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給料以外にもらえる100万円、「旧文通費」の改革見送りを考える

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/660/1267003
※大河内薫"お金の学び"ラジオ Voicy 2024年6月19日放送より

どうも、大河内薫です。
本日は「旧文通費」についてのお話です。




■旧文通費について

旧文通費とは何なのかというと、正式名称は「調査研究広報滞在費」です。
法律的な観点から言うと「国会法第38条」です。

「議員は、国政に関する調査研究、広報、国民との交流、滞在等の議員活動を行うため、別に定めるところにより手当を受ける。」

毎月100万円×12ヶ月=1200万円

という規定に基づいて、給料とは別に国会議員には支給されています。
金額の大小はさておき、調査研究などに政治家がお金を使うのは必要なことだと思います。


■調査研究広報滞在費の問題

最近、この調査研究広報滞在費(旧文通費)周りが慌ただしいわけですが、何が起こっているかというと、そもそも旧文通費は世間とズレがある感覚で運用されているんです。

・月100万円の前払い
・使途不明でOK
・お金が残ったとしても残額返納の義務なし

こういう運用をしている会社の経費精算があったら嬉しいですよね...。
ちょっとありえない感じなので、「この辺りをもう少し是正するということを今国会でやってください」という話になっているわけです。
そして、岸田さんは使途の公開と残額返納の義務づける立法措置を講じる合意書に署名をしているわけです。


■政治の問題点と改善提案

維新はそれを受けて、政治資金規正法の改正案を衆院段階での賛成をしましょう、という感じになったんです。
これは、政党の都合はあると思うんだけれど、重要な話題ですよね。
国民も関心がありそうな "国会議員の経費精算" 、そういう話題を政治の駆け引きに使うのは残念です。
そんなことをやってないでもっと真面目に議論してほしいと思います。
なぜなら政治の駆け引きに使うと、目的論や点がぼやけるんですよね。

「旧文通費は月100万円の前払いで使途不明でOK」

…問題ですよね。
問題なんだけれど、"使途の公開と残額返納を義務づける立法措置でいいのか?"という話です。
そこに議論がいかないんです。
そもそも旧文通費というのは何が問題なのか?
問題は2つあると思います。


■問題①使途不明

1つは「使途不明」です。
月100万円というのは税金から支払われているわけで、何に使っても経費になるわけです。
会社で言うと「何に使っても経費精算される状態」ということです。
会社は経費精算する時、社員の皆さんが領収書を持ってきて、それを経費精算するわけですが、国会議員が100万円前払いで、しかも使途不明でOKなんだとしたら、それがなされていないわけですから「何に使ってもOK」ということになってしまいますよね。
だから使途不明というのは大きな問題であると。

ただ、ここには議論の余地はあって、政治家たるもの使途がバレてはいけない公務、内密にことを進めないといけないものもあると思うんです。
ただそれは、別途使えるお金が政党にあるわけで、各個人の調査研究広報滞在費とか旧文通費とかでやらずに、政党の内々のお金でやっていただければいいのかなと思いますね。
なので「1個人1国会議員の使途不明のお金がある」というのは問題であろうと。

でもこれ、「何に使ったか公開する」でいいと思いますか?

これはおかしいと思うんです。
会社の経費精算と同じ形にすればいいと思うんです。
(それがいけない理由がどこにあるんだろうと考えるんだけれど...)これで十分運用できると思うので、問題だなと思うわけです。


■問題②お金の流れ

もう一つの問題は「お金の流れ」です。
会社の経費清算だと「仮払い、前払い」というものはあると思います。

「その範囲内で収まれば残額はすぐに会社に戻してください。使ったものに関しては領収書をください。」
「5万円前払いして6万円かかった場合、その6万円分の領収書を持って精算してください。」

というようなことは日々行われていると思うんです。
この流れに限りなく寄せた方がいいですよね。
世間とずれすぎるのは批判の的になるので、そうさせないようにデザインする、マスコミの餌食にならないようにする、という力も重要だと思います。

今のまま、残額返納などを義務づける法的措置をしたとしても、ズブズブになると思います。
聞くところによると、衆議院事務局で100万円の札束をポンと渡されるらしいですからね...。
でもそれはそう、残額返納義務はないし、使途不明なんだから、その100万円はその事務局からしたら議員さんに渡した事実さえあればいいわけだから。
だから、それはもうちょっと考えた方がいいと思うわけです。
お金の流れとかお金の使い方、経費精算もそうだし、批判の的にならないようなデザインという視点からもとても重要な話かなと思います。


■まとめ

こういう問題は、目的とか議論とかがぼやけます。
何をすると?というと、「政治の駆け引きに使うと」ということですね。
だからそのあたりも含めてしっかり議論して考えて欲しいなと思いますね。

旧文通費については、昔は日割じゃありませんでした。
例えば10月31日に当選した場合、10月分の旧文通費100万円がポンっと渡されるわけです。
それっておかしいですよね。
年間2000万円半ばぐらいの給料があるにもかかわらず、さらに旧文通費がもらえる、しかも日割じゃない。
それに驚いて、「議員自ら日割にした方がいいですよ」とやってのけた方もいるわけで。
ちゃんとしている人はちゃんとしているからね。

政党の都合はあるし、政治の駆け引きは当然必要だと思うんだけれど、そこはうまく線引きをしてやってほしいなと思います。
ニュースだけ見ていると見えない部分も多々あると思いますから、今後もこういう話はしていきたいなと思います。


それでは本日も張り切っていきましょう。


今日、僕は「お金のクラブ活動」に行って来ます。
先月5月の半ばに堺市のとある小学校でクラブ活動をしてきたんですけど、そこでは「お金は道具だよ」という話をしたり、課題を出したりして子どもたちと交流しました。
今日はゲーム性があるものとか、前回の課題の復習、お金の雑談みたいなこととかをしていきたいと思います。
本年度6コマやらせていただけるので、途中経過をまとめて「お金のクラブ活動をやって感じたこと、得た経験」を共有したいと思います。


それでは、素敵な1日を。
最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ✨じゃあね!


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