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円安でみんながハッピーになる打ち手はコレ!

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/660/1142137
※大河内薫"お金の学び"ラジオ Voicy 2024年5月9日放送より

どうも、大河内薫です。
本日は、お勉強会「円安で誰が得をするのか?円安でみんながハッピーになる打ち手はあるのか?」というお話です。




■円安の影響

円安とは一般的に言うと「円の価値が下がる」ということです。
具体的にどんなことが起こるかというと、日本国内企業であれば、アメリカから輸入してきたものを原材料に製品を作っている場合は原価が上がりますよね。
1ドル100円の時よりも1ドル150円の時の方が1.5倍原材料費がかかるわけです。
そういう企業にとってはきついですよね。

一方、アメリカに何かを売っている企業、代表的なのは自動車会社「トヨタ」などですが、そういう企業というのは、1ドル100円で売っていた時よりも1ドル150円の方が1.5倍日本円が入ってくるわけです。
日本円換算で売り上げが入ってくるわけですから、輸出企業はとても伸びるわけです。
なので輸出企業の数字というのはかなり大きいですから、ウエイトとして、日本のGDPは円安だと伸びます。

こんな感じでメリットデメリットは当然あるわけです。


■アメリカにとっての円安は悪

アメリカはどうなのかというと、こちらもメリットデメリットはたくさんあるわけですが、次期大統領候補のトランプさんは円安をかなり嫌っていて、「円安は悪だ」ということを発信しています。
これは、アメリカ企業が安い日本の製品と戦うことになるからです。
輸出するということは、アメリカから輸入になるわけで、クオリティは変わらずとも日本製品が安く入ってくるわけです。
なので、安くてクオリティが高い日本製品とアメリカ企業が戦うことになるので、これはなかなか厳しいわけです。
次期大統領選でトランプさんが当選した暁には、円安は終わるとは思わないけれど、ある程度正常な値にはなってくるかと思います。


■円安ドル高の金額の決め手

円安ドル高の金額、150円とか140円とか変動相場制において何が決め手になっているかというと、一番は「マネタリーベース=通貨の総量」です。
(通貨の総量…日本円の総量とアメリカドルの総量の比というものがあり、これがベースになります。)
いわゆる「理論値」というものです。
この理論値でいくと、現在1ドル115円とか120円ぐらいが理論的な数字なんですが、そこに社会情勢などいろいろなものが加わって、現在の金額になっています。
なのでどちらに触れる可能性があるかと言ったら、理論値に近づいていく可能性の方が高いので、この前155円とか160円突破しましたが、これは正常値に戻っていく可能性は高いというところです。

このあたりが円安ドル高為替の基礎知識です。


■外為特別会計の役割

1つ覚えておいてほしいのが、「外為特別会計」というものです。
正式名称は「外国為替資金特別会計」というもので、これは超ざっくり説明するのであれば、「日本が持っているドル資産」というイメージです。
それで何がしたいのかというと、最近ニュースで出てくるのは「為替介入」ですね。
為替に介入するわけですが、なぜ介入するかというと、「円が安くなりすぎてるから正常な値に戻しましょう。」というところです。
なぜなら、理論値として120円ぐらいが妥当なわけですから、155円は明らかに円安なわけですよね。
それをするために何が必要かというと、「ドル」です。
ドルが大量に売られれば、ドル高がドル安に向かうわけです。
なので、ドルを大量に持っている日本がドルを大量に売れば為替介入になるわけです。
これを「やる、やらない、やる、やらない」といって経済系のニュースで日夜騒いでいるわけです。


■為替介入と含み益

為替介入をやることが「みんなハッピーになる」というのが今日の本題ですが、なぜハッピーになるか?という話です。
外為特別会計はドル建てなので、100ドル持っていたのを売ると、今だと15,000円になるわけです。
でも3年ほど前の1ドル103円の時に100ドル売ったとしても、10,300円にしかならなかったわけです。
なので、ここ30年ぐらいでは一番円安ドル高に増えているので、この外為特別会計で持っているドルを売るという行為が、"一番円をもたらす瞬間" というのが今訪れているわけです。
だから「今しかない」という感じです。
外為特別会計のドルというのは、とんでもない含み益を今持っているんです。
その金額は40兆円ぐらいなんて言われています。
その含み益を実現益に変えて国民に配ればいいと思うわけです。
労せずして手に入れたお金を国民に配れば「円安最高!」となるわけです。
そんな単純ではないんだけど、この理屈は結構筋が通っているなと思うんです。


■市場介入の決定権と外貯め特別会計

為替介入は市場に介入する行為なので、国際的には相当な理由がない限り「そんなに頻繁にやらないでね」みたいな感じにはなっています。
ただ、現在の状況が相当な理由じゃない限り、もう相当な理由なんて来ないと思うんです。
ここ2~3年で100円が150円になるって相当です。
だとしたら介入すべき状況は整っていると思います。
では、誰がゴーサインを出すのか?というと「財務省」なんですよね。
市場介入への決定権は財務省が持っていて、その指示で日本銀行が実務を行うんです。
でもやらないんです。
そしてもう一つ、「外為特別会計」は国際的には存在するのか?という話です。
先進国でこれをどこも持っているんですよね。
だいたいGDP比において数%ぐらいの金額は持っています。
でも、今日本はGDP比において20%以上の外為特別会計を持っているんです。
これ、「持ちすぎ=溜め込みすぎている」ということです。

___状況、整っていますよね。


■まとめ

今、外為特別会計の含み益を吐き出さずして、いつ吐き出すのか?という感じです。
円安というのはメリットデメリット、個人ベースでも国ベースでもいろいろありますが、この外為特別会計の含み益を実現益に変えてそれを全部国民に還元したら、みんなハッピーですよね。
しかも、このGDP比において20%以上持ってるというのは国際的には歪な姿なわけです。
なので、「円安で誰が得をするのか?どうすればハッピーになるのか?」というのは、この「外為特別会計」ですね。
そう簡単には全部含み益を実現益には変えられませんが、ここをどう使っていこうか考えるのが、円安においてみんながハッピーになる政策なんじゃないかなと思います。


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後半:20時30分〜20時45分くらいから、衆議院議員の細野豪志さんのチャンネル


それでは、素敵な1日を。
最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ✨じゃあね!


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