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地球のはなし 時差ボケの旅

 毎日が日曜状態になって6年が経つのに、3月が近づくと時節を感じ、日常とは違うことをしてみたくなる。
 それで今年は、旅行社が企画したツアーに参加した。
 行き先はヨーロッパ、期間は2月末から1週間ほど。名所旧跡を大急ぎで見て回ろうという魂胆である。

 ドイツでは古い街・城・教会などを見物し、スイスでは山に上がり、フランスではモンサンミッシェル修道院に行き、パリの街並みを眺め(ロシア大統領が訪仏中で、凱旋門には大きなロシア国旗がはためいていました)、ルーブル美術館の傑作群に感激し、ベルサイユ宮殿にあきれたりしたので、所期の目的は達せられたと言える。

 「山に上がり」というのは、かのアイガー北壁をくりぬいたトンネル(驚嘆しました)を登山電車で行って、3454メートルのユングフラウヨッホに上がったことである。

 登ったとはとても言えないけれど、私は高校のころ登山のまねごとをしてアルプスに憧れていたので、反則的ではあるが、半世紀の夢が叶ったことになった。
 この行程は2300キロを超えている。疲れはしたものの、実は移動中に見た景観も大変魅力的だったのである。満足して帰ってきたら、今までに無いほどの強い時差ボケにかかってしまった。
回復が遅いのは、加齢のせいなのだろうか。       (2010.3.20)

別府温泉地球博物館理事長の由佐悠紀が執筆し、新聞・雑誌などに掲載されたものを順次ご紹介しています。


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