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その先の幸せにつなぐデザインセミナー2019

2019年度、群馬県社会就労センター協議会主催、「集団受講型コンサル」で2018年度に引き続き、講師を務めさせていただき、6月27日に3月から延期になっていた最終日を終えました。

最初にこの協議会の役員の方たちと、どういったセミナーにしようかと話し合ったときに、障害のある利用者の幸せの前に、職員の幸せも考える必要がある、そして個人が孤軍奮闘しないように各事業所が集団で受講することを条件利、「その先の幸せにつなぐ、デザインセミナー」というタイトルではじめました。

今年度、4事業所が参加しました。それぞれ、今回はみな食品を扱う事業所でした。課題もそれぞれ、事業所の規模もそれぞれでした。そして、結果的に素晴らしい最終プレゼンを披露してくれて、短時間でかなりの成果を上げてくれました。

以下の4日間と、それぞれの事業所への訪問2回ずつが全体のスケジュールでした。

■1日目 課題の洗い出しと目標設定

〇工賃を取り巻く課題の棚卸
・新商品の開発が中途半端になっている
・重度の利用者の製造方法に成功した、この先どうしていくか
・職員の意識改革(新しいアイデアが凝り固まった中堅以上の職員に浸透しない)

〇事業所の強み弱み
(強み)悪い時に悪いと言える職員がいる、気づきが素晴らしい、難しい利用者の支援を常に考えている、新しい支援方法を相談できる
(強み)離職者がいない、食品加工は誰でもできる、職員が熱心である
(弱み)施設長頼みである
(強み)役割分担が明確、フレッシュな職員がいる、理解のある上司がいる、自分の仕事に対するプライドが高い、比較的意見が通りやすい、利用者と一緒に作業ができる
(弱み)工賃が低い、要領・効率が悪い、支援<作業、協力体制が悪い

〇目標設定
・焼菓子のギフトセット
・展示方法
・商品のブランディング(ギフトセットからキッチンカーまで5か年計画)

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■2日目 コンセプトメイキングワークショップとターゲット設定

【コンセプトがなぜ必要なのか】
・世間の人へ伝える力になるため
→モノやサービスがあふれかえる世の中で人が選ぶ指標となる
・組織内での目線合わせのため
→自分たちの目指す先や大切に考えていることを組織で共有しておく

~人・モノ・場づくりがどこに向かうかの羅針盤がコンセプト~

皆さんの持っている想いを出し合い、未来を想像し、誰のため?なんのため?何をしたいのか?を対話することからコンセプトはできる。

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〇ターゲットの設定 〜買ってもらいたい「お客様」はどんな人?〜

ここからは、HUMORABOの前川亜希子さんにターゲット設定~商品のアウトプットまで担当してもらっています。

■3日目 商品パッケージとPOP 〜商品を魅力的に伝えるために〜、アウトプット

〇ディスプレイについて〜自分たちのお客様にどんな訴求をしたいのか〜

ディスプレイのセミナーからは私が発表まで担当しています。

■4日目 発表会、リフレクション

3日間の成果発表会です。観客は、県の福祉課の職員さんや、県内の福祉事業所の施設長さんなどでした。

最初に、私から、各事業所の課題が何だったか、なぜ、グランドデザインとしてのコンセプトが必要なのかを発表会の前に説明しました。

福祉事業所内で商品企画や販売に関わる職員と、そうでない職員の間に意識のずれが生まれることが多々あります。
組織全体で取り組んでいることだという意識を皆が持てるようにするために、事業の理念に紐づいた活動であり、社会に発信する媒介としても商品があるという全体像をつかんでもらうところからはじめていると説明しました。

発表は、昨年度とは全く違う、立派な会場での発表でした。

〇ありさんち(太田市)

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〇フィロスあけぼの(安中市)

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〇光明園(前橋市)

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〇セルプわたらせ
※発表会には参加できず、イメージ画像のみ

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ディスプレイも、パッケージも、コロナ禍で大変な中、かなり皆さん力を入れて実現に向けて、動きカタチにしてくれました。

発表も、どこも情熱のこもった発表で本当に素晴らしかったです。
あと少し手を入れたら、このディスプレイやパッケージはほぼ完成に近づきます。

〇リフレクション

発表のあと、以下の振り返りを一人ずつに行ってもらい、事業所をバラバラにしてグループになりシェアをしました。

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① 全体を通して、得られた『学び』『気づき』は何ですか?
② 今回できた成果をこれからどんな風に生かしていきたいですか?

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みなさんの立場、立ち位置で気づきや感じたことは様々でしたが、商品や売り方に丁寧に向き合うことから、単に商品や売り方のブラッシュアップだけじゃなくて、それぞれの組織内での関係構築、客観視、価値の再発見、福祉から発信すべきことが見えて、やるべきことが把握でき、実行していく明確な目標が見つかったのではないかと思います。

これが、時間をかけて、参加していなかった組織内の方たちにも浸透し、立てた目標を達成し、さらに自分たちの仕事の面白さの発見をしていってもらえたら本望です。









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