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地球のはなし ゴミの分別 2

 6年ほど前、本欄に「ゴミの分別」という題で「1980年頃、南極の環境保全の一環として、スコット基地でゴミの分別が始まったのだが、容易ではなかった」ことを引き合いに出して、長年の意識を変えるのは難しいのか、というようなことを書いた。記憶ははっきりしないが、その頃から可燃物と不燃物に分別することが一般的になったのではないかと思う。

 その後、いろんな批判はあるものの、資源ゴミのリサイクルも加えられて、ゴミ分別の意識と行動はずいぶんと進展したように思う。ところが最近、分別の細部が自治体によって違うことを知った。現実の問題としては、理念もさることながら、実行するに当っての細部が重要と思うので、記させていただく。

 きっかけはテレビである。大分市では「ペットボトルのふた」「油が入っていたペットボトル」は不燃ゴミと放送されて、オヤと思ったのである。私が住んでいる別府市では、両方とも可燃ゴミだからである。聞き間違えたかと思って調べたら、確かにそうなっている。発泡スチロールも、大分では不燃ゴミ、別府では可燃ゴミと、これも違う。ほかにも、いくつかある。

 となりどうしの、わが県を代表する都市で、区分が違うのはどういう訳だろう。ゴミ処理施設の事情などがあるのかもしれないと思ったりするが、やはり釈然としない。ゴミ分別の実務については、各自治体に共通するモデルを求めて、さらなる議論や調整が必要ではないだろうか。
                          (2005.11.22)

別府温泉地球博物館理事長の由佐悠紀が執筆し、新聞・雑誌などに掲載されたものを順次ご紹介しています。

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