金融リテラシーよりも不動産リテラシーの方が重要

金融のことを学ぶと60代になったときに貯金が500万円多くなるという記事を見かけた。500万円よりもっと差がつくと思うが、記事の内容に異論はない。ところが日本ではもっと簡単な勉強で3000万円以上得をする分野がある。不動産売買だ。

不動産売買についての知識を身につけるのは金融を勉強することより遥かに簡単だが、金銭的な利益は大きい。私は知識がなかったので遠回りしてしまったが、もし知識があれば今住んでいるくらいの家は5000万円は安く買えていたと思う。

正直不動産という漫画がある。NHKでドラマにもなった。この漫画を見てもわかるが不動産屋はほぼ全員が悪徳である。私の数少ない経験では、お客の利益を優先した行動をとる業者はひとつもなかった。お客の知識がなければないほどお客から金を搾り取ろうとする。これは銀行や証券会社もそうなのだが、不動産業はその悪徳が露見する可能性が低いので、金融業よりその悪徳が話題になりにくい。

市場(いちば)での価格表示がいい加減で、品物の価値を見抜いて適切に価格交渉しないと高く買わされるという文化の国がある。日本の不動産はまさにそういう状況だ。不動産の価値を見抜く眼力を身につけないと損をする。そのためには当たり前だが、不動産の売買を何度も経験するのが良い。車だって、家電だって、何度も売買したら眼力が身につくものだ。

そうは言っても普通は不動産は一生に一度しか売買しないので、眼力が身につく人は少ない。そこに付け込んで不動産屋は悪事を働くのだ。それではどう勉強すれば良いか。不動産投資について勉強するのが一番近道だ。不動産投資をすると何度も不動産を売買することになる。その結果、眼力が身につく。ただし、最初は失敗して損をするだろう。その損で立ち直れないくらいダメージを負ったら人生が終わる。そこで、実際に物件の売買はせずに勉強だけを行う。本を読んだりネットを見たり実際の不動産業者と面談したりする。投資のつもり売買と同じで、お金を投じないと本当の実力は身につかないのだが、それでも売買なしでの勉強はした方がよい。自宅を買うときずっとマシな決断ができるようになる。

ちなみにこの文章は不動産投資の薦めではない。日本の人口は減少しているから今後は空き家が増える。これから不動産投資に手を出すと高確率で破綻する。また日本の法律は大家さんに不利にできている。悪意の店子に対抗できない。不動産投資は止めた方がよい。

自宅は3回建てないと満足な家が建たないと昔から言われる。勉強をしないといけない、勉強は実際に経験しないと身につかないということを言っている。本質をついた言葉だと思う。

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