36協定記載例1024_1

36協定の基本知識について。

「違法残業の事業所1万超 調査対象の4割、厚労省」
(共同通信社:https://this.kiji.is/549164981210760289

詳しくは上記の記事を見ていただきたいのですが、
2018年度に違法な長時間労働(残業)が疑われる全国の事業所を調べた結果が発表されました。調査した事業所(会社)のうち、約40%の1万1766カ所で法令違反を確認したとのことです。

違法残業と過剰な長時間労働とは必ずしも一致しませんので御注意ください。
労働基準法では所定労働時間の上限が決められています(週40時間、1日8時間)。それを超えて労働させる場合は、時間外労働の労使協定(いわゆる「36協定」)を労働者代表と締結し労基署へ届出しなければならないことになっています。もし、その協定の取り結びをしていない場合は、例え1時間であっても残業をさせると違法残業になります。基本的に残業は違法行為であるということを御認識ください。
しかし現実問題として、今の日本においては、残業無しでは業務が回らないということも現実にあります。その場合の救済措置として「36協定」があります。残業させるのであれば、まずは従業員代表との36協定の締結と労基署への届け出を怠らないようにしてください。36協定は1回やれば良いというものではありません。有効期限は1年が上限となっていますので、通常は毎年1年に1回提出する必要があります(1年未満でも可能です)。面倒でも違法企業とならないために、必ず行ってください。出し忘れをした場合も違法となります。

しかし、36協定を締結して届出をしていたとしても、その36協定に規定した時間を超えて残業させた場合は違法行為となります。必ず、協定の時間内に収めるように御注意ください。そのためにも従業員が好き勝手に残業する状況が生じないように必ず時間管理をなさってください。通常は、厚労省基準の月45時間で締結していると思います。これはほぼ毎日2時間の残業をさせた場合の時間数となります。仮に定時が6時なら、毎日8時までの残業をしているという状況です。すぐですよね?それを超えるような残業には御注意ください。
また、現在は通常の36協定は月45時間以上の設定はできないことになっています。45時間を超えたい場合は特別条項という別の文言を付け加えることができる様式を使わなければなりません(中小企業は2020年4月から適用)。この特別条項を使った場合でも、月100時間以上に設定することはできません。また、実際の残業時間が2~6か月の平均で80時間を超えることもできません。仮に残業時間が99時間の月があったら、基本的には翌月の残業時間は61時間までにしなければならないことに御注意ください。しかし、それまでの時間であれば自由に設定することができます。この場合も、設定した時間を超えて労働させた場合は違法労働となります。

これらの36協定の締結・届出がない場合、36協定の上限を超えて労働させた場合においては、正しく残業代を支払っているかどうかは関係ありません。仮に100%残業代を支払っていても違法となります。

36協定はキチンと正しく取り結び、その上限を絶対に超えないように御注意ください。

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