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地球のはなし ケ・セラ・セラ?

 高校同窓のH君から十数年ぶりの電話があった。バレーボール部のOB会を別府でやるから参加しないか、と言う。すっかり忘れていたが、私は確かにバレーボール部(正しくは、排球部)に入部していた。

 私は、学校の体育の時間以外には、めったにスポーツをしなかった。スポーツそのものが嫌いと言うわけではなく、スポーツをする習慣が、ついに身につかなかったのである。

 ただ1つの例外が高校1年生のときで、かれこれ半世紀も前、9人制のバレー(当時は6人制は無かった)を下手なりに楽しんでやった記憶がある。しかし、1年間でやめてしまった。レギュラーはもちろん、補欠にさえなれそうもなかったので、嫌気がさしたのではないかと思う。だから、部員だったとはとても言えそうにないのだが、H君は覚えていて、誘ってくれたのである。

 2月の初めに、男女合わせて13人集まった。全員65歳前後である。それぞれに歳を重ねてはいるが、誰であるかは分かる。若いときの印象は鮮明に残るものらしい。

 2次会はカラオケに行った。あの頃の歌が出る。その1つがケ・セラ・セラ。ヒッチコックのミステリー映画の名作「知りすぎていた男」で、ドリス・デイが歌って大ヒットした。忘年会もどきの集まりで、みんなで歌ったこともある懐かしい歌なのだ。ちなみに、スペイン語だそうで、意味は「なるようになる」。

 歌い終わって、誰かが言った。私たちの半世紀もケ・セラ・セラだった?
                            (2006.3.17)

別府温泉地球博物館理事長の由佐悠紀が執筆し、新聞・雑誌などに掲載されたものを順次ご紹介しています。--


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