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32人目

【32人目】Hさん 20代、歳下(pairs)

13人目のTさん以降、歳下は1~2個までと決めていたのだが、たまにはそれより下の人とも会ってみようという思いでマッチングしたのがHさんだった。

カレーを食べに行くことになったのだが、「行きたいお店でいいですよ」と言ってくれたので、前からチェックしていたスープカレーのお店に行くことにした。

当日、待ち合わせで現れたのは、小柄で少年のような彼。ぱっちり二重で今どき風のかわいい顔をしている。

私が行きたかったお店だったので、半分エスコートする形で目的地へ向かうこととなった。

「なんでアプリ始めたの?」

若いしイケメンで友達もたくさんいる。出会いに困らなさそうなのに、と疑問だった。遊び目的かもしれない…。そんな疑いの心で問いかけた。

「長年付き合った彼女にフラれて」

表情が暗くなったのがすぐわかった。
聞くと、別れてまだほんの数週間といったところ。長かったならそんなにすぐには立ち直れないだろう。

続けて彼が言った。
「クリスマス、予定がなかったら出かけない?」

たしかにもうすぐクリスマスだった。街が恋人で溢れるこの時期に、彼女と別れてさびしくてアプリをやっているんだと悟った。

残念ながら私も予定はなかったのだけど、絶対に予定を入れたいわけでもなかったし、出会ってものの数十分ばかりのさみしさを埋めたいだけの若者に、20代後半の大事なクリスマスを捧げることはできなかった。

もう1軒、と言うので2軒目にも行ったが、気私が半分エスコートしてて弟っぽいなと思ってしまったことと、元カノへの未練が見てとれたのでそれっきりとなってしまった。

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