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葛飾区 草津湯

2021.5.5.

今日の二軒目。
サ友の肉まんとの「菖蒲湯を巡る銭湯ハシゴ」は続く。

「京成立石」駅の「富の湯」から歩くこと、50分。
小雨とはいえ、傘を持たずにのこのこやってきた肉まんと一緒の傘に入りながら(入れてあげながら)、結構な距離を歩く。

こちらは、都内きっての「幻の銭湯」と呼ばせてもらっている。
場所も訪れにくく、営業時間も週5日、1時間ずつという、物理的にとっても行きにくい銭湯なのだ。
平日はほぼ行けないので、せっかくの機会、肉まんとチャレンジしてみたのだ。

外観はとっても立派な宮造建築。
唐破風に龍?鷹?の兎の毛通しがついている。

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こちらも今日は240円で入浴が可能なので、番台の70代後半と思しき店主にお支払いしつつ、事情聴取を。
こちらは現在二代目で、初代は石川県輪島市ご出身とのこと。以前は他にも近くでもう一軒経営していたそうだが、そちらは既に廃業し、ご自宅として使っているのだそう。「南千住」駅の同じく「草津湯」はいとこが経営している銭湯なのだとか。よく覚えていないけれど、確かに訪問したなあ。

そして不思議に思っていたことを伺ってみた。
そう、営業時間についてである。

奥様が亡くなって、店を畳もうと考えたそうなのだが、ここは島のようなエリアで、もしここを閉めてしまうと、通ってくれている常連さんたちは大きな橋を渡って島から外れた銭湯に通わないといけなくなってしまうこと、そして、区からの要請もあり1時間だけでも、ということで営業を続けているそうなのだ。

この近くには拘置所もあり、かつてはそこで働く人でにぎわっていたそうだけれど、現在は近くに住むお年寄りばかり。肉まんと私が訪れると「どちらから?」と聞いてくださったように、知らない顔はほとんど訪れない、そんな公衆浴場なのだろう。遠くからようこそ、ということでカロリーメイトをくださったり、「帰りに菖蒲、持って帰ってね」と親切にしてくださった。

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※写真は許可を頂いて撮影しています。
さて、浴場に入ると、正面には富士山のペンキ絵。30年2月12日に制作された中島盛夫氏の作品だ。既に3年は経っているものの、営業時間が短いからか、傷みがほとんどない美しいままの作品。男性サイドはよく見えないけれど、兼六園が描かれているのだそうだ。

お風呂は左のやや熱湯と右側の熱湯。菖蒲は入っておらず、持ち帰り用のみの用意だった。左側には弱めのジェットバスとバイブラがあり、カランのお水との温冷交互浴で、汗がどっさり出る。

常連さんも優しそうな方ばかりで、「どこから来たの」「また来てね、また会えるかな」と何だか愛おしさが溢れてくる。お風呂に入りながらも、私のツーブロックを見て「若いから似合うのね」とか、「目がパッチリでかわいいわね」とか、やたら褒められてくすぐったい。私も何かお返しの言葉を想ったのだが、残念ながら何も浮かばずごめんなさい。

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※写真は許可を頂いて撮影しています。
HPによると、昭和14年に創業したそうだ。82年!
天井も周りの壁も美しいままで、お掃除も行き届いているのだろう。
男女の境の壁のタイル絵は、女湯側には昭和46年の中普請の際に絵本の挿絵をモチーフに作られたのだとか。娘さんのために、ということだが、そのお嬢さんももう立派な大人なんだよね、改めて歴史を感じさせられる。

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※写真は許可を頂いて撮影しています。
脱衣所の天井も、立派な格天井。扇風機にも歴史あり、だね。
こちらは長居は禁物。地元のお客さんのためのお風呂だからと、ささっと上がって、お礼をお伝えする。肉まんは菖蒲をたんまりと頂いていたけれど、自宅までしっかり持って帰れるのかなあ?

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お風呂を出て、「小菅」駅までの道すがら、湯船が置いてあって覗いてみると・・。

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なんと亀が!!
こんな飼い方って、ある??

歩いていると、拘置所も通過。ここから通っている方もいたんだねえ。

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本当にいいお湯でした。また是非訪れたいな。

お遍路番号 葛飾 1
住所 〒124-0001
葛飾区小菅1−17−3
電話番号 03-3602-4005
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アクセス 東武伊勢崎線「小菅」駅 徒歩10分
休日 日曜・月曜
営業時間 16:30−17:30

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