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大袈裟太郎のアメリカ大統領選2020分析①初心者編 過去20年のふり返りと見どころ&予想

いよいよ2週間後に迫ったアメリカ大統領選挙。

アメリカのこれからだけではなく、これからの世界の在り方に大きく関わるこの選挙の行方を、現地ポートランドから、過去の選挙結果などを踏まえ、大袈裟太郎が分析します。

※私自身も米国に関しては初心者のため、細かい部分などは省略した入門編的な分析であることはご容赦ください。

こちらが前回、2016年のヒラリー VSトランプの選挙結果です。

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まず覚えておいてほしいのは、得票数です。

トランプ62,979,636  ヒラリー65,844,610    

なんと2,864,974票。

286万票もヒラリー が上回っているという事実です。

しかしながら、米国大統領選挙は選挙人制度のため、州ごとの結果で勝利した候補が選挙人を総取りするために、死に票が多く、民主主義を直接反映しないこのような結果になることがあります。

ちなみに今回は538人の選挙人を奪い合うので過半数は270人です。

※選挙人の誓約違反などの件は今回は割愛します。

★スイング・ステートという言葉をご存知でしょうか?

これは選挙によって民主党・青になったり共和党・赤になったり、揺れ動く、支持が拮抗している州のことで、パープル・ステイト(紫の州)と呼ばれることもあります。これらの州がどう転ぶかはまず、基本的な見どころです。

フロリダ州(29)
ペンシルベニア州(20)
オハイオ州(18)
ミシガン州(16)
ノースカロライナ州(15)
バージニア州(13)
コロラド州(9)
アイオワ州(6)
ネバダ州(6) ()内は選挙人数

ここで2000年からの4回の選挙を可視化してみます。

2000年】ジョージ・W・ブッシュ 271人  アル・ゴア 266人

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なんと、この選挙ではフロリダ(25)で0.0092%の得票差しかなく、裁判闘争にもつれ込みました。再集計の末、35日後、わずか150票差という疑惑の残る形でブッシュ大統領は誕生しました。ちなみにこの選挙でも全米で50万票ほどアル・ゴアが上回っています。※その翌年に911のテロ事件が起こりました。

2004年】ジョージ・W・ブッシュ 286人 ジョン・ケリー 251人

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ニューメキシコ(5)、アイオワ(7)が共和党にひるがえり、ブッシュは2期目を盤石に迎えました。一方、ニューハンプシャー(4)は民主党へ。

2008年】バラク・オバマ 365人 ジョン・マケイン 173人

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史上初の黒人大統領、オバマの登場で民主党が巻き返します。

ネバダ(5)、コロラド(9)、ニューメキシコ(5)、アイオワ(7)、

インディアナ(11)、オハイオ(20)、ノースカロライナ(15)、

バージニア(13)、フロリダ(27)を裏返し、圧倒的な勝利。

得票数でも約1000万票ほどオバマが上回りました。個人的な思い出ですが、この時ほど、感動した記憶はありません。友人たちと笹塚の家に集まり、プロジェクターで就任式の中継を見つめながらビールを飲んだ、25歳の大袈裟太郎でした。

このオバマ大統領の副大統領を務めたのが今回のバイデン候補です。

2012年】バラク・オバマ 332人 ミット・ロムニー 206人

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インディアナ(11)ノースカロライナ(15)を共和党に取り返されるも500万票ほどの差でオバマ大統領の2期目が始まりました。

2016年 ドナルド・トランプ 306人  ヒラリー・クリントン 232人

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そしてトランプ勝利の先ほどの図です。

地図左のアメリカ西部はほぼ変化がないことがわかります。一方、北東部では、アイオワ(6)、ウィスコンシン(10)、ミシガン(16)ペンシルベニア(20)、オハイオ(18)のラストベルト。

さらにはフロリダ(29)を奪い、トランプは勝利しました。

ラストベルト(Rust Belt、錆びた地帯)このかつて栄えた工業地帯の白人たちの支持がトランプを大統領にした。というのが多くの有識者の見解です。

いわゆる #MAGE   (MAKE AMERICA GREAT AGAIN) ってやつですね。

この中で得票率差1%未満だったのが 、

ミシガン州, 0.22% ニューハンプシャー州, 0.37%
ペンシルベニア州, 0.72% ウィスコンシン州, 0.76% (計50)

さらに1.20%だったフロリダ(29)を今回の激戦州として黄色にします。

★大統領2020選挙見どころ

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するとおのずと、今回の重要なポイントが見えてきます。

ペンシルベニア(20)とフロリダ(29)を両方勝利した候補が、今回の勝者となると私は考えています。さらにはそれらを分け合った場合、ミシガン(16)とウィスコンシン(10)の結果が勝敗を決めるはずです。

ちなみに10月20日の出口調査を元にしたCNNの予測がこちらです。

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ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンでバイデンリードという調査結果です。

https://www.cnn.com/election/2020/electoral-college-interactive-maps

ただ、CNNの調査結果はかなり反トランプだということ、さらには前回のヒラリーも出口調査では4ポイントリードしていたことなどを踏まえる必要はありますが、今回は各社軒並み9ポイント程度、バイデンがリードしていること、さらにはコロナ禍によって期日前投票が前回の70%に登るなどの情報もあり、今のところバイデン、一歩リードは確実なようです。

★そして重要なのはトランプへの票は前回より減ることはあっても増えることはないということです。

ただ、今回見てきたように投票結果を直接反映しないこともある厄介な選挙人制度のため、ギリギリの攻防は続きます。

というわけで大袈裟太郎的には、バイデン勝利とトランプ勝利のパターンでシミュレーションしてみました。

まずバイデン勝利パターン

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ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンの46人をバイデンが取り返すパターンです。ペンシルベニアはバイデンの出身地であること、さらにはウィスコンシンの隣、ミネソタでジョージ・フロイドさんの殺害事件があり、BLMの着火点になったことで、民主党がラストベルトを取り返す、という読みです。バイデンが7月にペンシルベニアで「少なくとも500万人の雇用を創出する」と発表したことも大きく作用すると思われます。

衝撃の同数パターン

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ウィスコンシン州をバイデンが落とすことも充分に予想されます。ウィスコンシンでは前回、事前調査でヒラリー が5ポイント以上リードしていたにもかかわらず敗北した過去があります。これによって269対269の同数なんていう珍事が起こる可能性もあります。※同数の場合、下院で決選投票になります。

悪夢のトランプ勝利パターン

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ウィスコンシンをバイデンが落とした場合、メーン州(地図右最上部)をトランプが1人でもとるとトランプ陣営が勝利します。(メーン州とネブラスカ州は選挙人を総取りしないシステムが採用されているため)しかもメーン州はもう30年間民主党が強い地域にかかわらず事前調査でトランプ優勢の結果が出ています。

ダークホース、アリゾナ

地図左下部、アリゾナ州の11も今回ダークホースとなる可能性があります。

人口の30%をヒスパニックが占めておりトランプへの反感が強まっています。ウィスコンシンを落としてもアリゾナをバイデンがとると逆転勝利の展開もあります。

オハイオを制するものは大統領選を制する

実は半世紀にわたってオハイオ州で勝った候補が大統領になる、オハイオジンクスなるものも存在します。現在の世論調査ではオハイオはトランプリード。このジンクスが破られるかどうかも注目です。

★大袈裟太郎的最重要注目州は、

ペンシルベニア州です。

バイデンはここを落とすとほぼ勝負にならなくなると予想できます。トランプ派としては死守したい州です。

さらにウィスコンシン、ミシガン、フロリダといったところでしょうか。

というわけで、選挙まであと2週間。

共和党が非公式の投票箱を設置したり、トランプ派は選挙当日、投票所に銃を持って集合することを匂わすなど、先進国の選挙と言えるのか怪しいニュースが飛び交う中、選挙の期日は迫ってきています。

トランプがアメリカより中国に多く税金を納めていたというニュースや、それでもトランプはノーベル平和賞を3回とったというQanonもいたり、、、

ここへ来てオバマ大統領が本格的にバイデン支持に乗り出したこともあり、さらに選挙戦は過熱しています。

郵便投票や、そもそも、トランプは選挙結果を認めないとの発言もあり、

選挙結果がいつ出るのかも読めない状態で、カオスへと突入するアメリカ。

そんなカオスを最前線から見つめていきます。

歴史的な取材になります。引き続き要注目です。

大袈裟太郎/猪股東吾

動画での解説

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