隅田川べりの倉庫
隅田川の川べりにはビルの45階建の高さの倉庫が車道を隔てて、並んで建っていた。江戸時代には、大名の蔵屋敷だったという。大きな引き戸式の鉄製の扉があった。
私が住んでいた隅田川の西岸には、米や酒などの商品の倉であり、東岸には建築資材置き場であったという。江東区には木場、古石場の地名がある。
川の近くにГ型のクレーンが2本ぐらい距離を置いて設置されていた。鉄骨の塔の上部に操作室があり、水平部は360度回転できる。腕が伸びていた。
平日には岸に係留されたダルマ船の貨物をクレーンで引き上げ、大きなトラックの荷台に移し替えた、または、木のパレットに乗せ、つぎにフォークリフトでトラックの荷台に移し、それから、トラックはバックして倉庫に入り、天井の可動式クレーン貨物を倉庫に保管した。平日はこの移し替え作業を繰り返し貨物をすべて、完了するまで繰り返していた。積荷は、麻袋に入った穀類であったのであろうか、鳩が道路に落ちたものをついばんでいたような気がする。
土日は終日、まったく人通り、車がなくなり、こどのの三角ベースの手打ち野球場と化した。
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