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地球のはなし 別府の群発地震

 6月7日の夕方、東京で、会議が終わって席を立ちかけたら、見計らったように携帯電話が鳴った。掛けてきたのは家人で、別府は真夜中12時前から地震が続いている、ときどき大きく揺れるし、ドーンと音もするし、怖くて眠れなかった、という。

 またおなじみのやつかと思って、そのうち収まるだろうと答えたら、あちこちから見舞いのメールや電話をいただいたけど、あなたは全然知らなかったのかと、言外に、他人ごとみたいなことを言ってと、非難めいた調子もあるようだった。

【2007 年6月の大分県中部(別府市付近)の地震調査報告:気象庁】https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/kenshin/vol72p061.pdf

 急いでのぞいたインターネットの地震情報の震度は最大4と、いつもより大きいものがあり、災害が気になったが、大きな被害は出ていなかったようだったので、少しく安堵した次第だった。

 これまでも、この欄で何度か触れたのだが、別府を含む中部九州は地殻変動の活発な地域である。その現われの1つである群発性の地震は、ローカルなものであるが、その原因は全地球規模の変動と関連しており、人の力ではいかんともし難い。
【別府・島原地溝帯と京都大学地球熱学研究施設の立地】

 この地域に展開する地震活動、火山活動、温泉活動、そして風光明媚な景観などは、すべて同根の原因に由来する。ときに不気味な現象に見まわれるけれども、それに対する備えをより確かなものにして、この地の特徴と付き合っていかざるを得ない。
                           (2007.6.28)

別府温泉地球博物館理事長の由佐悠紀が執筆し、新聞・雑誌などに掲載されたものを順次ご紹介しています。--

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