見出し画像

【NFT】Lazy mintingのNFTの送信トラブル調査の時は気をつけようねという話(特にOpenSea)

はじめましてのヒトは、はじめまして。
いつもの皆様、こんにちわ。
大葉さんです。

前回の記事

えー、本日、OpenSeaさんのNFT送信トラブル調査のご相談を頂いたんですが、少し前にお話しした「Lazy minting」の仕様に泣かされましたので、情報共有しておきます。なんてややこしいんだ!

何故この記事を書いたのか?

Lazy mintingが実装されているNFT売買プラットフォーム(代表例:OpenSea)にて、NFT送信トラブルの調査を依頼されたんですが、思いのほか厄介だったので、記録を残しておきます。

・Lazy mintingを使っていないNFT売買プラットフォームの場合

下記①②を調査すればOKです。また、ユーザの操作とブロックチェーンに記録されているアクションは完全に一致します。

・Lazy mintingを使っているNFT売買プラットフォームの場合

下記①②③④を調査す流必要があります。また、ユーザの操作とブロックチェーンに記録されているアクションは一致していません。

ケース分けは以下です。

  1. ①でトラブルが発生した場合、ブロックチェーンに該当NFTのトランザクションは存在しない。ガス代として支払ったETHが安すぎるため、取引がEtherチェーン上に送信されていない可能性が高い。

  2. ②でトラブルが発生した場合、ブロックチェーンを調査する。

  3. ③でトラブルが発生した場合、ブロックチェーンを調査する。

  4. ④でトラブルが発生した場合、ブロックチェーン上では取引が完了しているにもかかわらず、受取手がNFTを受信していないという事実を確認する。その上で、マーケットプレイスのサポートセンターに問い合わせを行って対応してもらう。

※免責事項:5分で書いた概略図に対するツッコミはお受け致しません。

以上が伝えたいことです。以下、詳細です。

■Lazy mintingは、ユーザのオペレーションとブロックチェーンへの書き込みが明確にズレる

復習も兼ねて、こちらの過去記事を参照ください。

Lazy mintingを使っていないNFT売買プラットフォームは、こうなります。
マーケットプレイスは、ユーザとブロックチェーンの間を取り継ぐだけなので、トラブル発生時はブロックチェーンを確認しておけばOKです。

Lazy mintingを使っているNFT売買プラットフォームの場合はこうなります。

ユーザから見えているのは、①④の操作ですが、これはマーケットプレイス内のBOTが代理応答しています。ブロックチェーンから見えているのは②③の操作ですが、これもマーケットプレイス内のプロトコルが代理応答します。

つまり、Lazy mintingの場合に限り、ユーザの操作とブロックチェーンに記録されているアクションは一致していません。

■ブロックチェーンに刻まれる取引は「マーケットプレイスとブロックチェーンのやり取り」のみ

上記の図で示すと、②③の部分に該当します。この区間におけるトラブルは、Lazy mintingを実装していないマーケットプレイスと同様に、素直にブロックチェーンを調査すればOKです。

ちなみに、NFT購入代金送金は、こんな感じで表示されます。
「SeaPort 1.1」さん、現れましたね!!

NFTアート送付は、ごくごくフツーです。

まとめ!

Lazy mintingの場合、以下のようにアドレスが書き換えられます。
(1)NFT代金支払い:購入者アドレス→SeaPort1.1
(2)NFT送信:販売者アドレス→購入者アドレス
(3)SeaPortさんが受けっとったNFT代金をどのように販売者アドレスに送るのかはオフチェーン処理なので、ブロックチェーンに乗りません。ブラックボックスです。

なんて分かりにくいんだ!

■ブロックチェーンに刻まれない取引が問題かどうかの判断方法

上記図①のパターンですが、単にガス代を安く支払って、処理が遅延しているだけの可能性があります。特にLazy mintingの場合、最初の販売や送信のタイミングで、裏ではmintが行われているので、1時間くらいは様子を見ましょう。1日経ってもブロックチェーンに取引が乗ってこないようであれば、サポートにお問い合わせを。

上記図④のパターン。これは、売買プラットフォームさんへの問合せ1択です。判断方法としては「ブロックチェーン上はNFTの送受信が終わっているにも関わらず、相手にNFTが届いていない場合」です。NFTの最終受渡アドレスはオフチェーン処理なので、ユーザ側からは確認する必要がありません。

この辺りの動きが見えない点が、Lazy mintingの困った点ですね。

ただ、多くのユーザを抱えるOpenSea様が活用されていますので、我々としては、お付き合いしていくしかないのかなとは思いました。


本日はここまで。
ではでわ!!

次のお話


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?