なんで毒が効かねぇんだ? 少しでも吸い込めば、一瞬でソイツみたいに立てなくなるはずなのに……』
ヴィクター『学習しない方ですね』

わたし初見でここ見た時、「かっけー!!!!」って思わず叫びましたね。ちょっと省いちゃったんですけど、水族館でヴィクターがシンの毒を無効化する解毒剤を散布した時にもかっけー!!!って思っちゃったんですよ。

エクスペリメントってあらゆる化学反応を起こせるサブスタンスなんで、化学の知識があればあるほど『ほぼ無限に近い』ほど活用範囲があるサブスタンスなんですよね。逆に言えばわたしのように化学……('ω')?ってなるような人には全く使いこなせないサブスタンスなわけでして。無限ではありませんし万能でもありませんとヴィクターには言われそうですが、ここまでヴィクターにピッタリのサブスタンスもよくあったものだとわたしは思いますので、憶測ですがきっとエクスペリメントが発見されたからこそヴィクターは適合者になることを選んだのかなと思いました。

ジェイ『毒を消してくれて感謝するぞ、ヴィクター』
ヴィクター『いいえ、お安い御用です』
アッシュ『何なんだよ、テメェら……』

このアッシュのツッコミ好きですね。そりゃあれだけ対立してた2人が力を合わせるのはもちろんのこと、友好的になってるんですもん。何なんだよってなりますよ。これが水族館に一緒に行った結果だと知ったらアッシュがどんな顔するか見物だよなあとわたしは思ってしまい。

対立してた2人の共闘ってやっぱり展開として最高に熱くないですか?9章も良かったのってそういうところなんですけど、レンとアキラの今までの関係性からの共闘みたいな。だってジェイもヴィクターも18年の付き合いなんですから昔馴染みと言っても過言ではない訳でして、そんな2人が対立に対立を繰り返してからの共闘ですもん……。なんでこの後半実装してからペアヒーロー実装しなかったの??


完全復活

グレイ『ジェイさん……もう不調は治ったんですか? 完全復活って、そういうことでいいんですよね……?』
ジェイ『ああ、そうだ。不調の原因は根本からごっそり排除した。……そうだよな、ヴィクター?』

結局ジェイの不調はノヴァとヴィクターの仮説通り、8章で回収されたサブスタンスの能力によるものでした。セルを9つも使って閉じ込めてある的なことをヴィクターが言ってましたので、マジでロードオブミリオンに対する呼応作用が強いのだなあということのようですけども。ここら辺はまあ設定のお話なので割愛させて頂ければと思うんですが、とどのつまりはスーパーヒーロー完全復活です。気持ちの面でも滞りが解消したとのことで、不調になる前よりも調子が良いとのジェイ談。

ジェイ『お陰さまで、俺は完全復活を遂げることができた。老いが原因だなんて決めつけていた自分が情けない……』
アッシュ『チッ、言われなくてもそのつもりだったよ……。一度弱腰になった奴に、やっぱり気が変わったとか言われたところで、そう簡単に返すわけねぇだろ』

イーストはこれからもアッシュ主導のもと、ジェイがサポートという体制で行く模様。ジェイの不調からの体制変更を聞いた当初は卒倒しそうだったグレイですが、ジェイが居ない状態でも何とかやれていたのでなんだかんだアッシュはちゃんとメンターとしてルーキー2人を育てて指導していたんですね。そのあたりはカートゥーンイベでも描かれてましたかね。あのイベントは時系列が第2部1章の後なのか先なのか微妙なところではありますが。


復帰

ジェイが完全復活できたのはノヴァの協力もありましたが、何よりもヴィクターがその問題解決を諦めなかったからです。そして今回起こった様々な騒動を経て、ヴィクターとジェイは互いの考え方を出会った当初の原点に立ち返って思い出しました。

ヴィクターが純粋なまでに真っ直ぐな研究者で、ちゃんと感情を持つ人間であったこと。ジェイがその生まれ持った強さ故に市民を守るという使命とも言える信念のもと、家庭よりもヒーローとして生きることを選んだ人間であったこと。

ヴィクター『……お礼、ですか?』
ジェイ『ああ。こうして無事、完全復活を遂げることが出来たのは間違いなくヴィクター、お前のお陰だ』
ヴィクター『…………。私は、お礼を言われるような立場ではありませんよ』

ヴィクターの自己肯定観の本当になんと低い事か……。呪いのようなこの思考を取り除くにはまだまだ時間が当分かかることのような気はしますが、ヴィクターとジェイの折り合い、そしてヴィクターがグレイを筆頭にマリオンとレン、そしてノヴァにもちゃんと謝罪したということ。

非道なことをしても結局のところは当人同士の問題ですから、そこら辺はもはや本人達の間で解決したならエリオスのストーリー構築としては今さらすぎて、ユーザー目線では言うことも特にありません。
今回に限って言えばジェイとヴィクターの相互作用、そしてノヴァの感情の発露があってこその円満解決だったという印象ですので純粋に第2部1章だけを切り取って見れば結構個人的には満足の行く内容だったんですよね。

そうしてヴィクターは『オーバーフロウ』の特効薬を作ったという功績が認められ、ヒーローとしても研究者としての立場も戻って来ました。

マリオン『【オーバーフロウ】の特効薬を完成させた功績が認められ、【HELIOS】の研究者としての立場や権利がこれまでどおり戻ってきた』
マリオン『それから、『ヒーロー』としての立場も……』
ヴィクター『まず第一に、『ヒーロー』としての職務を最優先すること。その条件を満たした上で、研究者としての職務に携わることができる』
マリオン『ボクに言わせれば、それを提案したのがジェイだということの方が予想外だった』

復帰はしたものの今まで通りではない。そこにはジェイの口添えがあって、ヒーローの職務を最優先した上で研究者としての職務に携わること。そしてヴィクターもまた薬の使用を強要しないという誓いを立ててこの件は落着しました。ジェイがなぜそんな口添えをしたのか、ヴィクターは理解できないと言いかけて、やめました。

もう他人の感情が分からないフリなどしなくていい。ジェイがヴィクターを赦し、そうして新しい道を与えるためにそのような提案をしたのだということをヴィクターも受け入れたのです。心の殻を破って、本当の自分の感情を曝け出していくことを選んだ。マリオンには終始気持ちワルイと言われていましたが、本来のヴィクターは思慮深く思いやりのある人間だったのでしょう。

生まれた時から今までのヴィクターしか知らないマリオンにしてみればそれこそ18年の付き合いになる人間の本当の姿を見た訳ですから気持ちワルイのも当然の話ですね。それでもヴィクターの研究や人間性を否定するわけでもなく、自分の血統には誇りがあるし、ガストに教えて貰った感情のコントロールによって血が沸き立つ現象も頻度が減っているから薬は使わないのだと断言した。

そんなマリオンの成長を見て、ヴィクターは素直に喜んだ。これは確かにユーザーから見てもちょっと気持ちワルイ。けどマリオンの成長もヴィクターの成長も、喜ばしいことであるのに変わりも無いですね。

ヴィクター『……ふふ、あれほど人から物を教わるのを嫌がっていたのに。なかなかの変化……いいえ、こういうのを成長と呼ぶべきなのでしょう』
マリオン『っ……、何なんだよ……。今日のオマエ、いつにも増して気持ちワルイぞ』

司令部から復帰のための誓約の1つとして言いつけられたヴィクターのサブスタンス講習に自分も出て良いか、と申し出るマリオン。この2人の関係値もまた、2人の成長によってちゃんと変わることができたのです。そう考えればノースもイーストと同じようにかなりじっくりと関係値の変化が描かれていたんだなとしみじみ思います。マリオンがここのところ出ずっぱりだったのも成長を描くためだったのでしょうし、マリオン推しの方は大変だったでしょうけれどノースは何とか落ち着くところに落ち着きそうで良かったな、と。

ここを書いている今現在ではノースのバレンタインイベも開催されていますね。まだ読んでいないので2年目なのかどうかも知らないのですけど。

そんなマリオンとヴィクターの会話の中、また割って入るちょっと空気の読めないおじさんが1人。

ジェイ『失礼するぞ、ヴィクター』
マリオン『!?』

イースト海賊イベの感想でも書きましたけど、ジェイってやっぱこういうところあるんですよ。タイミング悪いというか水差しおじさんというか。いや別に貶してるわけじゃなくて、それがジェイなんだよなあという純粋な気持ちしかわたしには無いんですけど、水差してるのは事実ですから擁護はできないんだよな!

ジェイ『これはヴィクターへの復帰祝いだ。まずは水槽と……あとで魚も持ってくる』
ジェイ『アクアリウム作りは面白い。ヴィクターは魚の知識も豊富だし、きっとセンスのあるものが作れると思うんだ』
ヴィクター「ちょ、ちょっと待ってください。こんなことを頼んだ覚えは……」

出たー!!アクアリウムおじさんだー!!って思わず叫んでしまった。すぐ自分の好きなもの勧めてくるんだからこの人。アッシュが口うるさく言う気持ちがわたしには分かる。でも憎めないのがズルいなあとも思う。

水槽はセクター部屋のリビングに置くのがオススメだというジェイに対し、ヴィクターがノース部屋に戻って来ないということを明かすマリオン。ヴィクターは自分が戻れば折角まとまりかけていたノース研修チームの空気が悪くなるのではないかと考え部屋に戻っていなかったようですね。ここまで来ると思慮深いとか通り越してただの臆病な小心者なのでは無いかとわたしは思ってしまいますが、それもまた曝け出されたヴィクターの本当の姿なんでしょう。いじましいな、この31歳。

マリオン『はぁ……そんなことを気にするタイプじゃなかっただろ? というか、何を気にしているんだ?』
マリオン『レンやガストも同じ考え……というか、オマエはまだ帰ってこないのかとボクに聞いてくる』

こんなに長い間チームとして一緒に居たはずなのに、互いのことを知らなかったから。ガストが10章で言った台詞はマリオンにもレンにもちゃんと届いて、互いを知る事がチームワークの向上に繋がるかもしれないという結論をマリオンに齎した。ガスト、ノース再起における君の功績はかなり大きい。さすがはみんなのブラザー。だけどいつかガストが抱える闇がどこかから噴き出してくるのをわたしは楽しみにしています。(性格がシンプルに悪い)

ジェイの週1でみんなで顔を合わせて食事をしているという話にも意外にも乗り気になったマリオンに対して、ヴィクターはかなり困惑していたようですが。19歳の少年の成長は、早い。男子三日会わざれば刮目してみよという言葉があるのです、今まで見て見ぬフリをしていたヴィクターにはそれこそ天地がひっくり返ったかのような衝撃だったでしょうが、それはマリオンにとってもお互い様ってことですね!

ジェイ『そうだそうだ、物は試し! 一度やってみて、違うと思ったら別の方法を試せば良い』
マリオン『そうか……。確かにそうだな』
ヴィクター『一体、何なのでしょうか。この流れは……』

これには水差しおじさんもたまにはグッジョブと言わざるを得ないなあ、と。本当にどこまでも憎めないスーパーヒーローですが、ヴィクターに対してはこれぐらい強引な方が多分良いのだと思います。

こうしてノースのわだかまりはまた1つ解消し、やっとチームとしてあるべき姿になろうとしています。今後のノースにまたどんな試練が立ちはだかるのか、わかりやすいところで言えばノヴァに説得されてもシンへの復讐をやめようとしなかったレンが居ますので、今後シンに焦点が当たる以上レンの心情にもまた焦点が当たる時が来ます。

その時、レンを支えるのは一体誰なのか。まだまだ楽しみは尽きないなあ、と純粋に思いました。



感想終わり

ということで第2部1章のあらすじとわたしの感想をまた長々と書かせて頂きましたけれども。わたし、先述しましたとおりこの第2部1章だけを切り取って見れば特に不満も無いんですよ。

ただやっぱり触れておかなきゃいけないのは、10章の最後のこの辺のメンター会議のやり取りから、どのような経緯を経て第2部1章のようにヴィクターの薬が使う使わないの話でまだ揉めてるのかというところに逆戻って行ったのかという部分ですかねえ……。10章読了時点では、アッシュ以外に異議を唱えていたメンターは少なくとも居なかったとわたしは解釈しています。

10章でのやり取り

アッシュ『おい、その特効薬とやらを使うことは決まりなのかよ?』
ブラッド『義務ではなく、希望者のみという形になるだろうが……。何か懸念があるのか、アッシュ』

第2部1章でのやり取り

アッシュ『あの薬の使い道は、結局どうなるんだ? 何度話し合っても、一向に結論が出る気配がねぇ』
オスカー『ブラッドさまから、何か聞いたというわけではないが……。わりとお前が話をややこしくしている部分があると思うぞ、アッシュ』
アッシュ『なんで俺なんだよ。俺は別に『使うな』とは言ってねぇし、使いたいって奴の意見も尊重してやってんだろ』
アッシュ『そんなモンに頼ったら、軟弱な『ヒーロー』だと見なされて当然だろ?そんで、その根性を叩き直すために、俺がボコりに行くっつーのも当然の流れだ』

この子はもう……。言ってることは間違ってないのに色々と物騒なんですよね。

というわけで、まあこちらで良いように解釈するとすれば「使用したい者は使用すればいい」というのが研修チームメンター達の意向で、それを良しとしないのが上層部ないし他のヒーロー達から声が上がっているということなんでしょうかね。最終的にアッシュのこの言のせいでまとまらないのだとオスカーは言ってましたけれども、そんな戯言ぐらいで纏まらない組織だとはさすが思えないので、まあ少なくともジェイに関しては薬を自分が使うということは絶対にしないけれどそれがオーバーフロウの特効薬として活用されるのであれば否定はしない、だがそれとヴィクターを赦すかどうかは別の話だというスタンスだったんでしょう。

一応個人的にはそれで納得はともかく理解はできました。もう少し分かりやすく状況を書いて欲しかったなあとは思いますが、限られたリソースの中でヴィクターとジェイにあれだけ焦点を当ててくれたのですから、10章感想でそれを望んでいたわたしが文句を言うのは筋違いってことになりますね。わたしの読解力が無いだけかもしれないし。

なのでこれ以上はもう何も言いませんが、第2部1章わたしは非常に良かったと思います。まあ少し残念なのはなぜ前半公開時点でペアヒーローを実装してしまったのかということなんですけども、たぶん後半がちょっと間に合わなかったのかな……ガチャの内容的に10章のように前後半分ける必要は無かったと感じますので、きっと色々な都合があったんでしょうけど。後半実装後にペアヒーローが実装されたらもっと盛り上がったでしょうに。

この絵面、改めて見るとめっちゃ熱いっての!!

ヴィクターの処遇に関しても内容に関しても賛否両論はもちろんあるとは思いますが、ほんとう個人的には望んでいた以上にジェイとヴィクターに焦点が当たっていて嬉しかったですね。ですのでヴィクターとジェイがまたひとつ新たな成長を見せたこと、ノースがチームとしてやっと再起したこと諸々とても良かったと思います。ヴィクターの本心があんなに憶病なものだったとは予想外も予想外でしたが。

ですが外道を振るまう人間には2種類居るとわたしは思ってまして、ひとつは生まれながらにして非道な振る舞いが出来るメンタルぶっ壊れ人間、もうひとつは臆病だからこそ非道な振る舞いをして自分の心を守ろうとするメンタル豆腐人間です。

これはどちらかといえば生き方というかメンタルの話なのでヴィクターに正確に当て嵌まるものではないですが、彼は自分の信念と目標のために心を殺すことを選んだ仮面外道でしたからまあ当てはまらないのも道理かな、と思って居たり。仮面外道はわたしの中では外道じゃないんですよね!それに最後まで貫き通せずに仮面外されちゃいましたしね。でもそれで良かったのだと思います。

心を殺し続けていたらいつかきっと、ヴィクターの存在価値がヴィクター自身の中で無価値になってしまっていたでしょうから。そうなっていたら、現実の人間ならどうなっていたか分からない。ですから完全に手遅れになる前に引っぺがされて良かったと思います。

というところで感想は終わりにさせて頂こうかなーと思います。皆さんは第2部1章、楽しめましたでしょうか?これからのエリオスに展望を見出せましたでしょうか。

わたしはこれぐらいの丁寧さでディノの帰還も描いてくれればよかったのにという気持ちをどうしても捨てきれません。(まだ引きずってる)



あと、この記事が記念すべきエリオスRマガジンの100本目となりました。
こんなぐだぐだした記事を読んでくださいまして、本当にありがとうございます。壁打ちのつもりで始めたことですが、皆さまの反応があってこそ、ここまで書いてこれたのだと本当に感謝しております。

これからもまだまだエリオスを応援していきたいという気持ちだけは十分ありますので、どうぞ宜しくお願い致します!




手放そうとしたものを手放さなくて済んだのは、互いの存在が在ったから。その絆も立場も、そして自分を取り巻く環境も。かけがえのないものだと再認識したのなら、もう心に嘘をつかずに済みますね。







書くの悩んだぐらいすごくくだらない余談なんですけど
「31歳と37歳の男性が一緒に水族館に行くのは実質デートじゃないんですか?」ってジェイと同い年ぐらいのおじさんに聞いたら「それはデートだね」って真顔で言ってました。あとこのスチル見せたらヴィクターのことを「美人だな……」って言ってたのでヴィクター・ヴァレンタインは罪作りだなって思いました。