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ゆず実る、2023年一般公開最終日

いい天気が続きます。みなさまお元気ですか。

昨日11月3日は、少女まんが館今期最後の一般公開日でした。多くのかたにご来館いただきました。おみやげをいろいろいただきました。お賽銭箱にもたくさんのお札が……。どうもありがとうございました。感謝です!

女ま館の北側は秋川渓谷の森になっておりまして、ゆずの大木が……(いま、数えに庭に出た)……14本あります。高さ5〜10メートル。黄色の実がたわわに色づき、美しい。地主さんのご先祖さまが植えられたそうです。

で、女ま館敷地内には2本ありまして、その木からゆずの実をもいで、来館されたかたがたにお分けいたしました。はつものです〜。

来館されるかたがたから、ときおり手土産としてお菓子などをいただくことも多いのですが、いつもおいしくいただいております(ほんとうにありがとうございます!)。女ま館のイメージに合わせて、という気遣い満点のものがあったりして、感動します。

紐を解くのがもったいなかった……かわいいおせんべとお茶のセットでした(2023/10/7)。写真はないですけど、昨日はバラをモチーフにしたお店のたいへんおいしいレモンケーキをいただきました。来館されたかたがたにお茶とともにお出ししました。正方形で真っ赤な箱がまた、格別かわいくて、紐にはバラの小さなしおりがあって、これまた、紐を解くのがもったいなかった……。女ま館を愛する気持ちが伝わってきて、ほかほか温かい気持ちになりました。深謝です。


リクエスト作品は1960年代半ばの名作、『白鳥少女』『おはようエルザ』(細野みち子)、『白鳥の歌』(西谷祥子)

さて、昨日来館されたかたがたからリクエストのあった作品などをシェアいたします。

静岡からいらした女性K.S.さん(1962年早生まれ、つまり大井・中野と同じ学年!)の3作品を。

その1。
『白鳥少女』細野みち子(中尾明原作)……『週刊少女フレンド』1964年1月1号(1号)〜1964年11月8日号(46号)。白鳥の化身となる少女の物語。単行本未収録。

『白鳥少女』掲載号たち。1964年25号のみ欠。けど、館内のどこかにあるかも。


その2。
『おはようエルザ』細野みち子(原淳一郎原作)……『週刊少女フレンド』1965年8月31日号(35号)〜1966年7月12日号(28号)。盲目の少女と盲導犬(コリー犬)エルザの愛の物語。当時のコリー犬人気のひとつの源のよう。

『おはようエルザ』初出掲載号たち。1966年26号のみ欠。でも、館内のどこかにあるかも。
『週刊少女フレンド』2階本棚「ええ」。創刊号から年代順に平積みされてます。


その3。
『白鳥の歌』(西谷祥子)……『週刊マーガレット』1965年7月4日号(27号)~1965年9月5日号(36号)。単行本未収録。貧しい少女とお金持ちお嬢さまのふたりがバレエに打ち込むお話。

『白鳥の歌』初出掲載号たち。1965年27号のみ欠。けど、館内のどこかにあるかも。1階西側の本棚「や」の前面に並んでいます。すぐに取り出せます。
『白鳥の歌』は、初出から7年後の1972年、総集編として『別冊マーガレット』に前後編で掲載。1階本棚「ま」の奥に並んでいます。取り出すのはちょっとひと苦労。
『別冊マーガレット』1972年10月号と11月号の表紙。


……というわけで、リクエスト作品はぜんぶ読めたとのこと。よかったよかった。どれも、子どもの頃に読んで、ラストがわからず、ずっと探していたとのこと。

1965年といえば……「えっ、だって、4歳ですよね? 字読めないですよね??」と、驚きました、大井は。同い年ですから。

「そうなんですけど、最初の記憶はまんがで、どうやら読めていたみたいなんです。字も」と。なんか、すごいこってす。

どれも1965年から少女まんが週刊誌『少女フレンド』『マーガレット』に連載されていた人気作で、自分では買えないけど、お友だちの家に行ったときに読んだりしていたそうです。楳図かずお先生のこわいまんがもよく覚えているとのこと。

人生最初の記憶に出会えたよろこび……とてもおだやかな表情になって、K.S.さんはお帰りになりました。女ま館冥利につきます。K.S.さんからは親戚のかたがつくっているというオーガニックな静岡のお茶をいただきました。もったいないことです。ありがとうございました。

1960年代、まだまだ日本に貧しさがあり、それがあたりまえだった時代。そんな時代の空気満載の3作品、細野みち子先生も、西谷祥子先生も、当時の雑誌をめくると、極めて絵がおしゃれできらびやかです。新しい感性の作品だったのかも、と。あ、未読なんですが、おりをみて、読んでみようと思います。

長くなってきたので、このへんにいたしますが、10名以上のかたがたがおもいおもいの作品を読んでおられました。


「ほるぷ平和漫画シリーズ」寄贈届く、電子書籍『いつもポケットにショパン』がやばい

ほか、昨日は、ほるぷ出版さんが1980年代前半に発行された「ほるぷ平和漫画シリーズ」1〜21巻のご寄贈がありました。貴重な品々……厚く御礼申し上げます。いま、まさにホットなテーマかもしれません。多くのかたに読んでほしい、と寄贈されたかたからのメッセージです。

また、常連Iさんからの耳寄り情報で、くらもちふさこさんの電子書籍がやばい、と。とくに『いつもポケットにショパン』。カラーページや扉絵などがぜんぶ入っていて、コミックス5巻分が1ファイルであるため、読み始めると一気に終わりまで読んでしまう……らしい。お値段もいい感じらしく。おすすめとのこと。


というわけで、今期にご来館されたかたがた、ご寄贈いただいたかたがた、また、ツイッター(じゃないや、エックス)やインスタグラムやFacebookのフォロアーのみなさま、また、少女まんがファンのみなさま、どうもありがとうございました。少女まんが館はみなさまの温かい心に支えられています。ほんとです。

最後に

さて、来週から少女まんが館は蔵書整理に邁進予定です。

来期の一般公開は4月6日土曜日午後1時から6時まで。

「小さな茶話会」は、以下を予定しております。

2024年5月25日(土)「天人唐草」(山岸涼子)
2024年9月28日(土)「摩利と新吾」(木原敏江)

今後とも少女まんが館をどうぞよろしくお願いいたします。

ではでは、また!

(2023年11月4日 記 大井夏代)

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