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地球のはなし すもつくれん?

 この「灯」に雑文を書かせてもらうようになったのは、1991年4月だから、かれこれ18年になる。

 長く続いたとも思うし、年月の早さを実感もするが、なによりも印象的なのは、この間の情報技術の変革である。

 IT革命という概念でくくられるこの激変は、私個人にも降りかかり、「灯」にも影響した。たとえば、原稿を手書きして郵送していたのが、パソコンで作った原稿を電子メールで送るようになった、という具合である。

 思い起こすと、こうした動向に対して、私自身はある種の危機感を覚えながらも、インターネットを利用するなどして、これを享受してきた。

 「灯」を書き始める数ヶ月前まで、月刊アドバンス大分(廃刊)に「地球のはなし」という連載をしていたのだが、その最終回は、こんな文章で終えていたにもかかわらず。

 「最近の世界の動きを見ていると、精神的地球も現実の地球も、ともに、どこかに向かって転がり落ちているような気がします。これには、情報機構の異常な発達が関与しているに違いありません。なんとかこれに抵抗し、スローダウンを心掛けたいと思うのですが、どうでしょうか?」

 加速度的に転がっている今となっては、すもつくれん(役立たず)かもしれないが、自戒のためにも再記する次第である。
                                                                                              (2009.2.26)

別府温泉地球博物館理事長の由佐悠紀が執筆し、新聞・雑誌などに掲載されたものを順次ご紹介しています。--

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