「御社の面接は面接ではなく妄想です」

今回は、「妄想面接」について紹介します。妄想面接はリスクしかありませんのですぐにやめるべきです。


妄想面接とは?

妄想面接とは、応募者の返答から妄想を重ねて面接を進めていくことです。次の面接の問答を見てみましょう。

面接官「あなたの短所は何ですか?」

応募者「私の短所は、ひとつの事に集中すると周りが見えなくなるところです。」

ここで面接官の行動としていくつか選択肢があると思います。例えば、

1.「その短所をカバーするための対策は何かされていますか?」と質問

2.「では、あなたの長所は何ですか?」と質問する。

というような選択肢があったとします。経営者あるいは面接官のみなさんはどの選択肢を選びますか?

選択肢2が妄想面接に該当します。選択肢2は、短所という応募者の保持するマイナスな点について不確実性を持ったまま次の質問に移行しているからです。そして、それは往々にして「応募者は○○の場面でも○○するのかもしれない」という面接官の妄想で自己完結している場合が多いです。


妄想面接の危惧

妄想面接は偏にリスクしか負いません。また、そもそも面接の体を成していません。「おや?」と思う点については質問する、擦り合わせる。これが面接です。妄想であればわざわざ面接する必要がありません。

妄想面接のリスクは、

「応募者を採用した後に想定外のリスクが顕在化するリスク」

「優秀な応募者を不採用にしてしまうリスク」

と、採用・不採用いずれにしても貴社に対してはリスクしかありません。特に、採用した場合はリスクを貴社が保持するということですので、リスクが顕在化した場合は貴社が損失を被ることになります。


妄想面接は質問内容によらず悪手

妄想面接が悪い点は、不確実なものを妄想で補完してしまうことです。上記は短所についての問答でしたが、長所についての問答であっても妄想面接はリスクを伴います。

上の図より、面接官のネガティブな妄想は”企業の機会の損失”、ポジティブな妄想は”企業への実損失”を招くことがわかります。

所謂、チャンスと損失を面接で正しく見極められるかどうかがとても重要であることがわかります。また、その結果を招いているのは社員ではなく貴社である可能性も高いということを心得ておくべきです。(※そのためには、面接だけでは不十分な場合があります)


まとめ

今回は、面接官の妄想によるリスクや損失について紹介しました。

限られた時間で応募者を見極めることは難しいかもしれませんが、応募者の発言の内容がポジティブかネガティブかに係わらず、事実を確認したり時には他の可能性を引き出すような質問をすることが重要となります。そのためには、ありきたりな質問をしていては非効率的かもしれません。時間を節約しつつも効果を最大に得るための質問を考えましょう。

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