見出し画像

中国深センのROYOLE(柔宇科技)が業界初のMicro-LED弾性フレキシブルスクリーン技術を発表

このほど、世界で最も影響力のあるディスプレイ分野の専門盛会「国際ディスプレイウィーク」(2021 Display Week)がオンライン方式で開催された。このイベントは国際情報ディスプレイ学会(Society for Information Display、略称SID)が主催しており、世界トップレベルの最先端ディスプレイ技術、製品及び科学研究成果が次々と発表された。中国のディスプレイベンチャー企業であるROYOLE(柔宇科技)は独自に開発したmicro-LED弾力フレキシブルスクリーン技術(micro-LED based stretchable display technology)を初めて発表し、会場を震撼、参加した各国のディスプレイ技術専門家の称賛を受けた。

画像8

あるディスプレイ業界の関係者は、伸縮性・弾力性のあるフレキシブルディスプレイ/フレキシブルスクリーンの最終レベルの製品だと指摘している。伸縮性とは、引き出し式のリールデザインを指すのではなく、フレキシブルスクリーン自体に一定の弾性と変形能力があるものを指す。画像を表示すると同時に風船やゴムバンドのように伸縮自在であり、凹凸、ねじれ、回転などの大規模な変形をサポートする。これは、将来のディスプレイ画面を不規則な物体、さらにはいつでもどこでも変化する物体の表面に取り付けることができることを意味しており、真に「すべての表面を画面にする」ことを実現可能にする。例えば、伸縮性のあるフレキシブルスクリーンは新型の布として、未来私達の服の上でビデオと画像を再生することができ、知能のインタラクションを実現することができる。360度ダイナミックに表示できる地球儀は、地理情報のほかに、歴史、人文などの関連内容を表示することができ、情報をより生き生きと豊かに得ることができる。さらには「肌に貼る」スマートフォンもこれによって可能となる。ROYOLE(柔宇科技)は再び世界にそのトップレベルの革新能力と技術力を示し、世界のディスプレイ業界を率いてもう一つのマイルストーン突破を実現した。

ROYOLEの創業者で、董事長兼CEOの劉自鴻博士は、

「Micro-LED弾性フレキシブルスクリーン技術の発表は、フレキシブルエレクトロニクス産業が指数関数的な成長を経験している重要な指標だ。ROYOLEはフレキシブル電子技術分野の革新を継続的にリードしており、伸縮可能なフレキシブルスクリーン技術は技術発展が次のフロンティアに進むことを意味する。拡張現実(AR)と仮想現実(VR)、ウェアラブル電子機器、生物医学、自動車工業デザインなどの分野にかつてない革新的な応用と形態をもたらすだろう。」

と述べた。

画像1

ROYOLEが業界初のマイクロLED弾性フレキシブルスクリーン技術を発表、凹凸、ねじれ、回転などの大規模変形に対応

SID国際ディスプレイウィークの会議で、ROYOLEの技術者である康博士は、ROYOLEが発表した伸縮弾性フレキシブルスクリーン技術、すなわち弾性micro-LEDディスプレイ技術について説明した。この技術で生産されたフレキシブルスクリーンは全面型フレキシブルスクリーンで、軽くて薄くカールすることができて、曲げることができるなどの特性を備えているだけでなく、伸縮、ねじれ、回転などの弾性変形を実現することができる。伸縮幅は130%に達する。つまり1枚の長さ10センチメートルのスクリーンは13センチメートルまで伸縮することが可能だ。延伸を可能とすると同時に、基板に小型のLEDチップを採用することで現在の画素密度(PPI)は120に達し、日常のノートパソコンや車載スクリーンの表示画素に相当する。スクリーン表面は、凹凸のあるストレッチが可能であり、凹凸の頂点と平面との角度は40度まで達することができる。特に注目すべきは、弾性micro-LEDディスプレイ技術の光透過率はフレキシブルOLEDより優れており、60-70%を実現することができる。これは自動車の窓に貼り付けるフィルムの光透過率に相当し、自動車のフロントガラスをはじめサンルーフ、ヘルメット、サングラスなどの不規則な表面に適しており、完全み密着すると同時に光透過の需要も満たす。伸縮性のあるフレキシブルスクリーンをARテクノロジーと組み合わせることも可能だ。これは、ナビゲーション情報を、伸縮可能な弾力性のあるスクリーンを通じてリアルタイムで自動車のフロントガラスやサングラスに表示できることを意味し、運転者が左右を見てルートや表札を探す必要がなく、目的地に近づくと周囲環境のデジタル情報を統合し、近くの駐車しやすい環境情報をタイムリーにプッシュ通知することができる。

画像2

柔宇科技、伸縮可能なフレキシブルスクリーン技術を発表、伸縮幅は130%に

画像3

伸縮性弾性フレキシブルスクリーンの表面は凹凸伸縮が可能で、凹部または凸部の頂点と平面との角度は40度に達することができる

画像4

弾性マイクロLEDディスプレイ技術は、光透過率がフレキシブルOLEDより優れており、自動車の窓貼りフィルムの光透過率に匹敵する60〜70%に達する

世界のディスプレイ分野において、フレキシブルディスプレイ技術は現在最も最先端の研究方向として認められている。これまで技術成果を公開したのは三星とオランダのホルストセンターだけだった。サムスンが発表したフレキシブルディスプレイ技術はOLEDディスプレイ技術に基づいており、画素密度(PPI)と弾性伸長幅において、OLEDディスプレイ技術とパッケージの要求によって先天的に制限されている。オランダのホルストセンターのフレキシブルディスプレイ技術はmini-LEDを採用しており、技術の制限により画素粒子がより大きくなってしまい、ディスプレイ性能やデバイス設計の面でも解決すべき問題がいくつか存在する。

これらと比較すると、ROYOLEが独自に開発した伸縮性弾性フレキシブルスクリーン技術は、これまでの業界内の弾性フレキシブルディスプレイ分野の設計、製造工程などの難題を突破している。130%の弾性伸張度と120ピクセル密度(PPI)の優れたパフォーマンスは、現在の業界で最も優れている。伸張度とピクセル密度の完璧なバランスは、さまざまなシーンアプリケーションに実行可能なソリューションを提供することが可能だ。中国科学院工程熱物理研究所の張挺研究員は、「伸縮性フレキシブルスクリーンはフレキシブル電子技術発展のもう一つのマイルストーンだ」と指摘した。Micro-LEDを採用することにより、発光点ごとに個別にパッケージ化する必要がなくなる。プロセスがより簡単になり、画素密度(PPI)と描画振幅のバランスが良好に解決され、先進的な革新性を有している。

画像5

Micro-LED弾力性フレキシブルスクリーン技術により、画面は画像を表示しながら風船やゴムバンドのように伸縮することができる

弾性OLED技術の大きな遮光率、パネル設計及び煩雑なスクリーンパッケージ技術に比べて、ROYOLEの弾性ディスプレイ技術はmicro-LEDソリューションを採用しているため、非常に小さい遮光率となっており、赤、緑、青の3色LEDで構成された独特の「島」は非常に小さく設計することができる。同じ面積で収容できる発光体の数がより多くなるため、画素密度(PPI)がより高くなる。さらに、洗練されたパネルデザインにより、柔軟な伸縮性と弾力性を確保できる。柔軟な伸縮性と弾力性の確保のため、より豊富な配線設計を実現している。ROYOLE独自の「インテリジェント力学シミュレーションモデル」により、弾性フレキシブルスクリーンの配線設計と付帯プロセスの材料選択においても、シミュレーションモデルシステムを通じて正確な計算と選別を行っている。例えば、伸縮性弾性フレキシブルスクリーンをスマートウェアラブルに応用する際には、スマート力学シミュレーションモデルを用いて、スクリーンパッケージに最適な柔軟で肌にやさしい材料(例えばシリコン材料やその他の高分子材料)を選別することができる。

画像6

柔宇科技の弾性ディスプレイ技術はマイクロLEDソリューションを採用しており、極めて小さい遮光率により、同じ面積に収容できる島の数がより多く、画素密度がより高い


伸縮性弾性フレキシブルスクリーンは物理的表面の制限を完全に打ち破り、ある程度の変形を実現している。これによりディスプレイスクリーンの応用シーンは再び大幅に拡大した。例えば、弾性布地、弾性バイオニック材料と組み合わせることで、衣服、バイオニックロボットが柔軟な変形を維持すると同時に、表面に画像、ビデオを表示することができ、インタラクティブなインタフェースとなり得る。今後、バイオニック、医学健康、スマート服飾、スマート交通などの分野で、弾性ディスプレイ技術がもたらすスマートインタラクティブ応用は枚挙にいとまがない。

画像7

伸縮可能な弾性フレキシブルスクリーンは、自動車のフロントガラスの球面表面に完全にフィットし、AR技術と結合して、将来的にフロントガラスにナビゲーション情報を直接表示することができる

ある専門家は、万物相互接続時代の到来に伴い、フレキシブルディスプレイはヒューマンコンピュータインタラクションの最も重要な研究分野と発展方向になったと指摘している。ROYOLEは世界初の0.01ミリカラーフルフレキシブルスクリーン、世界初のフルフレキシブルスクリーン大規模量産ライン、世界初の消費者向け折りたたみ式スマートフォンを発表してきたのに続き、独自のMicro-LED弾性フレキシブルスクリーン技術を再び世界初登場させる。このことはROYOLEの技術の蓄積と突破がすでに世界の先頭に立っていることを十分に示しており、フレキシブルエレクトロニクスの急速な発展と応用は深く広範な産業変革をもたらすであろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?