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【閉店】新宿区 松の湯

2020.07.12

大塚記念湯から都電荒川線で「早稲田」駅まで風まかせ〜🎶由なく嫌いなおでん屋「志乃ぶ」、そして初・ヒロスエを見かけた大学図書館を通り過ぎ、徒歩5分ほどで辿り着く。70年の幕を閉じ、今月末で閉店してしまう銭湯。学生の頃、いや待て、浪人時代も含めると5年過ごした、この高田馬場という街のお風呂屋さん。
お財布が寂しい時は急いでいるので爆走、お財布が楽しい時には急いでいるのでバスやタクシーと、この店の前を優雅な牛歩で通った記憶はない。 

ちょうどこのお風呂から1分ほどの中華料理店「珍味」にはほぼ4年間日参し、なんなら日に2回ナス(ナスの豚味噌炒め)を食すこともあった。店主夫妻とは閉店後も賀状のやり取りをするなど人間関係が続いたが、同じく通い詰めた友人などは店の看板を懇願して譲り受け、自宅に保管していたほどだ。兎に角、このお風呂屋さんは通学時のバス停前にある、という印象であった。 

サークルや部活(こっそり体育会にも属していたとかいなかったとか)の先輩の「風呂行ってくるわ」におきまりの無反応で、今更ながら尾行しなかった事を一度後悔している。 

例によって回数券とサウナ代530円を払い、大小タオルとサウナキーをお借りする。脱衣所は整然とはしているが、余すところ多き身体を持て余したお姉様方で混み合っている。ここまで沢山のお姉さんたちを見るのは初めてってくらい、盛況。喜ばしい。

浴室は半分が洗い場で、そろりそろりシャワーと激アツのカラン。皆様方におかれましては、立ちシャワーをどうぞ。左からサ室、水風呂、申し訳程度の打たせ湯、白湯、マッサージ、白湯だ。今日は日曜日。土日のみスペシャルなお湯、ラベンダー湯で、すべてのお湯がそうなっている。ただ、イメージの色とは異なり、ややカーキ色に近いかな。いい香り。そして安心してほしい、味覚でも確認済みである。

サウリーマン☆から教えを受けた、同日複数サ活時の奥義、エア洗いをさっとすましお姉様方二人とサ室にイン。もっぱら議題は、次の場所どうしよう、である。こちらのヌシとみられる女史、なんと御歳80歳!洗い場で事情聴取した際には72歳にしか見えなかった。大声出したよね、見えない見えない!って。既に30年こちらに通い、サ歴はなんとっ!50年だそう。この時点で舎弟を直談判するしかない。二度聞きされたよね。流石、サキーなど使わず、むんずと手で開ける秘法、おせーてつかあさい!
早朝ランニング、そして大塚記念湯を以ってしても、まだ流れ出でる汗そうそう。サ室のアラエイティママンとおしゃべり。しかし、若い。お肌つるりん、週二サウナの効果か。新宿区民のシニアのお友だちは毎月4枚の券がもらえるそう。
「大江戸線の果て、極楽湯がいいわよお、バスで送迎があるの。700円だったかなあ。アラあなた、世田谷から遥々来たの?」いや、厳密には調布だが、先を急ごう。「アカスリはいいわよ、週一がいいのよね。背中はホラ、あの方にしてもらうのね。届かないからねえ。擦った後はホラ、汗が違うのよ、汗がぽたぽた落ちるのね。あーでもここが閉まったらどこに行こう、近くにあるかしら」

サウナイキタイで調べてあげよう。そして、ママンとまたおしゃべりするんだ。

ママンは続く。「スペシャル湯っていうけど、アラ、感じ方は人それぞれなのよ、ここね、毎日お湯変えてないんじゃないかなあ、二日目だから入浴剤入れるんじゃないかなあ。だからね、月曜日休みじゃない?洗って翌日ね、火曜日はきれいなお湯なのよ。そうよ、水風呂も一緒よ、私は膝から上は浸からないの。だって…」

おい。なんだよカーキ。返事しろっての!だっふんだだよ。卒業旅行でインドは母なるガンジスのガード脇で飲んだチャイと同じだわ。そりゃあ濁るわなあ。

泣きたい。大切な想いではビオフェルミン製薬がお送り致しました。
軽い気持ちでホーム外のお湯をぺろぺろしないように。わかるね?

閉店するなら、名入れタオルほしいな。

サウナ:10分 × 3
水風呂:2分 × 3
休憩:10分 × 3
合計:3セット


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