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地球のはなし いろいろなダリア 

 4月の末、日用雑貨のスーパーに書類やCDを整理するためのトレーを探しに行ったら、どうしたわけか草花のコーナーに目が行った。さまざまな種や球根が、花の写真が印刷された袋に入れて、売られている。

 あれこれ眺めているうちに、その気になって、ポンポン咲きのダリアの球根を3個買い、狭い庭の隅っこに植えた。いちおう、袋に書いてある説明のとおりに植えた。

 10日ほど経ったら、軸の太い芽が1つ出てきた。支柱をそえるようにとあるので、そのとおりにした。順調である。しかし、次がなかなか出てこない。半ばあきらめていたら、2週間ほどして出てきた。先のより細めである。

 さて、3番目。1ヶ月近くも経つのに、出てこない。あまり良い土ではないし、土の中で腐ったのかもしれないと、完全にあきらめた。掘り出してみようかとも思ったが、面倒なので、そのままにしておいた。

 ところが6月に入って、2本のダリアに水をやろうとしたら、ちょっと離れたところに、細くて弱々しそうではあるが、雑草とは明らかに違う芽が顔を出していた。

 同じ条件で作られた球根だったろうし、同じ条件で植えたのに、それぞれはこれほどに違う。それでも、それなりに芽を出して成長している。そのうち、赤・紫・黄の花を咲かせてくれるだろう。憂鬱ばかりの中、ちょっとした楽しみになった。
                           (2008.6.19)

別府温泉地球博物館理事長の由佐悠紀が執筆し、新聞・雑誌などに掲載されたものを順次ご紹介しています。--

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