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葛飾区 喜久の湯

これを更新している今日は、もう師走・・。
なんてこったい、今年の目標もまだしっかり立てていなかったというのに、ただ走って、浸かって、汗だくで一年が終わってしまいそう・・。
みなさんは今年やりたかったこと、叶っているのかな??
では本編をどうぞ!

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2021.11.9.

仕事での打ち合わせ後、移動中につけ麺を食べたいなあと思い立ち、人気らしき「ぷれじでんと」に。

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つけ麺の麺の重量についてだけれど、25g単位で選ばせてほしい。今日はお腹空いてるから275gで!とか、あんまりお腹空いてないので225gで、とか、選択肢を与えてほしい。200gか300gの二択なんて困っちゃう。
ということで、300gを選んでしまい、うっぷす。でもここ、海老ワンタンがめちゃくちゃ美味しかった。望むらくは、もう少しつけ汁が熱いといいかな。

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駅まで向かう折、「うどんTOKYO LIGHT BLUE HONGO3」に通りがかる。
外観やメニューからも想像していたのだが、なんと、五反田「おにやんま」ご出身の店主なのね。「おにやんま」はとり天が揚げたてのタイミングに合えば、本当におすすめ!混雑の時間帯が、天ぷらもうどんも揚げたて、ゆでたての筈なので、混雑必須ではあるけれどもぜひトライしてみてほしい。

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というわけで、出社したので仕事帰りに銭湯ハシゴを狙う。出社=ハシゴとなって久しいが、ほぼ在宅勤務が続く状況なのでリフレッシュは必要だ。体調管理も仕事の一環!
さて、今日は「京成立石」と「四ツ木」でハシゴにしましょうか。
まずは「京成立石」駅からてくてく15分ほど住宅街を南下して、到着。
看板を見ると、「スーパージェット」が目立つような気がするが、ただの並びだろ・・と思っていたら、痛い目に遭うよ・・。

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到着後、入り口でお風呂上がりのおっさんを捕まえて「こちらのお風呂、いかがですか?」と職務質問。すると、首にタオル、曇ったメガネの御仁は「ここはジェットが強くて、サウナも無料ですし、本当にいいですよ」とのこと。ジェットに関しては、我がホームも強めではあるので、私自身少なからず思うところもあった。

その後も会話は続く。
「結構回られてるんですか?」
「はい、自転車で。葛飾、足立、墨田、台東あたりは結構行ってますね。ここ、葛飾では一番好きな銭湯です」とのこと。
「そうなんですね、私は遠くから来たので、いいお風呂なのであればうれしいです」
「え、どちらから?」
「調布です。もしよかったら、神代湯、ぜひ来てください(で、ジェットに謝れ)」
「調布って、府中とは違うんですっけ?」
「はい、府中とは一線を画しています(心の声としては、「府中は山梨に片足突っ込んでいるので」)」
「そういえば、先日国立の鳩の湯、行きましたよ」
「ああ、あそこ、サウナは男性のみなのが残念ですが、タオル可愛いですよね、ほら(と鳩の湯刺繍入りMOKUタオルを見せる)。このタオル、薄くて軽くてめちゃくちゃいいんですよ」
「私、鳩の湯にキーホルダーを置いてもらっていて、あ、絵を描いているもので、そういえば国立で展示もあるんだよな」
「ああ、ペンキ絵のですね」・・と、ここで、繋がった。

「アアア!!!」「ん?」「アッ!!!!!メソポタミアさん!!!!」

「わあ、びっくりした!!!」
「わ!!!」「わ!!!」という流れで、涼しい夜だったが興奮のあまり、ちょっくら汗をかいてしまった。

みなさんはご存じだろうか?メソポ田宮文明氏を・・。
実は私もよく知らないので、説明は割愛したいが、台東区の長沼三兄弟の銭湯、「薬師湯」(長男・秀三さん)、「萩の湯」(次男・雄三さん)、「寿湯」(三男・亮三さん)で読むことのできる「銭湯戦士セイント☆セントー」の作者なのだ。

「もしよかったらこれどうぞ」とポストカードを二枚いただき「絵が独特だから、ご本人がこんなにいい方なんでびっくりしちゃいまして」「・・・」「いつも萩の湯で新聞読んでますよ」と社交辞令のつもりだったが、この一年ほど「萩の湯」には行っておらず、本当は漫画も毎回は読んでいなかった。どちらかというと日替わり湯の下のコラムの方を読み込んでいた。
なのに、「差し支えなければサインもいただけないでしょうか」と浦和の岡野選手か吉川ひなのかにもらった以来のサインをいただく。
「あ、名入れもお願いします」といただいたポストカードにお願いする。
こういう時、しょうもないアカウント名でお願いするべきか、本名でお願いするべきか、悩ましい。まあ無難ではあるが、本名にしておいた。

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「ではごゆっくり!」
「お引き止めして失礼しました。おやすみなさーい」ということで、20分の談笑後にイン。
メソポ田宮文明さん、本業はよく知らないが、こちらの店主とも仲よく、「イケメンですよ」とのことだ、ご参考まで。
参考ついでに、WEB1010の紹介記事はこちら。

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下足箱の近くに、本日の薬湯と今日が何の日かが紹介されていた。

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フロント前のソファでは、常連さんらしきお兄さま、お姉さまが牛乳を飲んでいる。
なんだか赤ちゃんみたいで可愛い。いや、明日は我が身、先を急ごう。

イケメンの店主に「表でメソポ田宮さんにお会いしまして・・」と興奮しながら話し、例によって回数券でお支払いしつつ、スタンプをいただいた。サウナが無料ということ、一番左のジェットが強力なことを教えていただき、潜入していこう。

脱衣所にはおばあちゃんお一人。
「あら、よかったわね、もう一人しかいないわよ、ごゆっくり」とのこと。おばあちゃんたら、杉ちゃんみたいなデニムのベストで出て行こうとしたので「それは流石に寒いかと」ともう一枚着せることに成功した。

浴場は正面に丸山清人氏の2020年12月13日に描かれたペンキ絵で、横長の作品。男湯との境に富士山が見えて、なんともありがたい。
手前にカランと立ちシャワーが左手に一基、奥に左手から強力ジェット、座風呂、エステジェット、バイブラ湯、日替わり湯、水風呂、サウナのレイアウトだ。

ジェットがすごい、とのことだが、エステジェットや座風呂なども結構強めではあるけれど、「地域最大」との貼り紙のある強力ジェットのお手並み拝見といこう。
ボタンが二つあり、一つを押しても作動せず、アレ?と思いつつもう一つを押す。ぶ、ぶっ飛びー!とりえちゃんも驚くはずだ。赤子だったら、鬼怒川あたりまでぶっ飛ぶし、お姉さまたちだったら三途の川まではいかないにせよ、肋骨は折れそうだ。
地域最大、というか最強、いや、都内最強は間違いない。神代湯の1.7倍とわかる人にだけ分かればいい説明でことばを濁したい。

そして日替わり湯は「アサイー」だ。
紫紺色で、香りも好み。ミニストップのハロハロは好きなものの、そもそも南国のデザートやフルーツに興味がないこともあり、アサイーのなんたるかがわからないので、「アサイーそのまんまだね!」かどうかは知らんけど、気持ちよかった。

では、ジェットの強さに鼻っ柱を折られた「神代湯」代表代理は、サ室に。
定員四名、二段なので、まずは一段目に。じわりじわりと汗が出る。途中、店員さんが入ってきて、スマホのライトでストーブを照らしている。
「なんのチェックなんですか?」と伺うと「以前、ストーブに水をかけられてしまって、ストーブの稼働も確認しているんです」とのこと。
その時にはストーブが壊れてしまったそうだ。ほかにもお二人、常連さんと入れ違いや同室にもなったが、その方々はとてもマナーもよかったので、こういうお客さんばかりだといいのにね。
ストーブを入れ替えた際に、おそらく板張りも変えた様で、とってもきれい。そして香太くんも並び、新しいサ室の香りがする。
そして興味深いのが、サ室内に流れる有線だ。あまり古い曲はわからないけれど、安室奈美恵の何か、ミスチルの「ダーリン」、沢田研二の「ダーリング」「TOKIO」、石川さゆりの「天城越え」、チェッカーズ「ジュリアに傷心」など。
ちなみにチェッカーズの曲は、嘉門達夫の替え歌バージョンに変換しながら聴いた。幼心のインプットは百まで、というのは間違いなさそうだし、百害あって一利なし、にも首がもげるまで頷きたい。
歌える歌の際には常連さんにも退出してほしかったが、そうはいかないのだけれど、ナナムジカ、くるり、椎名林檎、ミスチル、ドリカム、さだまさしの時はそっと私を一人にしてほしい。
常連さんとチラッとお話したが、ここが無料とは本当に信じがたい。なんなら、小タオルがつくなら400円払ってもいい。ここは・・といわざるを得ない。

そして、掛け流しの水風呂。
これはねえ、入らないとわからないけれど、ドバーッと水が溢れ、浴槽を枕にして天井の蛍光灯を見ていると、片付いていく気分。

なんだかんだで、ハシゴのつもりだったが100分ほど寛いでしまった。温冷交代浴も、ジェットから優しい日替わり湯でも気持ちいいこと請け合い。

さて、ここからは参考記事から解説を加えたい。
外観は、寺社風の屋根だが、近年改装したそうで、新旧が合体しているのだそう。夜行くと、その辺りが見えにくいのだけれど・・。創業は昭和39年なので、中に入ると気づくのだが、天井も高く、プロペラの扇風機も残っており、懐かしさ満点。
何と二代目店主、銭湯を継ぐまではスポーツクラブでインストラクターをしていたのだそう。そもそもは、二代目自身ののおじいさんとおばあさんがお二人でずっと経営していたのだとか。おじいさんのお名前が登喜雄さんで、「喜久の湯」の屋号の由来はそこからではないかとのこと。
ある時、おじいさんから「お前、銭湯をやる気あんのか」と聞かれたそうで、その後、店主はスポーツクラブの仕事とかけもちで、銭湯の仕事を手伝うようになったが、残念ながら2019年7月に先代が87歳でお亡くなりになり、二代目は銭湯の仕事に専念することになったのだそう。
店の出入りの際に、挨拶が丁寧だなという印象があった。理由は二代目の前職にある。「銭湯とスポーツクラブの仕事って、どこか似ているんですよね」とのことで、スポーツクラブ時代も今も大事にしていることは、「丁寧な挨拶」なのだそう。
そして、ジェットの秘密にも迫りたい。同じ記事曰く「うちのジェット風呂の水圧は、かなり強めに設定しています。これも、おじいちゃんのころからなんですけどね。各地の銭湯巡りをしている人からは、よく『ここのジェットが一番強いね』と言ってもらえます」とのこと。「地域最大」の貼り紙に偽りなし、私自身、都内をこれまで420軒以上回っていることになるが、都内で一番強いジェットだ。あ、正確には、今のところ。

そして、今後のビジョンについても。「入浴料金分だけでなく、どれだけお客さんに付加価値を与えることができるのかを考えています」とのことで、脱衣場のぶらさがり健康器、そして他にも運動できるマシンを置きたいのだそう。ご自身の経験から、銭湯とスポーツクラブの融合を目指しているのだそうだ。

お風呂上り、ここのソファでちょっとお休み。

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そして、フロントの若女将に事情聴取。
先代は石川県のご出身で、若女将のご主人は、一代超えでご自身のおじいさんの養子になったのだそう。なお、姉妹店はないそうだ。
ここでまた参考記事に戻るが、二代目は2012年に銭湯業の見習いを始め、2019年から銭湯を引き継いでいる。この二年間で変革したことには、背景画書き替え、浴室鏡交換、男女サウナ室板張り替えなど。その結果、少しずつお客さんも増えてきたのだそう。

この漫画たちも二代目の趣味なのかな?

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コーラを飲んでいると、待ってましたの番組。
やっぱり、マツコはいいねえ。

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そしてボードには各銭湯のシールなども。おおう、スナックもあるねえ。

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本当に、おそるべし銭湯。
正直、ホーム銭湯が揺らぐほどだ。
ここ、近かったら、他には行けなくなる。サウナが無料、という理由だけではなく、ジェットの強さもあり、日替わり湯の楽しみもあり、店主や女将さんとの語らいもあり、そして素敵な常連さんたちばかり。
そりゃ、通いたくもなるわ!
なるわ!だけでなく、実際に通うことになると思います。

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休日 金曜
営業時間 15:00−22:30 ※サウナは22:30まで

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