貴方の推しはどこから?私は土地柄。(前編)
突然ですが、貴方の『推し』はどこからやって来ましたか?
私の場合、引越したらそこに『推し』がいたのである。
この『推し』とは何か。それは、嵐だったら松潤、刀剣乱舞なら三日月宗近というように、グループの中で自分が一番支持したい人や物を指す。「俺の嫁」「担当」「○○の女」等と同意語である。まぁ、詳しい分類は知らないけれど。
ここで、私の推しを布教させて欲しい。
梶原景時
知ってます?鎌倉時代の。源頼朝のピンチを救い、平氏を裏切って源氏についた彼。
源義経の悪口を頼朝に告げ口した彼。
頼朝が死んだら、追放されて一族郎党殺された彼。
大悪人の、そう。彼。
私もねー、以前は「あーね、頼朝に義経の悪口書いた手紙送ったアイツね。典型的な悪い奴ね。」くらいの認識だったの。うん。
しかし、結婚で静岡に住むことになり、新婚の私達が選んだアパートの裏手に大きな山があった事から運命は動き出す。
私「あの山、梶原山っていうんだね。」
夫「あそこな、梶原景時とその一族が殺されてるんだよな。」
私「怖い話をするな!!!」
怖いのは嫌いじゃない、でも実生活に関係するなら話は別である。
引越して早々、夫から「裏手に見えますのは心霊スポットでございます。」と伝えられた新妻の気持ち。お分かりいただけるだろうか?
しかし、新しい生活に馴染んでくると恐ろしい裏山の存在はすっかり頭から消えた。心霊スポットが身近にあっても、目の前に幽霊がコンニチワしない限りはさして問題無いのである。
月日は流れ、下の子が生まれた頃。私達夫婦はあるドラマにど嵌まりしていた。
大河ドラマ『真田丸』
三谷幸喜作、主役の真田幸村は堺雅人が演じた。
もう、最高に面白かったのである。毎週欠かさずに見た。BSで先に見てから地上波で復習した。土曜日の再放送も見た。見れない日は録画した。
最終回には二人してテレビの前で涙を流した。尊い。
私はすっかり戦国時代に嵌まった。そうなると、世間にあまり知られてない推しが欲しくなる。私はマイナーを愛する女なのだ。....どうしたか。
Wikipediaで自分の旧姓を持つ戦国武将を検索した。
そもそも私の旧姓は少し変わっていて、同じ名字の人間に会う事はまず無い。テレビでは最近になってお見かけするようになった。親戚じゃないけれど。
番組に特集されるような珍名さんではないが、それなりに珍しい名字なのである。
しかし、戦国武将で、いるのか....まぁ、ものは試しだ。ぽちっとな。
いた!!
織田家の家臣に、私の旧姓を持つ武将がいた。そして、彼は本能寺の変で死んだ。墓は京都、阿弥陀寺。
それだけで嬉しかった。この際、先祖かどうかは関係ない。赤の他人でも同じマーク(名字)がついているだけて愛着は生まれるのである。私はそうなのである。
ご挨拶にもいつか行きたい、お花を持って。....京都か、遠いなぁ。
ところで、Wikipediaには便利な機能がある。ページにある青字部分は関連した場所に飛ぶことができるのだ。
どうやらこの武将、名字を途中で変えている。元の姓は梶原。真偽は確かではないが、梶原氏の末裔を自称しており....ふんふん。梶原ね。ぽちっと。
びっくりした。
そう、この梶原氏こそ、梶原景時の血筋。
私の推しの先祖が、私の住むアパートの裏山で、一族郎党皆殺しにあっていたのだ。
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