chatGPTがドットコムバブルと同じで笑える

GPTの基本技術であるattentionとTransformerを私が知ったのが2018年だ。ディープラーニングの研究をかじっている人ならその頃かもっと前からみんなそれなりにTransformer系の技術内容は把握している。今年になって突然chatGPTがニュースに載るようになって驚いている。2020年のGPT-3のときに騒がず、なぜ今頃騒ぐのか不思議だ。

これは1999年のドットコムバブルと同じだ。あのときはIT企業っぽい名前の会社の株が買われてバブルになったのだが、いやその会社はITとは関係ないからと理系の人はみんな不思議がった。分かってない人が騒ぎ立てている点であのときと同じだ。

さらに面白い気づきもある。1960年代の第一次AIブームのパーセプトロンと、1980年代の第二次AIブームのエキスパートシステムと、2010年代の第三次AIブームのディープラーニングの3つには共通点があるのだ。

  1. 技術が高校生でも分かった気になるほど簡単

  2. 規模を拡大すると人工知能ができるような気がする

これらのAIブームの技術は高校生でも分かった気になれるほど簡単なので、上司に説明しやすく予算の稟議が通りやすい。それで大規模システムがたくさん作られて失敗し、屍累々となり、直後にAI冬の時代を作り出した。

今は分かった風なことを言って笑っている私だが、第二次AIブームのエキスパートシステムのときは1億円以上かけて役に立たないシステムを作った失敗をしでかしている。それゆえに今の大惨事(おっと誤変換だがそのままにしておこう)AIブームを見てまたやらかしているよと思うのだ。

chatGPTを作っているOpenAIのCEOのSamuel H. Altmanが当然いちばんよく分かっていて「chatGPTの出力を真に受けるなよ。あれは汎用人工知能じゃない。」と言っている。私も同意見だ。身体知を組み込めないシステムでは汎用人工知能を構築するのは難しいというか不可能だろう。

後で分かってきたが、こういうことだろう。「chatGPTはしょぼいAIもどきだけど、それをありがたがっている連中が書く文章くらいは出力できる。」つまり中身を分かっていないありがたがっている連中が最初に失業するということだ。ドットコムバブルで株を買って損した連中も技術の中身を分かっていなかった。同じだ。歴史は何度も繰り返す。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?