犬を愛でるような性生活の話

我ながらなんだこのタイトルと思うけどね

今日はセフレ以上恋人未満の男の話

「セフレ以上恋人未満になるのも悪くない！」

馬鹿が書いたみたいなネット記事の一行目

「セフレ」「恋人」「違い」と検索すると上位にヒットするアホみたいな提案に誰がいいね！と思うのかしら

そんな検索をする世の女子はセフレから恋人に成り上がるために期待を持って調べてるんだからやめてやれ

ちなみに同意だけならできる

「セフレ以上恋人未満」になることは悪くないとわたしも思うし現にそういう相手がいる

わたしはその相手と進展もしたくなければ切りたくもない

恋人になりたいわけでもないけれど、わざわざ適温の風呂から寒い部屋に裸で戻るのも面倒だという話

この相手、言わば飼い犬なのである

所有権を感じているとかそういうことではなくて、相手に感じている感情がペットに抱くそれなのだ

自分が飼っている犬が突然家に帰って来なかったら不安になるし、急に他の人間に懐くとモヤっとするし、あげた記憶のないおもちゃを持っていたら「え？」となるよね、当然のことだね

今日わたしの家に来ると言っていた男が急に来なくなった、わたしに懐いていたはずなのに別の女と仲良くしている、男の家に行くと知らないピンクの歯ブラシが置いてある

でも犬だからさ、犬だからね

愛情はあるけれど恋はしないのですよ

面食いなわたしには珍しく見た目も服装もタイプでもないセフレと関係が続いて一年が経った

相手からの気持ちも、もう分かっている

口に出さないことを暗黙の了解にして、お互いがぬるま湯にず〜っと浸かっている

気持ちいい半身浴

愛情はある、かわいいと思う、わたしのこと気に入っているんだろうなということが伝わる、わたしも同じ気持ちだと向こうもわかっている、だから付き合うには至らない

付き合う理由はない

独占する理由もない

セフレと言い切るには愛情がありすぎるけれど、恋人になりたいほど好きでもない

犬

愛しい愛しい首輪のついてない飼い犬

首輪をつけるの嫌がるもんね、わたしも飼い犬に首輪はつけないタイプなの、よかったね、あなたもわたしもベストがお揃いだね

よかったね　わたしで

終わることがわかっているから愛おしいね

犬の寿命は短いからね

せめて楽しい思い出をたくさん作って、美味しいご飯を食べさせて、一緒に遊んで、そしていなくなった後も何回も思い出すね

大切な飼い犬だもの

そんなセフレがいる話