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ボードゲーム知育玩具化のすすめ

現在、我が家には70個弱のボードゲームがある。これは、成人男性が保有するボードゲーム数の中央値に比べ多いと思われる。ボードゲームは大小様々で、胸ポケットに入る小箱サイズのものもあれば、モノリスかと見紛うような巨大なものも多い。そのため、収納場所には難儀しており、頭を抱えながら新しい商品をカートに追加している。

大きさ比較用の「タバコの箱」が用意できなかったので、代替品として皆さんに馴染み深い「ポケットプリンタ」を用意した。

ある日、妻から「このままボードゲームが増えると、貴方の寝室はパントリーになります。」と言われた。体育座りならギリいけそうな気もするが、座骨への影響が気掛かりではある。だが本質はそこではない。子どもが増えたにもかかわらず、個人的な趣味に出費し続ける私に対し、お灸が据えられたのだ。

コペルニクス的転回が必要になる。仮にこのボードゲームが、私個人の嗜好品ではなく、子ども達と遊ぶ知育玩具だったらどうだろう。ゲーム脳で博徒のダメ夫から一転して、学育的思考を大切にするイクメンにならないだろうか。収納場所の問題は一向に解決していないが、私の心証はすこぶる良くなるはずだ。私は「ユリイカ!」と膝を打ち、熟睡していた三女を見事に起こした。

きらめく財宝 / 2-4人 / 5歳〜

いきなり正解を書くが、「きらめく財宝」は非ボードゲーマーの配偶者もニッコリご満悦、文句無しの知育玩具だ。対象年齢は5歳からと書かれているが、3歳の次女でも問題なく遊べた。恐竜っぽいのが出ていれば男児は喜ぶと思われるので、このバタ臭い箱絵でも何とか誤魔化せるだろう。

溶けた氷の中に恐竜はいないが、恐竜(ドラゴン)が吐いた炎が氷を溶かし、中から宝石が出てくるという世界観。

ルールは至ってシンプル。筒状に積まれたリングの中に5色の宝石が詰まっている。このリングを上から一つずつ取り、どの色の宝石が一番多く零れ落ちるか毎回予想する。落ちた宝石のうち、予想した色のものを獲得する。ゲーム終了時に一番多く宝石を持っていた人の勝ち、という流れだ。

まず、プレイヤーが行うのが「色を言うだけ」なのが最高と言える。子ども達は好きな色や、その時の気分の色を言えばゲームに参加できる。色鮮やかな宝石がジャラジャラと零れ落ちる様子に、目や耳から楽しさが伝わる。少しゲーム性を理解してきたなら、リングを観察してどの色の宝石が沢山落ちるか、大人と一緒に予想してみるのも良いだろう。リングを引き抜く度、子どもが機嫌を損ねない程度に一喜一憂できるはずだ。

プロジェクトL / 1-4人用 / 8歳〜

「プロジェクトL」は、手番で効率よくピースを獲得・拡充することで、徐々に複雑なパズルをクリアできるようになる拡大再生産のゲームだ。詳細は割愛するが、正規のルールで遊ぶ場合、同時並行的にパズルを解く必要があるため、未就学児には難しい。スタイリッシュなパッケージアートも相まって、これを知育玩具だと家庭内で説明するのは無理筋にも思える。

ピースが小さいので、誤飲には注意されたい。

だが、拡大再生産のシステムを取っ払い、任意のピースで自由にパズルを完成させるという形に簡略化したらどうだろう。公文や七田式あたりから発売されている平面図形パズルにしか見えない。幼児期の思考力や巧緻性を育む投資だと説明すれば、奥様の賛同も得られるだろう。

パズルは1ピースで完結する簡単なものから、相当数のピースが必要なものまで多種多様。パズルの種類の豊富さに加え、使うピース(または使わないピース)を限定することで、子どもの発育や能力に応じた難易度調整も可能。実際に、3歳の次女はレベル1のピース(1ドット)を使わずに、5歳の長女はこれに加えレベル2のピース(1×2ドット)を2つ以上使わないという制限で楽しんでいる。

なお、ほぼ同内容の「ウボンゴ」というボードゲームがあり、そちらの方がピースも大きくて遊び易いのでは?という意見もあるかと思うが、未所持のため「よそはよそ、ウチはウチ」のドメスティックポリシーでご容赦願いたい。

ガイスター / 2人 / 8歳〜

「ガイスター」はチェスのように駒を取り合う2人対戦専用ゲームだ。青いオバケと赤いオバケを4体ずつ互いに配置するが、オバケの色は相手側から見えない。お互いにオバケ駒を1体ずつ前後左右に進めながら、
・相手の青いオバケを4体取る
・自分の赤いオバケを4体取らせる
・自分の青いオバケ1体がゴールまで進む
のいずれかを満たしたら勝利となる。

オバケの色は相手から見えない。オバケを捕まえる度に、赤か?青か?と胸が高鳴る。

子ども達には「このゲーム中に限り、好きなだけ嘘をついても良い」と伝えている。子どもに「嘘」を教えるのは難しい。「駄目なことだ」「悪いことだ」と躾するのは簡単だが、おままごとやごっこ遊びがそうであるように、ゲームを通して楽しく嘘をつくことから学べることも多いはずだ。

5歳の長女は「これは青いオバケだから取っちゃダメだよ!!」と鼻息荒く私に伝えてくる。たぶん本当は赤いオバケなのだろう……と内心思いながらも捕まえてみる。案の定、赤いオバケだった。「やったぁーー!!」屈託の無い笑顔で喜ぶ長女。今はそれで良い。駒の動かし方でブラフを張るのは、まだ当分先で良いのだ。

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