見出し画像

【NFT】OpenSea、OpenSea Studio(開発名Creator Studio)リリースに伴う、既存コレクションの扱いについて

【2023年10月4日07:30追記】OpenSeaより正式にOpenSea Studio(開発名Creator Studio)がリリースされました。

詳細は以下の一連のツイートをご確認ください。

公式ドキュメント(英語のみ)出ているので、こちらもチェックです。日本からだと日本語サイト(まだ古い情報)に強制リダイレクトされるので、以下の文字列を直接URLに打ち込んでください。

https://support.opensea.io/hc/en-us/

あるいは

https://support.opensea.io/hc/en-us/articles/360063498313-How-do-I-create-an-NFT-


はじめましてのヒトは、はじめまして。
いつもの皆様、こんにちわ。
大葉さんです。

前回のお話

2023年9月20日に、Creator Studioという新しいNFT作成ツールをリリースするよって、OpenSeaさんからお手紙が来ていました。

しかしながら、本ツールのリリースに伴って、「2023年10月3日以降」既存コレクションの編集に影響が出ますよと、長い長い自己レスの中に記載されていることを、結構な方が見落としていると、本日、判明しました。

ということで、改めて概要をまとめ直します。


なぜこの記事を書いたのか?

OpenSea、Creator Studioリリースに伴う、既存コレクションの扱いについて、その背景も含めて、日本語でまとめておこうと思ったからです。

結論として、いつか必要な改革でした。NFT冬の時代と言われている今、大鉈を振るう形になったとはいえ、決断を行ったOpenSeaさんの英断を、私は支持します。

■【前提知識】OpenSeaは「Lazy minting」という形式を使っていました

OpenSeaの既存mint方式(コレクションの管理方法を含む)は、raribleが発明した「Lazy minting」方式を採用していました。

なんだそれ?と思った方は、こちらの2つの過去記事を読んでください。

要は「gas代を節約するため、ユーザーとブロックチェーンの間にマケプレが仲介業者として割り込む形式」です。これだけを聞くと「ブロックチェーンの基礎を崩す悪の技術」という感じに捉えられがちですが、

  • OpenSeaで作成したNFTのみ、mint後に(該当NFTが売買あるいは転送されるまでの間)誤字脱字編集が可能だった件

  • 初期Polygonのmintガス料金無料だった件

  • OpenSeaで作成したNFTのコレクションが移動できた件

が実現できたのは、Lazy mintingが採用されていたからです。みなさん愛用されてましたよね、便利でしたよね!


なお、弊害として、OpenSea上で表示されているコレクションと、ブロックチェーン上(=他のマーケットプレイスで表示されているコレクション)が異なるという現象も起きてました。その辺りをまとめたのが、こちらの記事です。

■2023年10月3日以降に制限が入る操作

公式ツイートはこちら。

【翻訳】

要約
10 月 3 日以降は次のことができなくなります。
・Lazy minting toolを使用して新しいアイテムを作成する。
・Lazy mint されたアイテムのために新しいコレクションを作成する、あるいは、Lazy mintされたアイテムが属するコレクションを変更する。
・既存のLazy mintされたアイテムを編集する。

【補足】

「2023年10月3日以前にOpenSeaで作成したNFT」は全てLazy minting toolにより作成されています。OpenSeaのみでNFTアートを作成していた方にとっては、今までの作品が全て「読み取り専用」になると思ってください。

なお「Lazy mintされたアイテムのための既存コレクションに、Creator Studioで作成したアイテムを追加する」については記載がないので、Creator Studioリリース後に実験してみないと分かりません。

■OpenSeaは、なぜ「Lazy minting」を廃止したのか?

これは憶測ですが「Lazy minting」を採用するメリットより、デメリットの方が大きくなった為だと考えます。NFTがブレイクする前であれば「gas代無料」等の呼び込み広告の効果は絶大でした。しかし、ブームがさり、他のマーケットプレイスとの相互利用が活発になった昨今において「OpenSeaだけ表示されない」「OpenSeaだけ動作がおかしい」等の問い合わせ・それに対するサポート費用が、財政を圧迫するようになったのではないかと考えます。

スマホの充電ケーブルの派閥争いに似てますね。🍎さんがOpenSeaの立場だったのかなと。ユーザーの声に押し負けて、iPhone15でUSB-Cを採用しましたね。同じような状況だと思います。いつかは必要な改革でした。

■事前にLazy mintingを避ける方法はなかったのか?

ありました。独コンを採用して、OpenSea以外のサイトでNFTをmintすれば良かったのです。manifold、foundation、thirdweb、開発止まっちゃったけどchocofactoryなどなど。

OpenSeaが未来永劫Lazy mintingを採用する可能性もあったので、結果論ですけどね。

■10月3日までにやっておくべきことは何?

(1)作成途中のNFTがある場合は削除する方が望ましいです。明日以降、編集できなくなるためです。

ただし、完成していて、listするだけ、入札してもらうだけ、のようなNFTは、そのままで良いと思います。

(2)出品している作品がある場合は、listを取り下げておいた方が良いと思います。

OpenSea公式ツイートでは特に触れていないので、どうなるかは分かりません。ただ、Lazy mintingは、販売されたタイミングでブロックチェーンに書き込まれる仕組みなのですが、その仕組み自体が廃止になるので、危険だと思います。前回の大幅仕様変更の際は、listしていた全作品を、システム入れ替えのタイミングで強制的に出典取り消しされましたが、今回も同様のオペレーションになるかどうかは、不明です。

■OpenSea NFT発行ユーザーとして、今後、どうすれば良いのか?

まずは「Lazy mintされたアイテムのための既存コレクションに、Creator Studioで作成したアイテムを追加する」ができるかどうか、試してみるのが良いと思います。

また、これを機に「独コン」の概念を学ぶべく、manifold、thirdwebあたりをお試しください(※foundationは1枚絵に特化していて、コレクタブル系には向かないので、波長が合う方限定です)相場は冬なので、時間は持て余すほどにあると思います。

別の解としてETH以外のNFT市場にチャレンジしてみるのもありだと思います。LINEスタンプやグッズに手を伸ばすもの良いかと思います。OpenSeaの仕様変更が落ち着くまでNFTを一旦お休みして、数ヶ月、イラストテクニック向上に取り組むのもありです。

OpenSeaがNFT市場に与えた影響は強大で偉大ですが、独自実装色が強く、それが今、マイナス方面に転がっています。OpenSeaが合わせようとしている「グローバル・スタンダード」を学ぶ良いタイミングなのかもしれません。


今回は、以上です。
ではでわでわでは〜


次のお話


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?