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今日のお手紙(28才.5/5)

今宵も、
お手紙したためます。

少し長くなるかもしれません。

今日はうちにとっては
GWの最終日。
これといって何の予定もない4日間でしたから、
終日絵を描いたり、
webで漫画を読んだり、
走ったり、
書いている物語の構想を練ったりしていました。
あと、プランターの植物にも
水をやりました。

***

今朝、しそとルッコラのプランターに
水をあげているとき、
しみじみとしてしまいました。

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今ちょうど、種まきから一ヶ月くらいです。
両端がルッコラ。真ん中がしそ。

株によって明らかに成長の具合が違います。
うちはこれをみて、人間を連想してしまいました。

土壌と水の条件は同じなので、これらの株たちの成長の違いは、
おそらく種の持っていた性質の違いと思われます。
そもそも、芽が出なかった種だってありましたし
あんまり成長が遅いものはもう間引いてしまいました。

平等…ではないですね。
当たり前のことかもしれないのですが、
今の生活の中では忘れそうになります。

生まれることができるか、
育ってゆけるのか、
生殖できるかどうかも含めて、
個性なんですよね。

うちは、間引き菜でもいいかな、と思います。自分が。
芽が出ない種でもいい。
そういうものがなければ、
成り立たない循環があるような気がします。

***

少し話題は変わります。

最近、うちはマインドマップというツールを使って、
「お墓」「悼み」という事柄について考えていました。
そして今日、これは偶然ですが、
「ブランクスペース」という漫画に出会いました。

amazonのおすすめに出てきて、
絵柄に惹かれたので、ポチッと購入したのでした。

ブランクスペース。つまり「空白」



この漫画のテーマである
「空白」と、そこにはたらく「想像力」

うちが最近考えていた
「悼むこと」「死者を思うこと」と、つながるような気がしました。

以前から愛読していた内田樹氏の著書「武道的思考」によれば、
死者を祀る、という喪の儀礼を行うことは、
人間を人間たらしめる最初の条件らしいのです。

もうそこにはいないものに向かって、なお問いかけること。
存在しないものとコミュニケーションをとること。

音楽もそうやって成り立っていて。

内田氏によると、
音楽は、もう聞こえないはずの音がまだ聞こえ、
まだ聞いていないはずの音がもう聞こえる、という仕方でしか
鑑賞されません。

その場限りの音しか感知できなければ、
どんな音楽も成り立たないんです。
言葉だって同じ。
単音だけでは成り立たず、既に発音が終わった音と
今聞いた音とのつながりが意識されなければ、
言葉として聞くことはできません。
つまり、思考できない。
つまり、人間であることができない。


「空白を思うこと」なしには
人間の世界観は存在しないのだと、
この「ブランクスペース」を読んで改めて思いました。

目に見えないこと、もの。
聞こえない音。
もう見えなくなったもの。
もう聞こえなくなった音。

以下の作品

アニメ「少女終末旅行」(原作 「少女終末旅行」つくみず著)
漫画「B&D」(ほしよりこ著)

これらも、
空白、というテーマに淡く関わっているなあ、と思います。
もともと、うちが好きな作品たちですが、

ひとつ作品に出会って、
これまで読んだ、鑑賞した何かと
つながるなあ、と感じるのは

心地の良い体験ですね。
そのつながりも、
音楽の連なりみたいだな、と思います。
もう聞こえないはずの音が、
まだ聞こえているような。

それらの作品について、そのつながり方について、
また改めて書きたいな、と思います。

***

さて、この話題はこれくらいにして。

今日は夕方のランニングの後、
Kneipp(クナイプ)のミントの入浴剤を
使ってみました。

いい香りでしたが、
めっちゃスースーしました。
お湯は熱いはずなのに、体感温度はスースーで、
なんだか不思議。
もう少し気温が上がってきたら、
気持ちいいお風呂になるかもしれません。

***

この前まで書きかけてた
「夕立ち」という物語の
続きを書こうとしています。

ミントのお風呂につかりながら考えました。

天使と部屋の主は、二人きりの部屋で
布団に潜り込みながら
どんな会話を重ねるだろうって。
何をして過ごすだろうって。

うちは、雲の上で暮らす人に会ったら
聞いてみたいこと、いくつかあるなあって
思いました。

例えば、
雲の上では何を食べてるの?
寒くないの?逆に、ここは暑すぎないの?
夜は、どうやって過ごすの?いつ起きて、いつ眠るの?
お昼の時間はめっちゃまぶしそうだけど、平気なの?
暇な時間とかあるの?何して遊んでるの?
学校はあるの?苦しいことはある?
何を見て、何を聞いてるの?
時々地上に遊びに来たりしてるの?
とか。

でもそんな質問全部を
言葉でぶつけられたら、
うちはいやだなあ。
言葉を考えるの、つかれるから。


雨に濡れて疲れきった天使の子に
してあげられることは何だろうって
考えたい。
それは言葉じゃないかもしれない。

その延長線上で
一つ二つの問いを二人で一緒に考えたりして
天使の子が、ふるさとについて
思いを深めることができたなら、それもきっといいな。

うちも、この世界の成り立ちについて、
盲点になっている雲の上のことを
想像するきっかけになるかもしれない。

そう、それは自分で想像すること。
成り立ちって、想像だから。
根掘り葉掘り聞かなくたって、
ああ、と分かることがある。
そういう時間になればいいな、と思ってます。

***

空白って、きっと空の上にもあるんでしょうねえ。
空の上にこそ、あるのかもしれない。

雲、という存在は
いつも空白を
思いださせてくれるような気もします。

だから、もしかしたら
雲の上に住む、ということは
空白の中に生きる、ということなのかもしれません。


今日はいろいろ考えてしまいました。
長い話を聞いて下さってありがとう。
うちが書いているのは
「題材」のようなものだと思っているので、
もしその周辺で、何か光るものが見つかったら
あなたが考えたこと、
あなたが思うこと、あなたの身の回りのことも
教えてくれたら嬉しいです。

それでは、また。
おやすみなさい。

28years old.5/5.Mizuki

絵を描くのは楽しいですが、 やる気になるのは難しいです。 書くことも。 あなたが読んで、見てくださることが 背中を押してくれています。 いつもありがとう。