日食なつこ~引っ越し先のゴミ捨て場から商店街を通って多次元世界まで~
結構前に触れてた(ちょうど2年越し!)、
日食なつこが最高だぜイエーイって話を本格的にしようと思います。
改めてきっかけは些細なことで、
そもそも日食なつこを知ったのはTBSラジオ「ハライチのターン」
(余談も余談ですがこのハライチのターンと「佐久間宜行のオールナイトニッポンゼロ」は選曲にストーリーがあって超好きです)
なんですが、その頃から移動中に聴く媒体としてラジオ>音楽になっていってたんです。
こういう言い方はアレですけど「音楽に背中を押してもらう必要がなくなった」というか、いろんなことが好転しだして「他者の言葉に共感して救われるほどの切実さ」が自分の中になくなったというか。
さらには自転車通勤を本格的にするようになって、イヤホンそのものを装着する時間が減ったのもあります。(ちなみに東京・神奈川ではイヤホンを装着しての自転車の運転は条例違反ですよー)
ただ、ここ数か月自転車の調子が悪く(結果リアホイールが壊れてた)電車通勤を再度するようになり、通勤電車内暇を持て余した上に(さすがに毎日ラジオ聴いてるわけじゃない)、家で食器を洗ったり洗濯物を干したり畳んだりする時に改めて音楽を聴くようになったんですね。ラジオ1.5時間とか2時間だとちょっと長いときがあって。ラジオは基本radikoで聴いてるから途中で止めて忘れちゃったりすると聴けなくなっちゃうし。
まあとはいえ一番の大きな原因はAmazon Primeに間違って年会費払っちゃったから元を取るためにストリーミングサービスを利用しまくってやろう、っていう意地汚い発想なんですが。
で、久しぶりに聴いたわけです。
「水流のロック」。
何というか完璧じゃないですか?
ピアノとドラムだけ。究極のピアノロック。
元々ピアノの音が好きで(子供のころ実家にピアノがあって、叔母がそこでピアノ教室を開いてたのが関係あるかも)
まあ自分も習ってたものの芽は出ませんでしたが、音として好きなんです。
水の音に似てません?
改めてこれ聴いて、動画にせよ音楽にせよ最近のストリーミングサービスって関連のあるコンテンツが次から次に出て来るじゃないですか。
当然日食なつこのアルバムがどんどん出てくるわけです。
芋づる式に聴くわけじゃないですか。
で、結論として
まず上述した「ピアノの音が好き」に加えて、
“HUNTER×HUNTERの「キメラアント編」に出てくるアリの師団長の一人、レオル(元ハギャ)が言うところの 「聴き終わるといい小説を読んだ後みてーな心地良い浮遊感が残るんだ」”
これね、自分が音楽を聴く上でひとつベンチマークにしていること。
物語性、とでもいうべきなのかな。
これが1曲1曲にパンパンに詰まってる。
その物語も実に多様で、
「水流のロック」みたいな劇場型(激情型)のものから、
「ある青年の旅立ち(引っ越し)当日」を描いたもの、
「思い出の品を捨てようかどうしようか悩む」話、
「商店街大好き!」の歌、
「多次元宇宙への時間旅行」
ととても同じ人が作った曲群とは思えないほど。
まあつまり端的に言うと「最高なやつ(語彙力)」だったわけです。
で、好きな曲をまとめてプレイリストを作って今そればっかり聴いてる。
なんなら歌ってる。
とまあ長い前振りはここまで、このプレイリストにぶち込んだ曲を
順不同に
1曲1曲
個人的な感想(という名のポエム含)つきで
紹介できる音源がネットの海に放流されていれば(ほとんど公式YouTubeにあるけど)
紹介していこうと思います。
まあまずはこれ。彼女の代表曲。上にも貼ってあるけど。
ピアノとドラムだけ。完璧なピアノロック(上にも書いたけど)。
泥濘を抜け出し、水流に逆らって、身を捩りながら前へ進め。
そこで二人起こした逆流がいつか伝説になる。
今まで日食なつこを聴いたことがない、って人はまずはこれを聴いてほしい。というか大概の人はこれから入ってるはず。
そして次。
なだれ。
ご本人も公言しているけれど、「水流のロック」のアンサーソング。
曲頭とか音階違いで同じメロディ(だと思う)。
あとこの動画はマジで見てほしい。
一発録り。
某F〇〇ST T〇〇Eなんか目じゃないぜ。
この2曲はまあ鉄板でしょ。
次。
タイヨウモルフォ。
実在する蝶の名を冠した、強く、美しい曲。
「今日も僕は照らされる資格があるのかい?」
「出来上がることを禁ずる、何故かって?そんなもんないからさ。」
から始まって
「間違った日は立て直すための歌を歌うだけ」
で終わる。
この曲に「四十路」ってタイトルをつけるセンス。
初めて聴いた時泣きそうになった。
全ての悩める四十路へ。
〘名〙 (Epigonen) 学問、思想、芸術などで、先輩のまねをするばかりで独創性のない人。 亜流。 模倣者。 追随者。
「四十路」とは真逆の、「戦わない人」に吐き掛ける容赦のない毒。
「なんとなく空でも飛んでいれば、いつか奇跡に出会うのかい?」
MVも強烈。
ダンツァーレ=Danzale、イタリア語で「踊り子」。だと思う。
「飛べよ 退屈な世の中と共に錆びることはないぜ
一石投じて後はどうなれ踊るだけ
ごめんね 君の望んだ僕じゃなくてももう止まれないや
あの星までの距離なんてまるで見えないふりをして」
まさに「今の空気感」に楯突くような歌詞と挑戦的なハンドクラップが印象的。
あとはただひたすらな疾走感。最高。
「雨雲と太陽」
こういう童話めいた恋物語もいいですね。
陰キャでコミュ障のメンヘラ(当然帰宅部)、雨雲ちゃんと陽キャでイケメン(多分サッカー部の部長で学級委員とかやってる)、みんなの人気者太陽くん。
こんな私なんて…と落ち込み泣き出す雨雲ちゃんに太陽くんは恋の魔法をかけるのです。
「そんなに泣くなよ RainyLady, 素敵な服が台無しさ
僕だけじゃこの星は枯れてしまう、君にいてほしいんだ」
トゥクトゥン!(ラブストーリーは突然に)
いかん、興奮して曲が変わってしまった。
丁寧なフレンチトーストのレシピ解説。
と、(まだ見ぬ貴方への)10ヶ年計画。
なぜか早起きしちゃった何の予定もない日曜日に聴きたい。そしてフレンチトーストを作るのだ。
今日明日の話じゃない、覚えてたら10年後に。
「雨は割と好き」っていう人は多いと思いますが(何もせずに一日眺めてていいなら自分も好きです)
その雨をして
「人の心に似ている愛しき冷たさ」
「僕らのあがきにも似た刹那の透明感」
と形容するのには痺れました。
ただその雨の「芯を食った部分」にまとわりつく諸々がたまらなく不快なのもまた一面で。
タイトルの「傘はいらんかね」も、実にどっちつかずの表現というか。いるともいらないとも、呼びかけにも聞こえる。果たして真実はどこに。
そんなことを思いながら聴いてほしい。できればどこにも出かけない雨の日に。
「どう考えても夏の高校野球がテーマだよな…」
って思いながら聴いてたら案の定岩手朝日放送の高校野球テーマソングだった。
でもすべてのスポーツに賭ける青春(アオハル、と読みます)どもに聴いてほしい。
何というか普遍的な応援歌とは一味違う仕上がりになってるから。
いや、内容はもちろん普遍的な応援歌なんだけれども。
説明が難しいなぁ。
けど「何か大きなものを目指して(結果失敗したとしても)飛ぼうとしたことがある人」には必ず刺さる、はず。
哲学的(小並感)、というか。
こころと言葉に踊らされ、傷つき傷つけ毎日行き詰まって思い詰めてそれでも這いずり回って今日を乗り越えて生きてるぼくらヒューマンのお話。
20世紀ノスタルジア
じゃなかった、ノスタルジー。
古き良きあの日の思い出は、まだ交換していない10円ガムの当たり。
20代半ばから30代前半の、それなりに擦り減ってるけどまだ希望を捨てていない社会人たちが聴いたら多分泣く。
これはもうPV(本当にプロモーションだし)がすべてを物語っているので見てほしいですね。
<ローカルミーハーとは>
全国的に有名なことではなくても、「自分や地元の人なら知っている」というローカルな情報が、テレビやメディアなどによって世間に公開されると嬉しくなったり自慢したくなったりする人。また、そのような街のスポット(店/場所)や人に関する情報のこと。
そして若き日の(失礼)奈緒ちゃん!
初夏の匂いを感じさせる湿った空気とパサついたパン。
色気も味気もないけれど、旅立ちの日はこのくらいがちょうどいい。
新しい場所にHIKKOSHIする時は、このくらいカラっとしていたい。
この曲をテーマに短編映画が作れそう。頭の中にいくつもコンテが浮かんでくる。鈴木英人的なやつが。
またうって変わって壮大なテーマでお送りする。
メディアミックスできそう。いや誰かしてくれ。
-あの日ぼくは出会った、「別の銀河から来た彼女」に-
時は宇宙世紀、地球人の「ぼく」は或る日「別の銀河から来た」という「彼女」に出会う。彼女が語る宇宙(そら)の旅は「平衡感覚に縛られていた」ぼくにとっては刺激的で、大人たちを出し抜いて「いつか彼女の生まれた星に一緒に行けたら」なんて企んでいたけれど…
ってな感じでジュブナイルSFのあらすじっぽく書いてみましたがどうでしょう。笑
こんなところかなぁ。割と想いを言葉にしやすい曲中心にお送りしましたがいかがだったでしょうか。
いちばん最初にも書きましたが、自分の中の音楽を聴くスタンスが大きく変わって、今は純粋に「その曲に込められたストーリー」を楽しむことが出来ています。
なので曲の第一印象で選んでる部分が大きいかもしれません。
コアなファン層の方、「この曲が入ってない、やり直し」「これは聴いておけ」等のご指摘は(あまり強めのものはご勘弁いただきたいですが)どしどし承っておりますので、何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。笑
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