客人の気持ちで

軽井沢に行った。
軽井沢駅の改札を出てすぐに広い空と自然がお出迎えしてくれた。「今日は良い旅になるぞ」と思った。
東京から新幹線で1時間ほどで行けてしまう距離だが、空気の透明度も、空の青さや静けさも何もかも違う。

何より植物の威力が違う。
普段、家の中に虫がいるとギョッとして追い払うが、むしろ私たちが「お邪魔している」という感じがした。けれども自然達は私たちを追い払ったりせず、すんなりと受け入れ、包み込んでくれた。
都心に住んでいると、元々自然と共に育って来たことを忘れがちだが、私達が自然から生まれたものということを改めて実感した。

私が今回の旅の荷物は、大きいショルダーバックに入れて来た様々だけでは無い。「今後の人生どうするか?」という大きな問いを東京から胸に抱えて来た。

湖のほとりで昼寝をする愛らしいカモ達や、大きい入道雲が流れる様子を眺めていると、私の悩みなんてほんの小さな、取るに足らないもののように感じてくる。

自然と共に過ごすうちに、少しずつ肩の荷が降りていくのを感じた。
東京に居ると感じられ

夕食は都内の海辺のレストランでとった。
夜の海辺の風は格別で、終電が無ければいつまでも居座ってしまいそうなくらい居心地が良かった。

軽井沢はやはり格別だったが、都内だって捨てたものじゃない。

旅行と言えば海外が最も価値があるものだと思っていたが、都内・国内と私がまだまだ知らない世界が広がっているような感じがした。
私はもっと旅をしていくべきだ。

一日中歩き回って重くなった脚と、少し軽くなった胸をベットに横たえて、その夜は泥のように眠った。

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